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鳥の季語 17 と俳句 50選

鶯と白い梅の花

このページには、鳥に関する季語と、それらが詠み込まれた俳句を集めてあります。

春、夏、秋、冬と、日本の四季のそれぞれを彩る鳥たちがいる光景の、様々な美しさが感じられるものばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

季語「春の鳥」の俳句

まずは春の季語からみていきましょう。様々な春の小鳥を詠むときの季語が「春の鳥」です。

 

春の鳥 あけぼの楠を はなれたり

【作者】幸田露伴(こうだ ろはん)

【補足】(くす、くすのき)は、クスノキ科の常緑高木です。

 

おのがこゑに 溺れてのぼる 春の鳥

【作者】飯田龍太(いいだ りゅうた)

 

春の鳥 徽宗皇帝に 描かれけり

【作者】尾崎迷堂(おざき めいどう)

【補足】「徽宗(きそう)」は、中国・北宋(ほくそう)時代の皇帝です。

 

 

季語「百千鳥」の俳句

「百千鳥(ももちどり)」も春の季語です。これは鳥の名前ではなく、春の鳥の囀り(さえずり)や群がりなどをいう言葉です。

 

入り乱れ 入り乱れつつ 百千鳥

【作者】正岡子規(まさおか しき)

 

百千鳥 もつとも鳥の 声甘ゆ

【作者】中村草田男(なかむら くさたお)

 

百千鳥 映れる神の 鏡かな

【作者】川端茅舎(かわばた ぼうしゃ)

【補足】「映れる」の読み方は「うつれる」です。

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季語「鳥の巣」の俳句

雀、雲雀(ひばり)、燕などの巣を指す春の季語です。「鳶(とび)の巣」「鷲(わし)の巣」なども多く用いられる季語です。

 

鳥の巣の ありあり見ゆる 榎哉

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

【補足】(えのき)は、ニレ科の落葉高木です。

 

鳶の巣と しれて梢に 鳶の声

【作者】立花北枝(たちばな ほくし)

【補足】鳶(とび)はタカ科の鳥類で、「とんび」とも呼ばれます。

 

鷲の巣の 樟の枯枝に 日は入ぬ

【作者】野沢凡兆(のざわ ぼんちょう)

【補足】鷲(わし)もタカ科に属する鳥類です。

 

 

季語「鳥交る」の俳句

鳥交る(とりさかる)も春の季語です。春は鳥の交尾期です。

 

円空の 一刀二刀 鳥交る

【作者】加藤秋邨(かとう しゅうそん)

 

塵取に 尚吹く風や 鳥交る

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

【補足】「塵取」「尚」の読み方は、それぞれ「ちりとり」「なお」です。

 

鳥交る 母が襁褓は 干しなびき

【作者】松本たかし(まつもと たかし)

【補足】「襁褓」の読み方は「むつき(おしめ)」です。

並んで飛ぶ二羽のカモメ

 

 

季語「鳥帰る」の俳句

春に鳥が北へ帰っていくことを意味します。

 

払暁の 井戸軋らすや 鳥帰る

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】払暁(ふつぎょう)とは、夜の明け方のことをいいます。「軋らす」の読み方は「きしらす」です。

 

帰り着き 死ねばうれしと 鳥帰る

【作者】松瀬青々(まつせ せいせい)

 

鳥帰る 老は出口の なき淵か

【作者】飯田龍太

 

 

季語「閑古鳥」の俳句

閑古鳥(かんこどり)は郭公(かっこう)のことで、夏の季語です。

 

うき我を さびしがらせよ かんこどり

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

 

足跡を 字にもよまれず 閑古鳥

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

 

むら雨の 音しづまれば かんこどり

【作者】高井几董(たかい きとう)

【補足】むら雨(むらさめ)とは、ひとしきり降っては止むような雨のことです。

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季語「巣立鳥」の俳句

巣立鳥(すだちどり)とは、雛(ひな)が巣を離れて飛び始めることをいいます。夏の季語で、「鳥巣立つ」と詠まれることもあります。

 

其夜から 雨に逢ひけり 巣立鳥 

【作者】小林一茶

 

巣立ちたる 雀に初の 雨降る日

【作者】上村占魚(うえむら せんぎょ)

 

鳥寄せに 寄りきてかなし 巣立鳥

【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)

【補足】鳥寄せとは、餌(えさ)を使ったり、鳥の鳴き声をまねて、鳥を近寄らせることです。

 

 

季語「羽抜鳥」の俳句

羽抜鳥(はぬけどり)とは、夏になって羽が生え替わっていく鳥のことです。

 

なかなかに 安堵顔なり 羽抜鳥

【作者】小林一茶

【補足】安堵(あんど)とは、物事がうまくいって安心することをいいます。

 

はばたける 朱き腋見ゆ 羽抜鶏

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

【補足】「朱き」の読み方は「あかき」です。

 

羽抜鳥 この身の末を みよとかな

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

水辺を歩いている鳥

 

 

季語「色鳥」の俳句

色鳥(いろどり)とは、秋になって渡ってくる色々な小鳥のことを意味します。

 

色鳥に 心遊べる 主かな

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

 

瀬を早み 色鳥の声 はるかにす

【作者】臼田亜浪(うすだ あろう)

 

色鳥が 小首に枝を 見上げたる

【作者】中村草田男

 

 

季語「啄木鳥」の俳句

単に「啄木鳥(きつつき)」とした場合は秋の季語ですが、「春の啄木鳥」とすれば春の季語になります。

 

木つつきの 音や銀杏の 散がてら

【作者】各務支考(かがみ しこう)

【補足】「銀杏」の読み方は「いちょう」です。

 

木啄も やめて聞かよ 夕木魚

【作者】小林一茶

 

啄木鳥の 羽美しく うつりけり

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

 

 

季語「小鳥」の俳句

小鳥は秋の季語で、「小鳥来る」「小鳥狩」などの季語も用いられます。

 

粟の穂に あそべ小鳥の 渡りかけ

【作者】立花北枝

 

この並木 小鳥の影の 稀にさす

【作者】加藤楸邨

【補足】「稀」の読み方は「まれ」です。

 

高原の 霧晴れてゆく 小鳥かな

【作者】高浜年尾(たかはま としお)

 

 

季語「鳥威」の俳句

鳥威(とりおどし)は、竹の棒に赤い布切れを付けたようなもので、秋の季語となります。

 

母恋し 赤き小切れの 鳥威し

【作者】秋元不死男(あきもと ふじお)

 

鳥威し 山に檜が 枯れしまま

【作者】飯田龍太

【補足】(ひのき:桧とも表記)はヒノキ科の針葉樹です。

 

山風に もまるゝ影や 鳥おどし

【作者】西島麦南(にしじま ばくなん)

田んぼに立っている案山子

 

 

季語「渡り鳥」の俳句

渡り鳥は秋の季語で、「鳥渡る」と詠まれることもあります。

 

日にかかる 雲やしばしの わたりどり

【作者】松尾芭蕉

 

渡り鳥 仰ぐや茱萸を 食べながら

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

【補足】「茱萸」の読み方は「ぐみ」です。

 

渡り鳥 仰ぎ仰いで よろめきぬ

【作者】松本たかし

 

 

季語「冬の鳥」の俳句

冬の鳥の総称で、「寒禽(かんどり)」も同じ意味の冬の季語です。

 

冬の鳥 声なく尾羽 下げとまる

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

 

そのなかに 寒禽ふるふ 影のあり

【作者】飯田蛇笏

【補足】寒禽(かんきん)とは「冬の寒さの中を生きる鳥」という意味です。

 

 

季語「千鳥」の俳句

千鳥(ちどり)の名前の由来は、群れをなす鳥であることといわれています。「千鳥の巣」とすると春の季語になります。

 

あし跡を 浪にとらるゝ 千鳥かな 

【作者】横井也有(よこい やゆう)

 

走り寄り 二羽となりたる 千鳥かな

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

 

俊寛と 共に吹かるる 千鳥かな

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

【補足】俊寛(しゅんかん)は、平安時代後期の僧侶です。

 

 

季語「水鳥」の俳句

水鳥(みずとり)は冬の季語で、水に浮かんで泳ぐ鳥の総称です。

 

水鳥の おもたく見えて 浮にけり

【作者】上島鬼貫(うえじま おにつら)

 

水鳥よ ぶいぶい何が 気に入らぬ

【作者】小林一茶

 

水鳥や 枯木の中に 駕二挺

【作者】与謝蕪村

【補足】「駕二挺」の読み方は「かごにちょう」です。

 

 

季語「都鳥」の俳句

都鳥は冬の季語です。

 

我舟に おもて合せよ 都どり

【作者】高井几董

 

都鳥 とんで一字を 畫きけり

【作者】高浜虚子

 

川風に あまりに寒し 都鳥

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

川瀬で餌を探している都鳥

都 鳥

 


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