大寒の俳句 20選  -寒中-

冬空の太陽と凍った木々

冬に暦などで目にする言葉のなかでも、大寒(だいかん)はひときわ印象的です。

その漢字の見た目からも、厳しい寒さをあらためて感じ直してしまいます。また、古くから数多くの俳句にも詠み込まれてきたことから、人々は大寒を意識しながら暮らしてきたことがうかがえます。

このページには、大寒が詠み込まれた俳句の中から 20句を選びました。大寒の時期ならではの雰囲気に満ちたものばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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大寒の俳句 20

氷柱

「大寒」が詠まれた句を集め、俳句の文字の五十音順に並べました。

なお、大寒は俳句において冬の季語として扱われます。

【参考】大寒とは?

 

大寒と 敵のごとく 対ひたり

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

【補足】「敵」「対ひたり」の読み方は、それぞれ「かたき」「むかいたり」です。

 

大寒に 入る日毎年 初大師

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

【補足】初大師(はつだいし)とは、その年の最初の弘法大師(こうぼうだいし=空海)の縁日で、1月21日です。

一方、二十四節気の大寒は 1月20日頃ですが、立子の生存中は 21日のことが多くありました。

 

大寒の 入日野の池を 見失ふ

【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)

【補足】入日(いりひ)とは、夕日・落日のことをいいます。

 

大寒の 河みなぎりて 光りけり

【作者】桂 信子(かつら のぶこ)

 

大寒の 紙縒一本 座右にとる

【作者】皆吉爽雨(みなよし そうう)

【補足】紙縒(こより)とは、和紙を細長くきって、よりをかけたもののことです。また、座右とは「身近なところ、身辺」という意味です。

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大寒の 嶽負ふ戸々の 鎮まれる

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

【補足】「嶽」「鎮まれる」の読み方は、それぞれ「たけ、がく」「しずまれる」です。

 

大寒の 鍋ぴかぴかと 磨きあげ

【作者】鈴木真砂女(すずき まさごじょ)

 

大寒の 富士へ向つて 舟押し出す

【作者】西東三鬼(さいとう さんき)

 

大寒の 星に雪吊り 光りけり

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

【補足】雪吊り(ゆきつり)とは、縄で樹木の枝を保持して、雪が付着しても枝が折れないようにすることです。

 

大寒の 松を父とし 歩み寄る

【作者】西東三鬼

雪が積もった松の木

 

大寒の 老体五名 鰻食ふ

【作者】佐藤鬼房(さとう おにふさ)

【補足】老体(ろうたい)は「老人」と同意です。「鰻」の読み方は「うなぎ」です。

 

大寒の 六十妻よ 湯豆腐よし

【作者】橋本夢道(はしもと むどう)

 

大寒や 萎えざるものに 落暉相

【作者】皆吉爽雨

【補足】落暉(らっき)も夕日・落日のことをいいます。

 

大寒や なだれて胸に ひゞく曲

【作者】石田波郷(いしだ はきょう)

 

大寒や 蛤吐きし 砂少し

【作者】鈴木真砂女

【補足】「蛤」の読み方は「はまぐり」です。

水に浸けた蛤

 

大寒や 美事な雨を ちりばめて

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

【補足】「美事」の読み方は「みごと」です。

 

大寒を ただおろおろと 母すごす

【作者】大野林火(おおの りんか)

 

大寒を 擁して富士の 峙てり

【作者】百合山羽公(ゆりやま うこう)

【補足】「擁して(ようして)」は「ひきいて(率いて)」の意です。「峙てり」の読み方は「そばだてり(=高くそびえ立つ)」です。

 

人恋しき 大寒の夜を 訪はれけり

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

【補足】「訪はれけり」の読み方は「とわれけり」です。

 

ふるさとの 大寒の水 甘かりき

【作者】鈴木真砂女

白い玉砂利に注がれる水

 


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