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松尾芭蕉の俳句 100選 -春・夏・秋・冬-

白河関跡

松尾芭蕉の俳句は、その芸術性が高く評価されています。俳聖とも呼ばれていますし、芭蕉の名は世界的にも広く知られています。私たちは小さい頃から耳にする機会も多く、いくつかの句は記憶しているのではないでしょうか。

このページには、数多い松尾芭蕉の俳句の中から、季語による春、夏、秋、冬の俳句をそれぞれ 25ずつ、合計で 100句を選びました。その一つ一つを、是非じっくりと味わってみて下さい。

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目次

松尾芭蕉の春の俳句 25

 

あち東風や 面々さばき 柳髪

【季語】東風(こち)

【補足】柳髪(やなぎがみ)とは、女性の美しくてしなやかな髪を表現する言葉です。「あちこち(=あちらこちら)」と「東風」を掛けています。

 

 

梅が香に 昔の一字 あはれ也

【季語】梅が香

 

 

梅の木に 猶やどり木や 梅の花

【季語】梅の花

 

 

門松や おもへば一夜 三十年

【季語】門松

【補足】芭蕉が 34の時に詠んだ句です。

 

 

鐘つかぬ 里は何をか 春の暮

【季語】春の暮

 

 

元日や おもへば淋し 秋の暮

【季語】元旦

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観音の 甍みやりつ 花の雲

【季語】花の雲

【補足】甍(いらか)とは、瓦葺(かわらぶき)の屋根のことをいいます。

 

 

紅梅や 見ぬ恋作る 玉すだれ

【季語】紅梅

 

 

西行の 菴もあらん 花の庭

【季語】花

 

 

咲乱す 桃の中より 初桜

【季語】初桜

 

 

さまざまの 事おもひ出す 櫻かな

【季語】櫻

 

 

猫の恋 やむとき閨の 朧月

【季語】猫の恋

朧月

 

 

子の日しに 都へ行ん 友もがな

【季語】子の日

【補足】古くには、正月の最初の子(ね)の日に、野に出て若菜などを採る行事がありました。

 

 

初桜 折しもけふは よき日なり

【季語】初桜

【補足】芭蕉が 45歳のときの句です。

 

 

花ざかり 山は日ごろの あさぼらけ

【季語】花ざかり

【補足】「あさぼらけ」とは、夜がほのぼのと明ける頃のことです。

 

 

花の雲 鐘は上野か 浅草か

【季語】花の雲

【補足】江戸の深川で詠んだ句で、上野の寛永寺(かんえいじ)と浅草の浅草寺(せんそうじ)が思い浮かんだのでしょう。

 

 

花見にと さす船遅し 柳原

【季語】花見

 

 

春たちて まだ九日の 野山かな

【季語】春たちて

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春もやや けしきととのふ 月と梅

【季語】春、梅

 

 

日は花に 暮てさびしや あすならふ

【季語】花

 

 

蓬莱に 聞かばや伊勢の 初便

【季語】蓬莱

【補足】蓬莱(ほうらい)とは、正月に床の間に飾る「蓬莱飾り」のことです。

 

 

二日酔 ものかは花の あるあいだ

【季語】花

 

 

水とりや 氷の僧の 沓の音

【季語】水とり

【補足】「水とり」とは、東大寺二月堂の「お水取り」という行事のことです。

 

 

行春を 近江の人と おしみける

【季語】行春

 

 

両の手に 桃とさくらや 草の餅

【季語】草の餅

桃の花

 

 

松尾芭蕉の夏の俳句 25

 

朝露に よごれて涼し 瓜の土

【季語】涼し

 

 

紫陽花や 藪を小庭の 別座敷

【季語】紫陽花

 

 

暑き日を 海に入れたり 最上川

【季語】暑き日

 

 

瓜作る 君があれなと 夕すずみ

【季語】夕すずみ

 

 

己が火を 木々の蛍や 花の宿

【季語】蛍

 

 

杜若 語るも旅の ひとつ哉

【季語】杜若(かきつばた)

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風かほる こしの白根を 国の花

【季語】風かほる

 

 

風の香も 南に近し 最上川

【季語】風の香

 

 

語られぬ 湯殿にぬらす 袂哉

【季語】湯殿(詣で)

 

 

川かぜや 薄がききたる 夕すずみ

【季語】夕すずみ

 

 

京にても 京なつかしや ほととぎす

【季語】ほととぎす

 

 

涼しさや ほの三か月の 羽黒山

【季語】涼しさ

羽黒山

 

 

無き人の 小袖も今や 土用干

【季語】土用干

 

 

夏来ても ただひとつ葉の 一葉哉

【季語】ひとつ葉

 

 

夏の月 ごゆより出て 赤坂や

【季語】夏の月

 

 

昼顔に 米つき涼む あはれ也

【季語】昼顔

 

 

弁慶が 笈をもかざれ 帋幟

【季語】幟(のぼり)かみかざり

【補足】笈(おい、きゅう)とは、修験者(しゅげんじゃ)や行脚僧(あんぎゃそう)などが経典、仏具、衣類などを入れて背負う箱のことです。また、紙幟(かみのぼり)とは、紙でつくった「のぼり」をいいます。

 

 

蛍火の 昼は消つつ 柱かな

【季語】蛍火

 

 

ほととぎす うらみの滝の うらおもて

【季語】ほととぎす

 

 

ほととぎす なくなくとぶぞ いそがはし

【季語】ほととぎす

 

 

水むけて 跡とひたまへ 道明寺

【季語】道明寺(どうみょうじ)

【補足】蒸した米を干したものを乾飯(かれいい)といい、携帯用の食料としていました。道明寺の尼僧がつくり始めたので「道明寺」とも呼ばれていました。

 

 

夕顔や 酔てかほ出す 窓の穴

【季語】夕顔

 

 

みな月は ふくべうやみの 暑かな

【季語】みな月

 

 

ゆふばれや 桜に涼む 波の花

【季語】涼む

 

 

世の夏や 湖水にうかぶ 波の上

【季語】夏

湖畔

 

 

松尾芭蕉の秋の俳句 25

 

秋風の ふけども青し 栗のいが

【季語】秋風

 

 

十六夜の 月を見はやせ 残る菊

【季語】残る菊

 

 

菊の香に くらがり登る 節句かな

【季語】くらがり

 

 

菊の香や ならには古き 仏達

【季語】菊の香

 

 

霧しぐれ 富士をみぬ日ぞ 面白き

【季語】霧

 

 

こちらむけ 我もさびしき 秋の暮

【季語】秋の暮

 

 

たなばたや 穐をさだむる 夜のはじめ

【季語】たなばた

【補足】穐は「あき」と読みます。

 

 

何ごとも まねき果たる すすき哉

【季語】すすき

 

 

東にし あはれさひとつ 秋の風

【季語】秋の風

 

 

夏かけて 名月あつき すずみ哉

【季語】名月

 

 

一家に 遊女も寐たり 萩と月

【季語】萩、月

【補足】萩と月の来重なり(季重ね)です。

 

 

冬しらぬ 宿や籾摺る 音あられ

【季語】籾摺る(もみする)

室内からの冬景色

 

 

文ならぬ いろはもかきて 火中哉

【季語】いろは(紅葉)

 

 

鬼灯は 実も葉もからも 紅葉哉

【季語】鬼灯(ほおずき)

 

 

見送りの うしろや寂びし 秋の風

【季語】秋の風

 

 

三日月や 朝皃の夕べ つぼむらん

【季語】三日月

 

 

見る影や まだ片なりも 宵月夜

【季語】宵月夜

 

 

むざんやな 甲の下の きりぎりす

【季語】きりぎりす

 

 

名月の 出づるや 五十一ケ条

【季語】名月

 

 

名月は ふたつ過ても 瀬田の月

【季語】名月

 

 

桃の木の 其葉ちらすな 秋の風

【季語】秋の風

 

 

行秋の けしにせまりて かくれけり

【季語】行秋(ゆくあき)

 

 

湯の名残 今宵は肌の 寒からむ

【季語】肌寒(はだざむ)

 

 

義朝の 心に似たり 秋の風

【季語】秋の風

 

 

義仲に 寝覚の山か 月悲し

【季語】月

山と月

 

 

松尾芭蕉の冬の俳句 25

 

いざ子ども 走ありかむ 玉霰

【季語】玉霞

 

 

石山の 石にたばしる あられ哉

【季語】あられ

 

 

魚鳥の 心はしらず 年わすれ

【季語】年忘れ

 

 

京までは まだ半空や 雪の雲

【季語】雪の雲

 

 

口切に 境の庭ぞ なつかしき

【季語】口切

 

 

木枯や たけにかくれて しづまりぬ

【季語】木枯(こがらし)

 

 

三尺の 山も嵐の 木の葉哉

【季語】木の葉

 

 

霜を着て 風を敷寝の 捨子哉

【季語】霜

 

 

水仙や 白き障子の とも移り

【季語】水仙

 

 

旅人と 我名よばれん 初しぐれ

【季語】初しぐれ

 

 

月花の 愚に針たてん 寒の入

【季語】寒の入

 

 

月雪と のさばりけらし としの昏

【季語】としの昏

月と雪雲

 

 

年暮ぬ 笠きて草鞋 はきながら

【季語】年暮ぬ

 

 

庭にきて 雪を忘るる 箒哉

【季語】雪

 

 

盗人に 逢ふたよも有 年のくれ

【季語】年の暮れ

 

 

初しぐれ 猿も小蓑を ほしげ也

【季語】初しぐれ

 

 

初雪や かけかかりたる 橋の上

【季語】初雪

 

 

初雪や 水仙のはの たはむまで

【季語】初雪

 

 

半日は 神を友にや 年忘れ

【季語】年忘れ

 

 

一露も こぼさぬ菊の 氷かな

【季語】氷

 

 

百歳の 気色を庭の 落葉哉

【季語】落葉

 

 

二人見し 雪は今年も 降けるか

【季語】雪

 

 

冬庭や 月もいとなる むしの吟

【季語】冬庭

 

 

冬牡丹 千鳥よ雪の ほととぎす

【季語】冬牡丹

 

 

雪と雪 今宵師走の 名月か

【季語】師走

冬の月

 

 

芭蕉忌(ばしょうき)の俳句

芭蕉の忌日(きにち=命日)は 10月12日で、この日は芭蕉忌と名付けられています。

(この日付は旧暦によるもので、現在使用されているグレゴリオ暦では 1694年11月28日です。)

また、芭蕉忌のほかに時雨忌(しぐれき)、桃青忌(とうせいき)、翁忌(おきなき)と呼ばれることもあります。

これらは冬の季語として、多くの俳句に詠み込まれています。それらのうちのいくつかを挙げておきます。

 

芭蕉忌に 芭蕉の像も なかりけり
 (正岡子規)

芭蕉忌の 燭の芯剪る 坊が妻
 (高浜虚子)

芭蕉忌や 遅れ生れし 二百年
 (野村喜舟)

芭蕉忌や とはに淋しみ 古俳諧
 (村上鬼城)

わが齢 とどく芭蕉の 忌日かな
 (後藤夜半)

時雨忌 といふ言葉好き 斯く記す
 (星野立子)

時雨忌に 時雨ありたる めでたさよ
 (高野素十)

桃青忌 夜は人の香の うすれけり
 (飯田蛇笏)

翁忌に 行かむ晴れても しぐれても
 (阿波野青畝)

翁忌や おきなにまなぶ 俳諧苦
 (久保田万太郎)

 

※なお、下記のページにも松雄芭蕉の俳句を選んでいますので、そちらも是非ご覧になってみてください。

⇒ 有名な俳句 30選

⇒ 春の俳句 ベスト20

⇒ 夏の俳句 ベスト20

⇒ 秋の俳句 ベスト20

⇒ 冬の俳句 ベスト20

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