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冬ざれの俳句 50選 -ふゆざれ- 【有名俳人の名作から厳選】

雪に包まれた桜の木

冬になって、荒れた野原などの景色を目にすると、何となく寂しい気持ちになることがあります。このような情景を表現するのに「冬ざれ」という言葉があります。

この「冬ざれ」は俳句において冬の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。

このページには、「冬ざれ」が詠まれた俳句を多く集めました。冬のもの悲しいような雰囲気に満ちた作品が多くありますので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

冬ざれの俳句 50選

雪の日本庭園

「冬ざれ」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

どうぞ、ごゆっくりとご鑑賞下さい。

 

 

聚まれる 冬ざれ小石 踏みにけり

【作者】松村蒼石(まつむら そうせき)

【補足】「聚まれる」の読み方は「あつまれる」です。

 

いまみえて ゐた猫みえず 冬ざるゝ

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

 

いらぬ石 かたづけにけり 冬ざるる

【作者】室生犀星(むろう さいせい)

 

太秦は 冬ざれもよし 朱の扉

【作者】西山泊雲(にしやま はくうん)

【補足】太秦(うずまさ)は、京都市右京区の地名です。

 

往来の ころく石や 冬ざるゝ

【作者】内田百間(うちだ ひゃっけん)

【補足】ころく石(小六石)は、長野県富士見町にあります。

 

眼帯や 片目の街の 冬ざるる

【作者】桂 信子(かつら のぶこ)

 

啄木鳥の 孔遺す家 冬ざるる

【読み】きつつきの あなのこすいえ ふゆざるる

【作者】堀口星眠(ほりぐち せいみん)

 

さふらんの 花は紫 冬ざるゝ

【作者】野村泊月(のむら はくげつ)

【補足】さふらん(サフラン)はアヤメ科の多年草で、そのめしべを乾燥させた香辛料をいうこともあります。

 

山色を 尽しきるとき 冬ざるる

【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)

【補足】山色(さんしょく)とは、山の色、または山の景色のことです。

 

しらたきと 豆腐と買ひて 冬ざるゝ

【作者】久保田万太郎

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蔦の実の 数へられつゝ 冬ざれて

【読み】つたのみの かぞえられつつ ふゆざれて

【作者】高浜年尾(たかはま としお)

 

常かへり みぬ庭にして 冬ざるゝ

【作者】相馬遷子(そうま せんし)

 

冬ざるる セザンヌの耳 ゴツホの耳

【作者】行方克巳(なめかた かつみ)

【補足】ポール・セザンヌ(1839年1月19日~1906年10月23日)はフランスの画家、フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホ(1853年3月30日~1890年7月29日)はオランダの画家で、二人は「ポスト印象派」に位置づけられています。

なお、ゴッホは自分の左耳を切り落とす事件を起こしています。

 

冬ざるる 顰を深く 裏浅間

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

【補足】顰(ひそみ)とは、眉(まゆ)をひそめることです。

 

冬ざるる 豆柿のあまさ とほりけり

【作者】室生犀星

【補足】豆柿(まめがき)は小柿(こがき)とも呼ばれます。

 

冬ざるる リボンかければ 贈り物

【作者】波多野爽波(はたの そうは)

 

冬ざれて 石朽つ遣新羅使の墓

【作者】文挟夫佐恵(ふばさみ ふさえ)

【補足】遣新羅使(けんしらぎし)は、日本が新羅に派遣した使節です。

 

冬ざれて 火焔つめたき 不動かな

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】火焔(=火炎)は「炎(ほのお)」のことです。

 

冬ざれて 枯野へつづく 妻の乎か

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】「乎(こ)」は「よぶ、よぶ声」を意味します。

 

冬ざれて 笊売る家の 竹匂ふ

【作者】石橋秀野(いしばし ひでの)

【補足】「笊」の読み方は「ざる」です。

玄関の笊

 

冬ざれて しかつべらしき 座敷哉

【作者】尾崎紅葉(おざき こうよう)

【補足】「しかつべらしき(=しかつめらしき;鹿爪らしき)」は「堅苦しく、形式ばっている」という意味です。

 

冬ざれて 焚く火に凹む 大地かな

【読み】ふゆざれて たくひにへこむ だいちかな

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

 

冬ざれて たましひ氷る あしたかも

【作者】日夏耿之介(ひなつ こうのすけ)

 

冬ざれて 虎刈りの神 屈まりぬ

【作者】攝津幸彦(せっつ ゆきひこ)

【補足】「屈まりぬ」の読み方は「かがまりぬ、こごまりぬ、くぐまりぬ」です。

 

冬ざれて 水垢のつく 釣瓶かな

【作者】籾山柑子(もみやま かんし)

【補足】釣瓶(つるべ)とは、井戸の水を汲み上げるために縄などをつけた桶(おけ)のことです。

 

冬ざれて 隣家が遠く 澄みにけり

【作者】山田麗眺子( やまだ れいちょうし)

 

冬ざれに つきあたりたる 別れかな

【作者】清水基吉(しみず もとよし)

 

冬ざれの くちびるを吸ふ 別れかな

【作者】日野草城

 

冬ざれの 中に角帽 あぶらじみ

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

【補足】角帽(かくぼう)とは、帽子の上部がひし形になっているものです。

 

冬ざれの 野の馬塚と 人の墓

【作者】殿村莵絲子(とのむら としこ)

【補足】馬塚(うまづか)とは、馬を葬った墓のことです。

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冬ざれの 道に拾ひぬ 空ラ財布

【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)

 

冬ざれの 身にはまばゆき 万華鏡

【作者】文挟夫佐恵

 

冬ざれの 身の裡馳せし ヨハネ像

【作者】河野南畦(こうの なんけい)

【補足】「裡」の読み方は「うち(=内)」です。

 

冬ざれの 山一椀の 熱き白湯

【作者】松村蒼石

【補足】「白湯」の読み方は「さゆ」です。

 

冬ざれは 韮にかくるゝ 鳥ひとつ

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

【補足】韮(にら)はユリ科の多年草です。

 

冬ざれや 壁に挟みし 柄なし鎌

【作者】井上井月(いのうえ せいげつ)

【補足】「挟みし」の読み方は「はさみし」です。

 

冬ざれや 廓につづく 漁師町

【作者】石原舟月(いしはら しゅうげつ)

【補足】廓(くるわ)とは、城の囲い、または遊郭(ゆうかく)のことをいいます。

 

冬ざれや ころろと鳴ける 檻の鶴

【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)

 

冬ざれや 足にこたゆる 貝の殻

【作者】高桑闌更(たかくわ らんこう)

 

冬ざれや 雨にぬれたる 枯葉竹

【作者】永井荷風(ながい かふう)

冬の湖と空

 

冬ざれや 歩み遮る 何か有れ

【作者】林 翔(はやし しょう)

【補足】「遮る」の読み方は「さえぎる」です。

 

冬ざれや 石段おりて 御堂あり

【作者】中村草田男(なかむら くさたお)

【補足】御堂(みどう、おどう)とは、仏像を安置した堂(=神仏をまつる建物)のことです。

 

冬ざれや 石に腰かけ 我孤獨

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

【補足】「獨」は「独」の旧字体です。

 

冬ざれや 枝にすがりて 枸杞の紅

【作者】古舘曹人(ふるたち そうじん)

【補足】枸杞(くこ)はナス科の落葉低木です。

 

冬ざれや 神とし祀る 石一つ

【作者】野村泊月

【補足】「祀る」の読み方は「まつる」です。

 

冬ざれや 長者が庭の しかすがに

【作者】尾崎紅葉

【補足】「しかすがに」は「そうはいうものの」という意味です。

 

冬ざれや つく~松の 肌の老

【作者】松根東洋城(まつね とうようじょう)

 

冬ざれや 日あし沁み入る 水の垢

【作者】室生犀星

 

冬ざれや 鶲あそべる 百花園

【作者】水原秋桜子 ひたき

【補足】鶲(ひたき)は小鳥の名前です。

 

冬ざれや 拾ひ足して 渚鶴

【作者】鈴木花蓑(すずき はなみの)

【補足】拾い足(ひろいあし)とは、道などの比較的よいを所選んで歩くことをいいます。

冬の水辺の鶴

 

 


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