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春の短歌 ベスト30!【保存版】

赤いチューリップの花

春は穏やかで過ごしやすく、自然も色彩豊かな景色を見せてくれます。冬の寒さからも解放されたという喜びも加わるので、楽しさも感じることも多い季節です。

そして、古くから春を題材とした和歌、短歌、俳句などは数多く詠まれてきました。

このページには、「春の短歌」と呼ぶにふさわしい歌を集めてみました。これらの短歌から、春という季節が持つ雰囲気を存分に感じてみてください。

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目次

春の短歌について

春と関連する歌、春を想起するものを選びました。

並んでいる順番は、短歌の文字の五十音順です。

 

春の短歌 ベスト30

 

あるじなき 垣ねまもりて故郷の 庭に咲きたる花菫かな

【作者】樋口一葉(ひぐち いちよう)

【補足】「花菫」の読みは「はなすみれ」です。

 

い群れゆく 人のころものちらちらと 色ににほへる街の上の春

【作者】中村憲吉(なかむら けんきち)

【補足】先頭の「い」は、語調を整えるためのものです。

 

鶯の ねぐらやぬれんくれ竹の 根岸の里に春雨ぞふる

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】「くれ竹(呉竹)」はハチク(淡竹)の別名で、唐竹(からたけ)とも呼ばれます。中国の呉(ご)から渡来したので、この名が付けられました。

根岸(ねぎし)は東京の地名で、この地で子規は亡くなりました。

 

うしろより きぬきせまつる春の宵 そぞろや髪の乱れて落ちぬ

【作者】与謝野鉄幹(よさの てっかん)

【補足】鉄幹は、後に婦人となる晶子との不倫関係に対して、当時の世間から様々な誹謗(ひぼう)や中傷を受けました。結婚後に晶子は12人の子どもを出産しました。

また、晶子らと共に東京・お茶の水に文化学院を創設しています。

 

かかげても しめりがちなるともし火に 音なき春の雨を知るかな

【作者】樋口一葉

【補足】一葉は幼少時代から読書が好きで、曲亭馬琴(きょくてい ばきん)の『南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)』を 7歳の時に読破したといわれています。

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かぎろひの 春なりければ木の芽みな 吹き出づる山べ行きゆくわれよ

【作者】斎藤茂吉(さいとう もきち)

【補足】「かぎろひ」は「かげろう(陽炎)」のことです。

 

かたすみの 杉の木立のうす赤み 枯草原にたんぽぽの萌ゆ

【作者】若山牧水(わかやま ぼくすい)

 

くれなゐの とばりをもるるともし火の 光かすかに更(ふ)くる春の夜

【作者】正岡子規

【補足】「とばり」は、夜の闇を帳(とばり=垂れ衣:たれぎぬ、垂れ布:たれぬの)に例えていう言葉です。

 

げんげ田に 寝ころぶしつつ行く雲の とほちの人を思ひたのしむ

【作者】島木赤彦(しまき あかひこ)

【補足】「とほち」は「遠地」です。

 

櫻さく 上野の岡ゆ見おろせば 根岸の里に柳垂れたり

【作者】正岡子規

【補足】歌中の「ゆ」は、「~より」を意味しています。

上野の山の桜

 

さくら花 おそしと待ちし世の人を 驚かすまで咲きし今日かな

【作者】樋口一葉

【補足】一葉には渋谷三郎という許婚(いいなずけ)がいましたが、父親の死後に婚約は解消されました。その原因は、渋谷から多額の結納金を要求されたことといわれています。

 

誰が夢を 出でてきぬらん桜花 匂へる園に遊ぶこてふは

【作者】樋口一葉

【補足】「こてふ」は昆虫の「ちょう(蝶)」のことです。

 

潮音の とよむを聞けばおぼつかな 島べの春となりにけらしも

【作者】土田耕平(つちだ こうへい)

【補足】「潮音」の読みは「ちょうおん」です。

 

ながらへて あれば涙のいづるまで 最上の川の春ををしまむ

【作者】斉藤茂吉

【補足】「ながらへて」は、長く生き続けての意です。

 

七つの子 かたはらに来てわが歌を すこしづつ読む春の夕ぐれ

【作者】与謝野晶子(よさの あきこ)

【補足】「かたはらに」とは、「そばに、わきに」という意味です。

 

菜の花の 黄色小雨にとけあひて ほのににじめる昼のあかるみ

【作者】木下利玄(きのした りげん)

【補足】「ほのに」とは、「かすかに、わずかに」の意味です。

菜の花

 

春雨の 音を枕に聞く夜半は 夢の直路ものどけかりけり

【作者】樋口一葉

【補足】直路(ただじ)とは、「夢の中で通うまっすぐな道」のことで、夢の中では思っている人のもとに行けることからできた言葉です。

「のどけかりけり」は、「のどか(長閑)なことだなあ」という意味です。

 

春雨は のきの玉水たえだえに 音もとぎれて夜はふけにけり

【作者】樋口一葉

 

春過ぎて 木蔭に小く咲きいでぬ 末の子に似る山吹の花

【作者】与謝野晶子

【補足】山吹は、古い時代の和歌にも多く詠まれている花です。

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春の日は きらひわたりてみよしのの 吉野の山はふかぶかと見ゆ

【作者】斉藤茂吉

【補足】「みよしのの」は枕詞で、吉野に掛かります。また、「みよしの」は吉野を誉めたたえていう言葉です。

 

春の雪 をんなの人の八つ口の 傘をこぼれて匂ふみちわる

【作者】木下利玄

【補足】「八つ口(やつくち)」とは、着物のわき(脇)のあきの部分のことで、身八つ口(みやつぐち)ともいいます。

「みちわる(道悪)」とは、道でぬかったり歩きにくいようなところのことです。

 

春の夜の 月はすがしく照りにけり 木の芽ひらきてやや影に立つ

【作者】土田耕平

【補足】「すがしく(清しく)」とは、「すがすがしく、さわやかに気持ち良く」という意味です。

春の月夜

 

春はよし 夕ほつるるおん髪も 糸すぢつくる朝なで髪も

【作者】与謝野晶子

 

乾反葉に まじる菫をおぼつかな 陽炎をのみ見つつあやなし

【作者】北原白秋(きたはら はくしゅう)

【補足】「乾反葉」の読みは「ひそりば」です。

 

ひるもなほ 星みるひとの眼にも似る さびしきつかれ早春のたび

【作者】宮沢賢治(みやざわ けんじ)

【補足】賢治は詩人、童話作家であり、数多くの名作を残しました。しかし、生前に刊行されたのは詩集『春と修羅』と、童話集『注文の多い料理店』だけでした。

急性肺炎のために満37歳で亡くなりました。

 

み佛の 御堂に垂るる藤なみの 花のむらさき未だともしも

【作者】斉藤茂吉

【補足】御堂(みどう)とは、仏像を安置したお堂のことをいいます。

 

眼とづるは さびしきくせぞおほぞらに 雲雀啼く日を草につくばひ

【作者】若山牧水

【補足】「つくばう」とは「しゃがむ、うずくまる」ことをいいます。

 

行く春を 送るとなしに旅衣 さそはれてこそ立そめにけれ

【作者】樋口一葉

【補足】紙幣に肖像が採用された女性は、神功皇后(じんぐう こうごう)と樋口一葉の二人だけです。(2018年現在)

 

若き身の くたびれ心それに似る うす紅いろの桜草かな

【作者】与謝野晶子

【補足】桜草は江戸時代に育種が進んで、品種は数百種類に及びます。

 

わが庭の 彼岸桜は巡礼の むすめの如し風吹けば泣く

【作者】与謝野晶子

【補足】彼岸桜(ひがんざくら)と緋寒桜(ひかんざくら=寒緋桜)は別の種類の花です。

桜吹雪

 


 関 連 ペ ー ジ 


⇒ 春の和歌 20選

⇒ 春の俳句 ベスト30

⇒ 春の風物詩 50

⇒ 春の言葉 20

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