小林一茶の俳句 100選 -春・夏・秋・冬-
小林一茶の俳句からは、とても親しみやすいものを感じることができます。「子供」や「かえる」「すずめ」などの小動物を詠んだ句も多く、それらに対する愛情が込められているのがわかります。
江戸時代の三大俳人に数えられる一茶ですが、松尾芭蕉や与謝蕪村の句とは違った魅力にあふれています。
このページには、小林一茶が残した数多くの俳句の中から、季語による春、夏、秋、冬の俳句をそれぞれ 25ずつ、合計で 100句を選びました。是非ともゆっくりと味わってみて下さい。
目次
- 1 小林一茶の春の俳句 25
- 1.1 あまり鳴て 石になるなよ 猫の恋
- 1.2 鶯や 懐の子も 口をあく
- 1.3 梅が香に 障子ひらけば 月夜かな
- 1.4 陽炎に さらさら雨の かかりけり
- 1.5 門松や ひとりし聞は 夜の雨
- 1.6 亀の甲 並べて東風に 吹れけり
- 1.7 蛙鳴き 鶏なき東 しらみけり
- 1.8 雀の子 そこのけそこのけ 御馬が通る
- 1.9 大名を 馬からおろす 桜かな
- 1.10 手枕や 蝶は毎日 来てくれる
- 1.11 なの花も 猫の通ひぢ 吹とぢよ
- 1.12 初午に 無官の狐 鳴にけり
- 1.13 初夢に 古郷を見て 涙かな
- 1.14 春風に 箸を掴んで 寝る子かな
- 1.15 春雨に 大欠伸する 美人かな
- 1.16 春風や 牛に引かれて 善光寺
- 1.17 振向ば はや美女過る 柳かな
- 1.18 蓬莱に 南無南無といふ 童かな
- 1.19 やせ蛙 負けるな一茶 ここにあり
- 1.20 夕ざくら けふも昔に 成にけり
- 1.21 夕燕 我には翌の あてはなき
- 1.22 夕不二に 尻を並べて なく蛙
- 1.23 雪とけて 村一ぱいの 子どもかな
- 1.24 行春の 町やかさ売 すだれ売
- 1.25 我と来て 遊べや親の ない雀
- 2 小林一茶の夏の俳句 25
- 2.1 青梅に 手をかけて寝る 蛙かな
- 2.2 青すだれ 白衣の美人 通ふ見ゆ
- 2.3 暑き夜や 子に踏せたる 足のうら
- 2.4 いざいなん 江戸は凉みも むつかしき
- 2.5 うつくしや 雲一つなき 土用空
- 2.6 海の月 扇かぶつて 寝たりけり
- 2.7 雷の ごろつく中を 行々し
- 2.8 子ども等が 團十郎する 団扇かな
- 2.9 五月雨や 胸につかへる ちちぶ山
- 2.10 涼しさや 半月うごく 溜り水
- 2.11 凉しさや 山から見える 大座敷
- 2.12 雀子が ざくざく浴る 甘茶かな
- 2.13 蝉なくや 我家も石に なるやうに
- 2.14 夏の雲 朝からだるう 見えにけり
- 2.15 夏山の 洗ふたやうな 日の出かな
- 2.16 夏山や 一人きげんの 女郎花
- 2.17 夏の夜に 風呂敷かぶる 旅寝かな
- 2.18 寝せつけし 子のせんたくや 夏の月
- 2.19 芭蕉翁の 臑をかぢつて 夕凉
- 2.20 短夜や くねり盛の 女郎花
- 2.21 水風呂へ 流し込だる 清水かな
- 2.22 やれ打な 蝿が手をすり 足をする
- 2.23 夕されば 蛍の花の かさいかな
- 2.24 夕立や けろりと立し 女郎花
- 2.25 夕月の 友となりぬる 蚊やりかな
- 3 小林一茶の秋の俳句 25
- 3.1 青空に 指で字を書く 秋の暮
- 3.2 秋風や あれも昔の 美少年
- 3.3 秋の夜や 隣を始 しらぬ人
- 3.4 秋の夜や 旅の男の 針仕事
- 3.5 朝顔や したたかぬれし 通り雨
- 3.6 うしろから 秋風吹や もどり足
- 3.7 馬の子の 故郷はなるる 秋の雨
- 3.8 送り火や 今に我等も あの通り
- 3.9 さぼてんの 鮫肌見れば 夜寒かな
- 3.10 たまに来た 古郷の月は 曇りけり
- 3.11 七夕や 涼しき上に 湯につかる
- 3.12 人並に 畳の上の 月見かな
- 3.13 日の暮の 背中淋しき 紅葉かな
- 3.14 名月や 家より出て 家に入
- 3.15 山は虹 いまだに湖水は 野分かな
- 3.16 夕月や 涼がてらの 墓参
- 3.17 名月や 膳に這よる 子があらば
- 3.18 名月を とつてくれろと 泣子かな
- 3.19 はつ雁も 泊るや恋の 軽井沢
- 3.20 初茸を 握りつぶして 笑ふ子よ
- 3.21 膝の子や 線香花火に 手をたたく
- 3.22 鬼灯の 口つきを姉が 指南かな
- 3.23 夕日影 町一ぱいの とんぼかな
- 3.24 世につれて 花火の玉も 大きいぞ
- 3.25 我星は どこに旅寝や 天の川
- 4 小林一茶の冬の俳句 25
- 4.1 霰ちれ くくり枕を 負ふ子ども
- 4.2 うつくしや 年暮きりし 夜の空
- 4.3 うまそうな 雪がふうはり ふはりかな
- 4.4 寒月や 喰つきさうな 鬼瓦
- 4.5 けしからぬ 月夜となりし みぞれかな
- 4.6 けろけろと 師走月よの 榎かな
- 4.7 木がらしの 吹留りけり 鳩に人
- 4.8 木がらしや から呼びされし 按摩坊
- 4.9 これがまあ 終のすみかか 雪五尺
- 4.10 来る人が 道つけるなり 門の雪
- 4.11 凩や 常灯明の しんかんと
- 4.12 さくさくと 氷かみつる 茶漬かな
- 4.13 さはつたら 手も切やせん 冬木立
- 4.14 外は雪 内は煤ふる 栖かな
- 4.15 大根引 大根で道を 教へけり
- 4.16 ともかくも あなた任せの としの暮
- 4.17 納豆の 糸引張て 遊びけり
- 4.18 猫の子が ちよいと押へる おち葉かな
- 4.19 人並に 正月を待つ 灯影かな
- 4.20 はつ雪や それは世にある 人のこと
- 4.21 冬の雨 火箸をもして 遊びけり
- 4.22 夕やけや 唐紅の 初氷
- 4.23 雪の日や 古郷人も ぶあしらひ
- 4.24 湯に入て 我身となるや 年の暮
- 4.25 夜の雪 だまつて通る 人もあり
- 5 一茶忌(いっさき)の俳句
- 6 小林一茶の辞世の句は?
小林一茶の春の俳句 25
あまり鳴て 石になるなよ 猫の恋
【季語】猫の恋
【関連】猫の俳句
鶯や 懐の子も 口をあく
【補足】「懐」の読み方は「ふところ」です。
【関連】鶯の俳句
梅が香に 障子ひらけば 月夜かな
【季語】梅
【補足】「障子」の読み方は「しょうじ」です。
【補足】梅の俳句
陽炎に さらさら雨の かかりけり
【季語】陽炎(かげろう)
【関連】陽炎の俳句
門松や ひとりし聞は 夜の雨
【季語】門松
【関連】門松の俳句
亀の甲 並べて東風に 吹れけり
【季語】東風(こち)
【関連】東風の俳句
蛙鳴き 鶏なき東 しらみけり
【季語】蛙(かわず)
【補足】「鶏」の読み方は「とり」です。
【関連】蛙の俳句
雀の子 そこのけそこのけ 御馬が通る
【季語】雀の子
大名を 馬からおろす 桜かな
【季語】桜
【関連】櫻の俳句
手枕や 蝶は毎日 来てくれる
【季語】蝶
【補足】手枕(てまくら)とは、肘(ひじ)をまげて枕のかわりにすることで、「肘枕(ひじまくら)」ともいいます。
【関連】蝶の俳句
なの花も 猫の通ひぢ 吹とぢよ
【季語】なの花
【補足】僧正遍照(そうじょうへんじょう:平安時代前期の歌僧)が詠んだ、次の和歌が思い起こされます。
天つ風
雲の通ひ路吹き閉ぢよ
をとめの姿しばしとどめむ
【関連】菜の花の俳句
初午に 無官の狐 鳴にけり
【季語】初午(はつうま)
【補足】初午は、2月の最初の午(うま)の日のことです。
【関連】初午の俳句
初夢に 古郷を見て 涙かな
【季語】初夢
【関連】初夢の俳句
春風に 箸を掴んで 寝る子かな
【季語】春風
【補足】「掴んで」の読み方は「つかんで」です。
【関連】春風の俳句
春雨に 大欠伸する 美人かな
【季語】春雨
【補足】「大欠伸」の読み方は「おおあくび」です。
【関連】春雨の俳句
春風や 牛に引かれて 善光寺
【季語】春風
【補足】古くから、日本中から善光寺を目指して参詣する人々が多く、「一生に一度は参れ善光寺」と言われてきました。
【関連】善光寺の俳句
振向ば はや美女過る 柳かな
【季語】柳
蓬莱に 南無南無といふ 童かな
【季語】蓬莱
【補足】蓬莱(ほうらい)は、お正月の蓬莱飾りのことです。
やせ蛙 負けるな一茶 ここにあり
【季語】蛙
夕ざくら けふも昔に 成にけり
【季語】夕ざくら
夕燕 我には翌の あてはなき
【季語】夕燕
夕不二に 尻を並べて なく蛙
【季語】蛙
【補足】不二は「富士山」のことです。
雪とけて 村一ぱいの 子どもかな
【季語】雪とけて
【関連】雪解けの俳句
行春の 町やかさ売 すだれ売
【季語】行く春
我と来て 遊べや親の ない雀
【季語】雀の子
【補足】推敲する前は「我と来て 遊ぶや親の ない雀」でした。
小林一茶の夏の俳句 25
青梅に 手をかけて寝る 蛙かな
【季語】青梅(あおうめ)
【補足】青梅とは、まだ熟していない青い梅の果実のことをいいます。
青すだれ 白衣の美人 通ふ見ゆ
【季語】青すだれ
【関連】簾の俳句
暑き夜や 子に踏せたる 足のうら
【季語】暑き
いざいなん 江戸は凉みも むつかしき
【季語】涼み
【補足】「いざいなん」は、「さあ、(立ち)去ろう」の意です。
うつくしや 雲一つなき 土用空
【季語】土用空
【補足】土用(どよう)は暦の雑節の一つで、四立(しりゅう:立春、立夏、立秋、立冬)の直前の約18日間のことです。
年に 4回ありますが、夏の土用を指すことが多くみられます。
【関連】土用の俳句
海の月 扇かぶつて 寝たりけり
【季語】扇
雷の ごろつく中を 行々し
【季語】雷
【関連】雷の俳句
子ども等が 團十郎する 団扇かな
【季語】団扇(うちわ)
五月雨や 胸につかへる ちちぶ山
【季語】五月雨
【関連】五月雨の俳句
涼しさや 半月うごく 溜り水
【季語】涼しさ
【補足】「溜り水」の読み方は「たまりみず」です。
凉しさや 山から見える 大座敷
【季語】涼しさ
雀子が ざくざく浴る 甘茶かな
【季語】甘茶
蝉なくや 我家も石に なるやうに
【季語】蝉
【関連】蝉の俳句
夏の雲 朝からだるう 見えにけり
【季語】夏の雲
夏山の 洗ふたやうな 日の出かな
【季語】夏山
夏山や 一人きげんの 女郎花
【季語】夏山
【補足】「女郎花」の読みは「おみなえし」です。
夏の夜に 風呂敷かぶる 旅寝かな
【季語】夏の夜
寝せつけし 子のせんたくや 夏の月
【季語】夏の月
芭蕉翁の 臑をかぢつて 夕凉
【季語】夕涼(ゆうすずみ)
【補足】「脛」の読み方は「すね」です。
短夜や くねり盛の 女郎花
【季語】短夜
【補足】「短夜」は「みじかよ」と読みます。
【関連】短夜の俳句
水風呂へ 流し込だる 清水かな
【季語】清水
やれ打な 蝿が手をすり 足をする
【季語】蠅
【補足】推敲する前は「やよ打つな 蝿は手をする 足もする」でした。
夕されば 蛍の花の かさいかな
【季語】蛍
【補足】「夕されば」は「夕方になると」という意味です。
【関連】蛍の俳句
夕立や けろりと立し 女郎花
【季語】夕立
【関連】夕立の俳句
夕月の 友となりぬる 蚊やりかな
【季語】蚊やり
小林一茶の秋の俳句 25
青空に 指で字を書く 秋の暮
【季語】秋の暮
【関連】秋の暮の俳句
秋風や あれも昔の 美少年
【季語】秋風
【関連】秋風の俳句
秋の夜や 隣を始 しらぬ人
【季語】秋の夜
【補足】松尾芭蕉に次の句があります。
秋深き 隣は何を する人ぞ
【関連】秋の夜の俳句
秋の夜や 旅の男の 針仕事
【季語】秋の夜
朝顔や したたかぬれし 通り雨
【季語】朝顔
【関連】朝顔の俳句
うしろから 秋風吹や もどり足
【季語】秋風
馬の子の 故郷はなるる 秋の雨
【季語】秋の雨
送り火や 今に我等も あの通り
【季語】送り火
さぼてんの 鮫肌見れば 夜寒かな
【季語】夜寒
たまに来た 古郷の月は 曇りけり
【季語】月
【俳句】「故郷」の読み方は「ふるさと」です。
【関連】月の俳句
七夕や 涼しき上に 湯につかる
【季語】七夕
【関連】七夕の俳句
人並に 畳の上の 月見かな
【季語】月見
【関連】月見の俳句
日の暮の 背中淋しき 紅葉かな
【季語】紅葉
【関連】紅葉の俳句
名月や 家より出て 家に入
【季語】名月
山は虹 いまだに湖水は 野分かな
【季語】野分(のわき)
【補足】野分とは、秋に吹く激しい風(=現代の台風)のことをいいます。
【関連】野分の俳句
夕月や 涼がてらの 墓参
【季語】墓参
名月や 膳に這よる 子があらば
【季語】名月
名月を とつてくれろと 泣子かな
【季語】月
はつ雁も 泊るや恋の 軽井沢
【季語】はつ雁
初茸を 握りつぶして 笑ふ子よ
【季語】初茸(はつたけ)
膝の子や 線香花火に 手をたたく
【季語】線香花火
鬼灯の 口つきを姉が 指南かな
【季語】鬼灯(ほおずき)
夕日影 町一ぱいの とんぼかな
【季語】とんぼ
【補足】夕日影(ゆうひかげ)とは、夕日の光、夕方の日影を意味します。
【関連】蜻蛉(とんぼ)の俳句
世につれて 花火の玉も 大きいぞ
【季語】花火
【関連】花火の俳句
我星は どこに旅寝や 天の川
【季語】天の川
小林一茶の冬の俳句 25
霰ちれ くくり枕を 負ふ子ども
【季語】霰(あられ)
【補足】くくり枕とは、草・豆・そばがらなどを入れて、両端をくくった枕のことをいいます。
うつくしや 年暮きりし 夜の空
【季語】年暮
【関連】年の暮の俳句
うまそうな 雪がふうはり ふはりかな
【季語】雪
【関連】雪の俳句
寒月や 喰つきさうな 鬼瓦
【季語】寒月
【関連】寒月の俳句
けしからぬ 月夜となりし みぞれかな
【季語】みぞれ
けろけろと 師走月よの 榎かな
【季語】師走
【関連】師走の俳句
木がらしの 吹留りけり 鳩に人
【季語】木がらし
【関連】木枯しの俳句
木がらしや から呼びされし 按摩坊
【季語】木がらし
【補足】「按摩坊」の読み方は「あんまぼう」です。
これがまあ 終のすみかか 雪五尺
【季語】雪
【補足】五尺は約1.5メートルに相当します。
来る人が 道つけるなり 門の雪
【季語】雪
凩や 常灯明の しんかんと
【季語】凩(こがらし)
【補足】常灯明(じょうとうみょう)とは、常にともしておく灯明(=神仏に供える灯火)のことをいいます。
さくさくと 氷かみつる 茶漬かな
【季語】氷
【関連】氷の俳句
さはつたら 手も切やせん 冬木立
【季語】冬木立
外は雪 内は煤ふる 栖かな
【季語】雪
【補足】「煤」の読み方は「すす」、栖の読みは「すみか」です。
大根引 大根で道を 教へけり
【季語】大根(だいこ)
【関連】大根の俳句
ともかくも あなた任せの としの暮
【季語】としの暮
【補足】この句の「あなた」は、神仏と解釈するのが一般的です。
納豆の 糸引張て 遊びけり
【季語】納豆
猫の子が ちよいと押へる おち葉かな
【季語】おち葉
【関連】落葉の俳句
人並に 正月を待つ 灯影かな
【季語】正月
【補足】「灯影」の読み方は「ほかげ」です。
【関連】正月の俳句
はつ雪や それは世にある 人のこと
【季語】はつ雪
【関連】初雪の俳句
冬の雨 火箸をもして 遊びけり
【季語】冬の雨
夕やけや 唐紅の 初氷
【季語】初氷
【補足】「唐紅」の読み方は「からくれない」です。
雪の日や 古郷人も ぶあしらひ
【季語】雪
湯に入て 我身となるや 年の暮
【季語】年の暮れ
夜の雪 だまつて通る 人もあり
【季語】雪
一茶忌(いっさき)の俳句
一茶の忌日(きにち=命日)は 11月19日で、この日は一茶忌と名付けられています。
(この日付は旧暦によるもので、現在使用されているグレゴリオ暦では 1828年 1月 5日です。)
「一茶忌」は冬の季語でもあり、多くの俳句に詠み込まれています。それらのうちのいくつかを挙げておきます。
一茶忌の 雀の家族 焚火越す
(秋元不死男)一茶忌の わが草の戸の 古りに古り
(山口青邨)一茶忌や 色好むとは なほ哀れ
(阿波野青畝)一茶忌や 大月夜とは よくも言ひし
(高浜虚子)一茶忌や 口やかましき 人ばかり
(瀧井孝作)一茶忌や 蕎麦も蕎麦湯も あたたかに
(鷹羽狩行)一茶忌や 父を限りの 小百姓
(石田波郷)一茶忌を 移る棺形 日向かな
(永田耕衣)飄々と 雲水参ず 一茶の忌
(飯田蛇笏)ぶつかつて 泣く子泣かぬ子 一茶の忌
(鷹羽狩行)
小林一茶の辞世の句は?
一茶の辞世の句として、最も取り上げられることが多いのは
盥から 盥へうつる ちんぷんかん
というものです。
人が生まれた時の産湯(うぶゆ)と、亡くなった時の湯灌(ゆかん)、そのどちらもが盥(たらい)の湯を使うことと人生を結び付けた、いろいろと考えさせられる俳句です。
また、一茶が最後に詠んだとされる次の句も「辞世の句」として見かけることが多いものです。
焼け土の ほかりほかりや 蚤さわぐ
さらに、次に句も一茶の辞世と呼ばれることがあり、その名にふさわしい意味が込められているといえます。
露の世は 露の世ながら さりながら
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