八十八夜とは? -はちじゅうはちや- 【2024年版】
「夏も近づく八十八夜~」と歌いながら相手と手を打ち合う遊びは、誰でも子供の頃に経験しているのではないでしょうか。
しかし、小さい頃には八十八夜といわれても意味がわかりませんでしたし、私は長い間「茶摘みが始まるころ」というくらいの認識しか持っていませんでした。
この八十八夜を調べてみると、かなり重要な意味を持ったものであることがわかりました。
このページでは、そもそも八十八夜とは何なのか?… からみていくことにしましょう。
八十八夜とは? 2024年はいつ?
八十八夜(はちじゅうはちや)は雑節(ざっせつ)の一つで、「立春から数えて88日目の夜」のことをいいます。
なお、数えるときは立春の日を第 1日目とします。
雑節とは、季節の移り変わりを正しくつかむために設けられた暦日(れきじつ)のことです。
【参考】 雑節とは?
この八十八夜は 1685年の改暦で新しい暦となった貞享暦(じょうきょうれき=渋川春海が完成させた暦)から採用されたもので、日本独特のものです。
そして、2024年の八十八夜の日付は 5月 1日です。(2023年は5月 2日でした。)
八十八夜は毎年 5月初め頃となるため、この頃には遅霜(おそじも)=晩霜(ばんそう)が発生することがあります。
- 八十八夜の別れ霜
- 八十八夜の忘れ霜
- 八十八夜の泣き霜
この時期の霜に関しては、これらのような言葉があります。
農家にとってのみならず幕府にとっても、霜害による不作という事態は非常に恐ろしいものでした。
そこで、霜に対する注意を喚起するために、暦に記載されることになったのです。
一方で、八十八夜を過ぎると霜が降りることもなくなってくるため、農業の種まきに適した時期となり、茶摘みの季節になります。
「八」、「十」、「八」の3つの字を組み合わせると『米』の字になることから、縁起のいい農耕の吉日ともされています。
特に、八十八夜に摘んだ茶は新茶、一番茶と呼ばれ、長寿の薬ともいわれたものでした。
新茶の香りはやさしく、ほのかな甘みがあるため好んで飲まれています。
「茶つみ」の歌詞 - 夏も近づく八十八夜~
『茶摘』 作詞、作曲:不詳
この曲の原題は『茶摘』といいます。
「摘」という字は、小学校では教えないものなので、教科書に載せる場合の表記は「茶つみ」となります。
小学生の頃には、この歌の題名は「八十八夜」だと思い込んでいたので、これを知ると少し意外な気がしてきます。
この歌の歌詞を抜き出してみましょう。
夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
「あれに見えるは茶摘みぢやないか
あかねだすきに菅(すげ)の笠」日和(ひより)つづきの今日このごろを
心のどかに摘みつつ歌ふ
「摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ
摘まにゃ日本の茶にならぬ」
子どもの頃に歌っていて意味がわからなかったのは、「あかねだすきに菅(すげ)の笠」の部分でした。
「菅の笠」は、植物の菅(すげ)を編んでつくった笠ということでよいとして、「あかねだすき」がわかりにくいのではないでしょうか。
漢字で書けば「茜襷」となり、茜草(せんそう、一般的にいう茜:あかね)で染め上げた襷(たすき=和服の袖をたくし上げるためのひも)のことです。
この茜草は薬草でもあるので、「茶摘みをしていて傷ついた指に茜草の成分をすりこむ」という意味があるともいわれています。
八十八夜に関すること
手遊び
子供が2人で向かい合って、「せっせっせーのよいよいよい」で始め、「茶つみ」を歌いながらする手遊びは、とても有名です。
子どもの頃には、何度となく繰り返したものです。
この手遊びでの動作は、茶の葉を摘むつきの手つきを真似たものともいわれています。
八十八夜の俳句
最後に、正岡子規の詠んだ句の中から、八十八夜が使われているものを挙げておきます。
霜なくて 曇る 八十八夜かな
出遅れの 番茶も 八十八夜かな
八十八夜は俳句の季語として、多くの作品に詠み込まれています。
【参考】 八十八夜の俳句
まとめ
- 八十八夜は雑節の一つで、立春から数えて88日目の夜のことをいいます。
- 八十八夜は、江戸時代の貞享暦から採用された雑節で、日本独自のものです。
- 八十八夜は、霜に対する注意を喚起するものであるとともに、農耕にとって縁起の良い吉日という意味合いも持っています。
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