野菜の漢字の読み方 40【難読編】
野菜の名前がカタカナや平仮名で表記されていれば問題がないのですが、漢字の場合には困ってしまうことがあります。
また、普段の食生活で馴れ親しんでいる野菜でも、あまり見かけないような漢字で書き表されるものもあります。
このページでは、漢字で表記された野菜の名前について、読み方を中心として確認していくことにしましょう。
目次
- 1 野菜の漢字の読み方
- 1.1 小豆
- 1.2 独活
- 1.3 豌豆
- 1.4 陸蓮根 / 秋葵
- 1.5 蕪
- 1.6 南瓜
- 1.7 花椰菜 / 花野菜
- 1.8 木耳 / 木蛾
- 1.9 甘藍
- 1.10 胡瓜
- 1.11 青豌豆 / 実豌豆
- 1.12 苦瓜
- 1.13 胡椒
- 1.14 牛蒡 / 牛旁
- 1.15 甘藷
- 1.16 莢隠元
- 1.17 莢豌豆
- 1.18 山椒
- 1.19 紫蘇
- 1.20 馬鈴薯
- 1.21 生姜 / 生薑
- 1.22 塘蒿
- 1.23 薇
- 1.24 筍 / 笋
- 1.25 玉葱
- 1.26 青梗菜
- 1.27 玉蜀黍
- 1.28 赤茄子 / 蕃茄
- 1.29 茄子 / 茄
- 1.30 韮 / 韭
- 1.31 大蒜 / 蒜 / 葫
- 1.32 和蘭芹
- 1.33 芽花椰菜 / 芽花野菜
- 1.34 糸瓜
- 1.35 菠薐草
- 1.36 茗荷
- 1.37 辣韮 / 辣韭
- 1.38 萵苣
- 1.39 山葵
- 1.40 蕨
野菜の漢字の読み方
漢字で表記された野菜のうち、「難読」といわれているものを集めて五十音順に並べました。
「里芋」や「大豆」のように容易に読めると思われるものは含めていません。
小豆
【読み方】あずき
【補足】
縄文時代の遺跡からも発見されていて、古くから栽培されていたと考えられています。
独活
【読み方】うど、どっかつ
【補足】
「ウドの大木」という言葉がありますが、樹木ではなく草本(そうほん=草)に分類されます。
豌豆
【読み方】えんどう
【補足】
「エンドウマメ」と呼ばれることも多く、「ノラマメ」という別名があります。
食用の未熟の種子は「グリーンピース=青豌豆、実豌豆(後述)」、未熟の莢(サヤ)を「サヤエンドウ(後述)」と呼びます。
陸蓮根 / 秋葵
【読み方】オクラ
【補足】
日本に伝わったのは明治時代になってからです。
蕪
【読み方】かぶ
【補足】
カブラ、カブナ、カブラナ、スズナなどとも呼ばれます。
『古事記(こじき=日本の歴史書)』に記載されている「吉備(きび)の菘菜(あおな)」が蕪であると考えられています。
南瓜
【読み方】かぼちゃ
【補足】
「南瓜」は中国語の漢字表記です。
「唐茄子(とうなす)」や「南京(なんきん)」と呼ばれることもあります。
花椰菜 / 花野菜
【読み方】カリフラワー
【補足】
和名が「花椰菜 / 花野菜(はなやさい)」で、花甘藍(はなかんらん)や木立花葉牡丹(きだちはなはぼたん)と呼ばれることもあります。
日本に渡来したのは明治時代のことで、食用として普及したのは戦後のことです。
木耳 / 木蛾
【読み方】きくらげ
【補足】
「木耳」は中国名で、「きくらげ」の読みを当てています。
甘藍
【読み方】キャベツ
【補足】
甘藍(かんらん)は中国名で、玉菜(たまな)と呼ばれることもあります。
日本に伝わったのは江戸時代ですが、食用として本格的に生産されるようになったのは戦後のことです。
胡瓜
【読み方】きゅうり
【補足】
古くには「木瓜」「黄瓜」という漢字で表記されていました。
日本での栽培の歴史は古く、平安時代には食用とされていました。
青豌豆 / 実豌豆
【読み方】グリーンピース
【補足】
「あおえんどう」「みえんどう」とも読まれます。
苦瓜
【読み方】ニガウリ、ゴーヤー
【補足】
ツル科の植物である「ツルレイシ(蔓茘枝)」のことをいいます。
胡椒
【読み方】こしょう
【補足】
香辛料としてのコショウは中国を経て日本に伝わり、平安時代には食べ物の調味に使用されるようになりました。
牛蒡 / 牛旁
【読み方】ごぼう
【補足】
日本に渡来したのは平安時代以前と考えられていますが、食用とするようになったのは江戸時代末頃からです。
甘藷
【読み方】かんしょ
【補足】
薩摩芋(さつまいも)の別名です。
莢隠元
【読み方】さやいんげん
【補足】
インゲンマメ(隠元豆)の若いサヤ(食用)のことをいいます。
莢豌豆
【読み方】さやえんどう
【補足】
絹莢(きぬさや)とも呼ばれています。
山椒
【読み方】さんしょう
【補足】
古くには「はじかみ(椒)」と呼ばれていました。
紫蘇
【読み方】しそ
【補足】
青紫蘇(あおじそ)の葉は「大葉(おおば)」とも呼ばれています。
馬鈴薯
【読み方】じゃがいも
【補足】
中国名が「馬鈴薯(ばれいしょ)」です。
形が馬に付ける鈴に似ていることから名付けられたという説もあります。
生姜 / 生薑
【読み方】しょうが
【補足】
中国から日本に伝わり、奈良時代に栽培されるようになりました。
山椒と同じく、古くには「はじかみ」と呼ばれていました。
塘蒿
【読み方】セロリ
【補足】
「和蘭三葉(オランダミツバ)」「清正人参(きよまさにんじん)」とも呼ばれます。
薇
【読み方】ぜんまい
【補足】
語源は「千巻き(せんまき)」に由来するという説があります。
筍 / 笋
【読み方】たけのこ
【補足】
成長が速いことから、「筍」の字は「旬(しゅん=十日間の意)」に由来すると言われることがあります。
玉葱
【読み方】たまねぎ
【補足】
かつては「葱頭」と表記されていました。
日本に伝わったのは江戸時代の長崎でしたが、当時は鑑賞物とされていました。
青梗菜
【読み方】ちんげんさい
【補足】
チンゲンサイは中国野菜で、和名は「体菜(たいさい)」です。
「梗」の字は「芯(しん)が固い茎(くき)」を意味します。
玉蜀黍
【読み方】とうもろこし
【補足】
「とうきび」「なんば(きび)」「もろこし」など、地域によって様々な呼び方があります。
赤茄子 / 蕃茄
【読み方】とまと
【補足】
赤茄子(あかなす)、蕃茄(ばんか)以外に、小金瓜(こがねうり)、珊瑚樹茄子(さんごじゅなす)といわれることもあります。
食用とされるようになったのは明治時代以降で、当初は「酔っ払い茄子」と呼ばれることもありました。
茄子 / 茄
【読み方】なす
【補足】
日本では奈良時代から栽培されていて、正倉院文書(しょうそういんもんじょ=奈良時代の古文書)に「茄子」についての記載があります。
韮 / 韭
【読み方】にら
【補足】
古くには「みら」と呼ばれていて、『古事記(こじき=歴史書)』には「加美良(かみら)」、『万葉集(まんようしゅう)』には「久々美良(くくみら)」と記載されています。
大蒜 / 蒜 / 葫
【読み方】ニンニク
【補足】
「大蒜(おおひる)」「蒜(ひる)」は漢語にもとづいた表記です。
和蘭芹
【読み方】パセリ
【補足】
和名は「和蘭芹(オランダセリ)」です。
芽花椰菜 / 芽花野菜
【読み方】ブロッコリー
【補足】
和名が「芽花椰菜 / 芽花野菜(めはなやさい)」で、「緑花椰菜 / 緑花野菜(みどりはなやさい)」ともいわれます。
糸瓜
【読み方】へちま
【補足】
日本には中国から室町時代に伝わり、かつては「いとうり(糸瓜)」と呼ばれていました。
「へちま水(すい)」は咳止めの飲み薬としても使われ、正岡子規(まさおか しき)は次の句を読んでいます。
痰一斗 糸瓜の水も 間に合わず
菠薐草
【読み方】ほうれんそう
【補足】
「法蓮草」「鳳蓮草」の字を当てた表記も見かけることがあります。
茗荷
【読み方】みょうが
【補足】
「食べると物忘れをするようになる」といわれることがありますが、これは俗説であり学術的な根拠はありません。
辣韮 / 辣韭
【読み方】らっきょう
【補足】
「オオニラ」「サトニラ」という別名があります。
萵苣
【読み方】レタス
【補足】
和名は「萵苣(かきょ)、苣(ちさ、ちしゃ)」です。
山葵
【読み方】わさび
【補足】
平安時代に著された辞書である『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』に「和佐比」という記載があります。
蕨
【読み方】わらび
【補足】
シダ植物の一種で、成長すると高さが 1mくらいに達するものもあります。
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