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チューリップの俳句 30選 -鬱金香-

色とりどりのチューリップの花

春に色とりどりの花で私たちを楽しませてくれるチューリップには、数百の品種があるといわれています。

このチューリップは俳句の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。

このページには、チューリップが詠まれた俳句の中から 30句を選びました。可愛らしいチューリップの花が目に浮かぶような作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

チューリップの俳句 30選

チューリップが詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

「チューリップ」は、俳句において春の季語とされます。

 

一片の 先づ散りそめし チューリップ

【作者】高浜年尾(たかはま としお)

【補足】「先づ」の読み方は「まず(=「最初に」の意)」です。

 

鴬の 高音ひねもす チユーリツプ

【作者】川端茅舎(かわばた ぼうしゃ)

【補足】「ひねもす」は「一日中」の意味です。

 

鉛筆で 書く音静か チューリップ

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

 

風邪ぐすり 飲み チューリップを植ゑし

【作者】細見綾子(ほそみ あやこ)

 

黒絹の うすきくつたび チユーリツプ

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

チューリップの蕾

 

鼓笛隊 先頭一軍の チユーリツプ

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

【補足】鼓笛隊(こてきたい)は、笛と太鼓を中心に構成した音楽隊です。

 

子の夢の ふた葉となりぬ チューリップ

【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)

 

世界一 花市場なり チューリップ

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

 

それぞれに うかぶ宙あり チューリップ

【作者】皆吉爽雨(みなよし そうう)

【補足】「宙」の読み方は「そら、ちゅう」です。

 

チューリップ 赤きを挿して 乙女妻

【作者】石塚友二(いしづか ともじ)

【補足】「挿して」の読み方は「さして」です。

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チユーリツプ 赤の週間 わが書屋

【作者】後藤夜半(ごとう やはん)

【補足】書屋(しょおく)とは、書斎(しょさい)のことです。

 

チューリップ 或る日或る刻 老い易く

【作者】三橋鷹女(みつはし たかじょ)

【補足】「刻」の読み方は「とき」です。

 

チューリップ 園児そろそろ 通る頃

【作者】高澤良一(たかざわ よしかず)

 

チュウリップ 影もつくらず 開きけり

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

 

チューリップ 机上灰皿は置かず

【作者】鈴木真砂女(すずき まさごじょ)

三つのチューリップの花

 

チューリップ 驕慢無礼なり帰る

【作者】三橋鷹女

【補足】驕慢(きょうまん)とは、おごりたかぶることを表現する言葉です。

 

チユーリツプ 咲いてをらねば ならぬげに

【作者】後藤夜半

 

チューリップ さして間借りや 三ヶ日

【作者】鈴木真砂女

 

チューリップの 色溶け入りて ねむき眼よ

【作者】草間時彦(くさま ときひこ)

 

チューリップの 花には侏儒が 棲むと思ふ

【作者】松本たかし(まつもと たかし)

【補足】侏儒(しゅじゅ)とは、小人(こびと)のことです。

薄いピンク色のチューリップの蕾

 

チユーリツプ 花びら外れかけてをり

【作者】波多野爽波(はたの そうは)

 

チューリップ ひらきすぎたる 愁ひかな

【作者】鈴木真砂女

【補足】「愁ひ」の読み方は「うれい(=心配、悲しみ、嘆き)」です。

 

チューリップ 眼に見えて花 開くなり

【作者】右城暮石(うしろ くれいし)

 

チューリップ ゆらゆらものを 思ふ朝

【作者】石原八束(いしはら やつか)

 

チューリップ 喜びだけを 持つてゐる

【作者】細見綾子

黄色いチューリップの花

 

葉桜の かぶさつて来る チューリップ

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

【補足】葉桜(はざくら)とは、花が散って若葉が出始めた頃の桜のことです。

 

母親に閑チューリップ 昼ひらく

【作者】中村汀女

 

華やぎを 卓に移してチューリップ

【作者】稲畑汀子

 

ベルギーは 山なき国や チューリップ

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

 

ものの芽の 全きチューリップとなりぬ

【作者】星野立子

【補足】「全き(まったき)」とは「完全な」という意味です。

赤いチューリップの花

 


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