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8月の俳句 20選 【有名俳人の名作から厳選】

スイカと団扇

8月には暑さがまだまだ続き、お盆の頃には暑さによる疲れが感じられることもあります。

しかし下旬にもなると、過ぎ去ってゆく夏を惜しむ気持ちと秋風を待ち望む気持ちが混じって、何とも言えない複雑な心境にもさせられます。

このページには、「8月の俳句」といえるようなものを集めました。8月ならではの風物が詠み込まれている句を、是非とも味わってみて下さい。

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8月の俳句について

現代の暦(新暦)の 8月の風物などが詠み込まれている句を集め、句の最初の文字で五十音順に並べました。

なお、俳句の季語の季節感は旧暦によるものであり、ここに集めた句の季語は「」のものです。

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8月の俳句 20選

 

家のうち あはれあらはに 盆燈籠

【季語】盆燈籠

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

【補足】盆燈籠(ぼんとうろう、どうろう)は、お盆にお墓に供える飾りで、「盆灯篭」などとも表記されます。

 

 

美しや 月の中なる 盆の人

【季語】盆

【作者】加藤暁台(かとう きょうたい)

 

 

送り火や 蒸し暑き夜を 去りたまふ

【季語】送り火

【作者】渡邊水巴(わたなべ すいは)

【補足】本来の送り火は、お盆の期間の終わりに、家からお墓まで祖先の霊を送るためのものです。

 

 

夾竹桃 花無き墓を 洗ふなり

【季語】墓

【作者】石田波郷(いしだ はきょう)

【補足】夾竹桃(きょうちくとう)の名前は、葉が竹に、花が桃に似ていることから付けられたものです。

 

 

走馬燈 寝静まる子に 廻りけり

【季語】走馬燈

【作者】野村喜舟(のむら きしゅう)

【補足】走馬燈(そうまとう=走馬灯とも表記)は回り灯籠ともよばれ、中国から伝わって江戸時代の中頃から盛んになりました。

夜空の花火

 

 

大文字 夏山にして よまれけり

【季語】大文字

【作者】富安風生

【補足】京都の五山送り火、奈良の高円山大文字送り火などは、山の送り火として有名ですね。

 

 

立ちかこむ 杉真青に 盂蘭盆会

【季語】盂蘭盆会

【作者】水原秋櫻子(みずはら しゅうおうし)

【補足】盂蘭盆会(うらぼんえ)は盂蘭盆ともいわれ、いわゆる「お盆」のことです。

盂蘭盆はサンスクリット語の「ウランバナ(=逆さに吊るす、かけるの意)」を音写したものです。

 

 

旅に居て 仏恋しや 盆の月

【季語】盆

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

 

 

短冊を 父とかしづく 魂祭

【季語】魂祭

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

【補足】魂祭(たままつり=御魂祭:みたままつり)は精霊(しょうりょう)をまつる行事をいい、お盆あるいはお盆とお正月に行なわれます。

「かしづく」とは、「大切にする、大事にまもり扱う」という意味です。

 

 

てのひらを かへさばすすむ 踊かな

【季語】踊

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

【補足】(おどり)とは盆踊りのことを指しています。

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墓参り 傘を忘れて 戻りけり

【季語】墓参り

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

 

 

八月や 大風南より来る

【季語】八月

【作者】佐藤紅緑(さとう こうろく)

【補足】佐藤紅緑は大正から昭和にかけての作家・俳人で、詩人のサトウハチロー、作家の佐藤愛子、劇作家の大垣肇(おおがき はじめ)の父親です。

 

 

ひぐらしに しばらく雨の ふりいそぎ

【季語】ひぐらし

【作者】久保田万太郎

 

 

へろへろと 走馬燈の 游魚かな

【季語】走馬燈

【作者】後藤夜半(ごとう やはん)

 

 

盆提灯 ありとしもなき 風にゆれ

【季語】盆提灯

【作者】久保田万太郎

【補足】「ありとしもなき」とは、「あるかなきか」という意味です。

盆提灯

 

 

迎火や 露の草葉に 燃えうつり

【季語】迎火

【作者】川端茅舎(かわばた ぼうしゃ)

 

 

むかひ火や 父のおもかげ 母の顔

【季語】むかひ火

【作者】加舎白雄(かや しらお)

 

 

夕空に ひかりみえきし 花火かな

【季語】花火

【作者】久保田万太郎

 

 

ゆく路に 夕かげの浮く 盆会かな

【季語】盆会

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

 

 

よべの月 よかりしけふの 残暑かな

【季語】残暑

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

【補足】残暑(ざんしょ)は二十四節気の立秋(りっしゅう)以降に使う言葉です。

【関連ページ】 二十四節気とは?

 

 


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⇒ 8月の季語 【一覧】

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