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「秋の空」の俳句 35選 -あきのそら-

秋の青空

「天高く 馬肥ゆる秋」という言葉にもあるように、秋の澄んだ空はとても高いように感じられます。

5月頃の青く晴れわたった空も綺麗ですが、秋の空は少し趣きが違った美しさを持っています。そして、その美しさは多くの俳句に詠み込まれてきました。

このページでは、「秋の空」「秋空」「秋天」などが詠み込まれた俳句を集めてご紹介しています。美しい秋空の広がる光景が目に浮かぶような名句ぞろいですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

「秋の空」の俳句 35選

俳句の文字の五十音順に並べてあります。

 

秋天に 赤き筋ある 如くなり

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

【補足】「秋天」の読み方は「あきぞら、しゅうてん」です。

 

秋天に 聳ゆる峰の 近さかな

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

【補足】「聳ゆる」の読み方は「そびゆる(=そびえる)」です。

 

秋天に 月のかけらの 白きのみ

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

 

秋天に つながる坂を のぼりけり

【作者】野村喜舟(のむら きしゅう)

 

秋空に つぶてのごとき 一羽かな

【作者】杉田久女(すぎた ひさじょ)

【補足】つぶて(礫)とは、投げる小石のことをいいます。

秋の夕暮れ時の空

 

秋天に 日食終へし 雲流れ

【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)

【補足】日食(にっしょく)とは、月が太陽と地球の間に来て、太陽の一部または全部が見えなくなる現象です。

太陽        地球
        月

 

秋天に われがぐんぐん ぐんぐんと

【作者】高浜虚子

 

秋天の 一翳もなき 思ひなり

【作者】富安風生

【補足】「一翳」の読み方は「いちえい」で、「翳」は「かげり、くもり、おおい」を意味します。

 

秋空の 晝は火山を 低くしぬ

【作者】及川 貞(おいかわ てい)

【補足】「晝」は「昼」の旧字体です。

 

秋天の 下雀斑の こまやかに

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

【補足】「雀斑」の読み方は「そばかす」です。

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秋空へ 大きな硝子 窓一つ

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

【補足】「硝子」の読み方は「ガラス」です。

 

秋空や 嵐忘れし 雲高く

【作者】野村喜舟

 

秋天や 峡をたのみて 峡に生く

【作者】加藤楸邨(かとう しゅうそん)

 

秋天や 鴉の声は 玉のごと

【作者】高橋淡路女

【補足】「鴉」の読み方は「からす」です。

 

秋空や こころおぼえの 窓の人

【作者】永田耕衣(ながた こうい)

秋の青空と黄葉

 

秋空や 子をかずつれし 鳶の笛

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

【補足】「鳶」の読み方は「とび」です。

 

秋空や 日落ちて高き 山二つ

【作者】村上鬼城(むらかみ きじょう)

 

秋の空 昨日や鶴を 放ちたる

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

 

秋の天 小鳥ひとつの ひろがりぬ

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

 

秋の空 凌雲閣に 人見ゆる

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】凌雲閣(りょううんかく)は、大正時代末まで東京・浅草にあった 12階建ての塔です。

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上行くと 下くる雲や 秋の天

【作者】野沢凡兆(のざわ ぼんちょう)

 

押し分くる 芒の上や 秋の空

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

【補足】「芒」の読み方は「すすき」です。

 

屋根々々の そのお国ぶり 秋の空

【作者】星野立子

 

きはみなく ふかき秋天 御声あり

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

【補足】「きはみなく」は「限りなく」という意味です。

 

しろがねの 日に風ふるゝ 秋の空

【作者】渡辺水巴(わたなべ すいは)

秋空の雲間から射す日の光

 

すさまじき 雲の走りや 秋の空

【作者】正岡子規

 

その深さ いづれ鏡と 秋天と

【作者】山口誓子

 

によつぽりと 秋の空なる 富士の山

【作者】上島鬼貫(うえじま おにつら)

 

旗雲と 飛行機雲と 秋の空

【作者】山口青邨

【補足】旗雲(はたぐも)とは、細長い旗のようにたなびく雲のことをいいます。

 

ハンカチを 干せばすなはち 秋の空

【作者】星野立子

秋の空と草の葉

 

朴の葉や 秋天高く むしばめる

【作者】飯田蛇笏

【補足】(ほお=ホオノキ)は落葉高木の名前です。

 

ポプラはや 秋空透し はじめけり

【作者】 阿部みどり女(あべ みどりじょ)

 

もみち葉の 色もかわるや 秋の空

【作者】正岡子規

 

山なみに 高嶺はゆがむ 秋の空

【作者】飯田蛇笏

【補足】高嶺(たかね)とは、高い峰のことをいいます。

 

我一人 行く野の末や 秋の空

【作者】夏目漱石

秋の空と紅葉

 


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