ビールの俳句 30選 -びーる-
夏の暑い日に、よく冷えたビールを飲む楽しみは、多くの人が認めるところです。
この「ビール」は俳句において夏の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。
このページには、夏の季語である「ビール」が詠み込まれた俳句を集めました。いかにも夏といった雰囲気に満ちた作品が多いので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。
目次
- 1 ビールの俳句 30選
- 1.1 うそばかり 言ふ男らと ビール飲む
- 1.2 王冠を 嵌めビール瓶 海に投ぐ
- 1.3 片なびく ビールの泡や 秋の風
- 1.4 軽くのど うるほすビール 欲しきとき
- 1.5 ぐしよぐしよに濡れ戻りたる 夜のビール
- 1.6 こんな日は ビールが佳けれ 酢のものに
- 1.7 山上の 空気に冷えし ビール飲む
- 1.8 手術して 一年経つか ビール注ぐ
- 1.9 大衆に ちがひなきわれ ビールのむ
- 1.10 大役を 終へてビールの 栓を抜く
- 1.11 大宰の碑 濡らせしビール 頒けて飲む
- 1.12 旅といふ 心易さの ビール飲む
- 1.13 床の間の ビールの壜や 冬籠
- 1.14 生ビール 内地の人よと 云はれ酌む
- 1.15 生ビール 運ぶ蝶ネクタイ曲げて
- 1.16 生ビール 氷河のごとき セロリ食む
- 1.17 生ビール 文楽を見し 亢ぶりに
- 1.18 飲み干せる ビールの泡の 口笑ふ
- 1.19 冷えすぎて ビールなさざり 夕蛙
- 1.20 ひとりにて 人を恋ひのむ ビールかな
- 1.21 ビール園 神神もかく 屯せし
- 1.22 ビール酌む 男ごころを 灯に曝し
- 1.23 ビール酌む ことに心の 横すべり
- 1.24 ビール酌む 腹のくびれに 眼を落とし
- 1.25 ビール注ぎ 何を言ひ出すやも知れず
- 1.26 ビールなら頂く ワイン駄目だけど
- 1.27 ビール冷ゆ 渓流さやに 笛となり
- 1.28 ビール瓶 二つかち合ひ 遠ざかる
- 1.29 福引の みづひきかけし ビールかな
- 1.30 敗れたり きのふ残せし ビール飲む
ビールの俳句 30選
「ビール」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。
どうぞ、ごゆっくりとご鑑賞ください。
うそばかり 言ふ男らと ビール飲む
【作者】岡本 眸(おかもと ひとみ)
王冠を 嵌めビール瓶 海に投ぐ
【作者】右城暮石(うしろ ぼせき)
【補足】「嵌め」の読み方は「はめ」です。
片なびく ビールの泡や 秋の風
【作者】会津八一(あいづ やいち)
【補足】「片なびく」とは、一方にだけ片寄ってなびくことをいいます。
軽くのど うるほすビール 欲しきとき
【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)
ぐしよぐしよに濡れ戻りたる 夜のビール
【作者】石塚友二(いしづか ともじ)
こんな日は ビールが佳けれ 酢のものに
【作者】高澤良一(たかざわ よしかず)
【補足】「佳けれ」の読み方は「よけれ」です。
山上の 空気に冷えし ビール飲む
【作者】右城暮石
手術して 一年経つか ビール注ぐ
【作者】高澤良一
大衆に ちがひなきわれ ビールのむ
【作者】京極杞陽(きょうごく きよう)
大役を 終へてビールの 栓を抜く
【作者】星野 椿(ほしの つばき)
大宰の碑 濡らせしビール 頒けて飲む
【作者】山口誓子(やかぐち せいし)
【補足】「頒けて」の読み方は「わけて」です。
旅といふ 心易さの ビール飲む
【作者】稲畑汀子
床の間の ビールの壜や 冬籠
【作者】会津八一
【補足】「壜」の読み方は「びん」です。冬籠(ふゆごもり)とは、冬の寒い間、家にこもって過ごすことをいいます。
生ビール 内地の人よと 云はれ酌む
【作者】高澤良一
【補足】「酌む」の読み方は「くむ」です。
生ビール 運ぶ蝶ネクタイ曲げて
【作者】池田秀水(いけだ しゅうすい)
生ビール 氷河のごとき セロリ食む
【作者】松山足羽(まつやま あすわ)
生ビール 文楽を見し 亢ぶりに
【作者】石塚友二
飲み干せる ビールの泡の 口笑ふ
【作者】星野立子(ほしの たつこ)
冷えすぎて ビールなさざり 夕蛙
【作者】石川桂郎(いしかわ けいろう)
【補足】夕蛙(ゆうかわず)とは、夕方に見かける蛙のことです。
ひとりにて 人を恋ひのむ ビールかな
【作者】野村喜舟(のむら きしゅう)
ビール園 神神もかく 屯せし
【作者】平畑静塔(ひらはた せいとう)
【補足】「屯せし」の読み方は「たむろせし」です。
ビール酌む 男ごころを 灯に曝し
【作者】三橋鷹女(みつはし たかじょ)
【補足】「曝し」の読み方は「さらし」です。
ビール酌む ことに心の 横すべり
【作者】高澤良一
ビール酌む 腹のくびれに 眼を落とし
【作者】高澤良一
ビール注ぎ 何を言ひ出すやも知れず
【作者】山田弘子(やまだ ひろこ)
ビールなら頂く ワイン駄目だけど
【作者】山田弘子
ビール冷ゆ 渓流さやに 笛となり
【作者】原 裕(はら ゆたか)
【補足】「さやに」とは、「あきらかに、はっきりと」という意味です。
ビール瓶 二つかち合ひ 遠ざかる
【作者】細見綾子(ほそみ あやこ)
福引の みづひきかけし ビールかな
【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)
【補足】水引(みずひき)は、祝儀や不祝儀に用いられる飾りです。
敗れたり きのふ残せし ビール飲む
【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)
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