雪兎の俳句 30選 -雪うさぎ-
雪が降ったときに、雪だるまを作るのはとても楽しいものです。
そして、雪だるまと共に人気のあるのが雪兎(うさぎ)です。それほど手間もかからず、手軽に作ることができますし、じっと見ていると何とも言えない可愛らしい表情に魅かれてしまいます。
このページには、雪兎が詠まれた俳句の中から 30句を選びました。可愛い雪兎が目に浮かぶような作品ばかりですので、どうか写真と合わせてじっくりと鑑賞してみて下さい。
目次
- 1 雪兎(雪うさぎ)の俳句 30選
- 1.1 赤きもの あれば目となる 雪兎
- 1.2 老いたれば 作つてみたる 雪兎
- 1.3 きのうより ここにこうして 雪兎
- 1.4 きらきらと 氷つてゐたり 雪兎
- 1.5 座すことも 夢のひとつに 雪うさぎ
- 1.6 聡き耳 持つ山の子の 雪うさぎ
- 1.7 朱の盆に 載せて丹波の 雪うさぎ
- 1.8 たましいの 後れて消える 雪兎
- 1.9 泣きやめて 師へ奉る 雪兎
- 1.10 春寒し 見離されたる 雪兎
- 1.11 ひきつづき 身のそばにおく 雪兎
- 1.12 人肌を 知りてくろぐろ 雪うさぎ
- 1.13 不細工も よしよしと吾が 雪兎
- 1.14 分校の 子供の数の 雪兎
- 1.15 耳立てて 目もあちら向き 雪兎
- 1.16 目を入れて 亡き子に似たる 雪兎
- 1.17 雪兎 おのれ細りし 水湛ふ
- 1.18 雪うさぎ 女ひとりに 溶け失せし
- 1.19 雪兎 かしこきころの 綴方
- 1.20 雪うさぎ 恋生れし日の よみがへる
- 1.21 雪兎 つくる電気が ついてから
- 1.22 雪兎 つくる夫婦に 二人の子
- 1.23 雪うさぎ 泣かされ役が 捧げくる
- 1.24 雪兎 なんぼつくれば 声通る
- 1.25 雪兎 一夜兎に なりすます
- 1.26 雪兎 欲りし熱の子 もう眠る
- 1.27 雪兎 やがて兎に なりたるよ
- 1.28 雪うさぎ 柔かづくり固づくり
- 1.29 雪兎 雪被て見えず なりにけり
- 1.30 雪兎 雪に戻して 一睡す
雪兎(雪うさぎ)の俳句 30選
「雪兎」「雪うさぎ」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。
これらは、俳句において冬の季語とされます。
赤きもの あれば目となる 雪兎
【作者】宇多喜代子(うだ きよこ)
老いたれば 作つてみたる 雪兎
【作者】飯島晴子(いいじま はるこ)
きのうより ここにこうして 雪兎
【作者】宇多喜代子
きらきらと 氷つてゐたり 雪兎
【作者】長谷川 櫂(はせがわ かい)
座すことも 夢のひとつに 雪うさぎ
【作者】大井恒行(おおい つねゆき)
聡き耳 持つ山の子の 雪うさぎ
【作者】首藤基澄(しゅとう もとすみ)
【補足】「聡い(さとい)」は、「するどい、かしこい、すばしこい」などの意味があります。
朱の盆に 載せて丹波の 雪うさぎ
【作者】草間時彦(くさま ときひこ)
【補足】かつての丹波国(たんばのくに)は、現在の京都・兵庫に当たります。
たましいの 後れて消える 雪兎
【作者】澁谷 道(しぶや みち)
泣きやめて 師へ奉る 雪兎
【作者】池田澄子(いけだ すみこ)
【補足】「奉る」の読み方は「たてまつる(=下の者から上の者に与えること)」です。
春寒し 見離されたる 雪兎
【作者】杉田久女(すぎた ひさじょ)
【補足】「春寒し」は春の季語です。
ひきつづき 身のそばにおく 雪兎
【作者】飯島晴子
人肌を 知りてくろぐろ 雪うさぎ
【作者】櫂 未知子(かい みちこ)
不細工も よしよしと吾が 雪兎
【作者】飯島晴子
【補足】「吾が(あが)」は「私の、自分の」という意味です。
分校の 子供の数の 雪兎
【作者】武田孝子(たけだ たかこ)
耳立てて 目もあちら向き 雪兎
【作者】鷹羽狩行(たかは しゅぎょう)
目を入れて 亡き子に似たる 雪兎
【作者】大木あまり(おおき あまり)
雪兎 おのれ細りし 水湛ふ
【作者】加倉井秋を(かくらい あきを)
【補足】「湛ふ」の読み方は「たたう(=いっぱいにするの意)」です。
雪うさぎ 女ひとりに 溶け失せし
【作者】波多野爽波(はたの そうは)
雪兎 かしこきころの 綴方
【作者】立原修志(たちはら しゅうし)
【補足】綴方(つづりかた)とは、作文のことです。かつては小学校の教科の一つでした。
雪うさぎ 恋生れし日の よみがへる
【作者】仙田洋子(せんだ ようこ)
雪兎 つくる電気が ついてから
【作者】飯島晴子
雪兎 つくる夫婦に 二人の子
【作者】木村蕪城(きむら ぶじょう)
雪うさぎ 泣かされ役が 捧げくる
【作者】文挟夫佐恵(ふばさみ ふさえ)
雪兎 なんぼつくれば 声通る
【作者】 飯島晴子
雪兎 一夜兎に なりすます
【作者】宇多喜代子
雪兎 欲りし熱の子 もう眠る
【作者】久保田月鈴子(くぼた げつれいし)
【補足】「欲りし」の読み方は「ほりし」です。
雪兎 やがて兎に なりたるよ
【作者】宇多喜代子
雪うさぎ 柔かづくり固づくり
【作者】波多野爽波
雪兎 雪被て見えず なりにけり
【作者】佐藤鬼房(さとう おにふさ)
【補足】「被て」の読み方は「かぶって」です。
雪兎 雪に戻して 一睡す
【作者】飯島晴子
【補足】一睡(いっすい)とは、ひとねむり、ちょっと眠ることです。
関 連 ペ ー ジ