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月の和歌で美しいもの 21首を厳選しました 【現代語訳】付き

丸窓からの風景

空に浮かぶ月は人々を魅了し続けてきましたし、多くの和歌・短歌・俳句などに詠み込まれてきました。

このページには、月を詠んだ和歌を集めました。美しい月のある情景が浮かぶようなものばかりですので、是非鑑賞してみてください。

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目次

月の和歌 21首

現代語訳を付けましたが、これは私の意訳であることをお断りしておきます。何卒ご了承ください。

 

 

秋の夜の 月にこころのあくがれて 雲ゐにものを思ふころかな

【現代語訳】秋の夜の月に心が移ってしまい、雲の上で物を思う(今日この)頃だなあ…

【作者】花山院(かざんいん=花山天皇)

【補足】「あくがれて(憧れて)」は、「(心が体から)離れて」という意味です。

 

 

あぢさゐの 花のよひらにもる月を 影もさながらをる身ともがな

【現代語訳】あじさいの花の四片の花びらから洩れる月の光を、その影とそのまま折ることができたらよいのだが…

【作者】源俊頼(みなもとのとしより)

 

 

天つ風 氷をわたる冬の夜の 乙女の袖をみがく月かげ

【現代語訳】天の風が氷の上を渡ってくる冬の夜に、舞姫の袖を月の光が輝かせている

【作者】式子内親王(しきしないしんのう)

【補足】「天つ風(あまつかぜ)」とは、空高くを吹き抜ける風という意味です。「月かげ(月影)」は「月光、月明かり」を意味します。

 

 

荒れはてて 月もとまらぬ我が宿に 秋の木の葉を風ぞふきける

【現代語訳】荒れ果てて月も留まらない私の家に、秋の風が木の葉を吹きつけている

【作者】平兼盛(たいらのかねもり)

 

 

北山に たなびく雲の青雲の 星離さかり行き月も離さかりて

【現代語訳】北山にたなびく青雲が、星を離れて行き月をも離れて行く

【作者】持統天皇(じとうてんのう)

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暮れぬ間は 花にたぐへて散らしつる 心あつむる春の夜の月

【現代語訳】(日が)暮れないうちに花のように散らした心を、集めてくれている春の夜の月…

【作者】源頼政(みなもとのよりまさ)

 

 

この世にて 六十ぢはなれぬ秋の月 死出の山路も面変りすな

【現代語訳】この世では(私と)六十年離れなかった秋の月よ、死出の山路でも変わらないでくれ

【作者】俊恵(しゅんえ)

【補足】六十ぢ(むそじ:六十路)とは、「六十歳、六十代、六十年」を意味します。死出の山路とは、冥途にある山の道のことです。

 

 

此の世をば 我が世とぞ思ふ望月の 虧けたる事も無しと思へば

【現代語訳】この世は私の世であると思う、満月のように欠けていることが無いと思えば

【作者】藤原道長(ふじわらのみちなが)

【補足】この歌は、道長の三女・威子(いし、たけこ)の立后(りっこう:公式に皇后を定めること)の日の祝宴で詠んだ歌と伝えられています。

 

 

月影も 見し春の夜の夢ばかり 霞に残るあけぼのの空

【現代語訳】月の光も、春の夜の夢で見たように、あけぼのの空の霞の中に残っている

【作者】本居宣長(もとおり のりなが)

 

 

月やあらぬ 春や昔の春ならぬ 我が身ひとつはもとの身にして

【現代語訳】月や春の情景は昔のものではないのだろうか、私だけは元のままでありながら…

【作者】在原業平(ありわらのなりひら)

【補足】「月やあらぬ」と「春や昔の春ならぬ」を反語と解釈する説もあります。

月と桜の花

 

 

月夜には それとも見えず梅の花 香をたづねてぞ知るべかりける

【現代語訳】月夜には、それと見分けがつかない梅の花は、香りを探してこそ見つけることができるのです

【作者】凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)

 

 

庭のおもは 月もらぬまでなりにけり 梢に夏の影しげりつつ

【現代語訳】庭の地面に月の光が漏れないまでになった、梢に夏の葉が茂ったため

【作者】白河院(しらかわいん=白河天皇)

 

 

ぬば玉の 夜霧の立ちておほほしく 照れる月夜の見れば悲しさ

【現代語訳】夜霧が立って、おぼろげに照らす月夜を見ていると悲しいものよ

【作者】大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)

【補足】「ぬば玉」は「夜」「黒」などにかかる枕詞(まくらことば)です。

朧月

 

 

萩の月 ひとへに飽かぬものなれば 涙をこめてやどしてぞみる

【現代語訳】萩を照らす月は、いくら見ていても飽きないものなので、こらえた涙の中に宿して眺めよう

【作者】伊勢(いせ)

 

 

花鳥(はなとり)の ほかにも春のありがほに 霞みてかかる山の端の月

【現代語訳】花や鳥のほかにも春らしさはあるとでも言いたげに、霞んでかかっている山の端の月…

【作者】順徳院(じゅんとくいん=じゅんとくてんのう)

 

 

弾く琴の 音(ね)のうちつけに月影を 秋の雪かとおどろかれつつ

【現代語訳】弾いている琴の音を聞いているうちに、月の光を秋の雪かと思って驚いてしまいました

【作者】紀貫之(きのつらゆき)

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久方の 月の桂も秋はなほ 紅葉すればやてりまさるらむ

【現代語訳】月にある桂(の木)もやはり紅葉するから、いっそう強く照らすのだろう

【作者】壬生忠岑(みぶのただみね)

【補足】「久方の」は「月」などにかかる枕詞です。古くには、月には桂が生えていると言われていました。

 

 

見る人に 物のあはれをしらすれば 月やこの世の鏡なるらむ

【現代語訳】見る人に「もののあはれ」を知らせるとすれば、月はこの世の鏡なのだろうか

【作者】崇徳院(すとくいん=崇徳天皇)

月と五重塔

 

 

虫のねも 月のひかりも風のおとも わが恋ますは秋にぞありける

【現代語訳】虫の鳴き声も、月の光も、風の音も、私の恋心が強くなるのは秋のことでした

【作者】能因(のういん)

 

 

夕月夜 さすや岡べの松の葉の いつともわかぬ恋もするかな

【現代語訳】夕月がさしている岡の松の葉のように、いつも変わらないような恋をするのです

【作者】猿丸太夫(さるまるだゆう)

 

 

夜とともに 山の端いづる月影の こよひ見そむる心地こそすれ

【現代語訳】夜になって山の端に出てくる月は、今夜初めて見るような気持がする

【作者】藤原清輔(ふじわらのきよすけ)

 

 


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