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花野の俳句 50選 -はなの-

野に咲く色々な花

秋になると、色々な草花が野に咲いているのを目にするようになります。このような野を「花野(はなの)」と表現します。

そして、花野は俳句の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてもきました。

このページには、花野が詠み込まれた俳句を数多く集めました。花に彩られた秋の野の光景が目に浮かぶような俳句作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

花野の俳句 50選

ピンク色のコスモスの花と秋空

俳句において、花野は秋の季語となります。

なお、「花野道」「花野風」なども「花野」と同様に秋の季語として用いられます。。  

 

 

あれこれを おもひはづれる 花野かな

【作者】内藤丈草(ないとう じょうそう)

 

急ぐにも あらぬ旅路の 花野かな

【作者】野村泊月(のむら はくげつ)

 

いでたちの ひとしき僧や 花野ゆく

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

【補足】「いでたち」とは、身なりや装い(よそおい)のことをいいます。

 

今迄は 踏れて居たに 花野かな

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

 

大空の きはみと合ひし 花野かな

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

【補足】きはみ(=きわみ:極み)は、「果て」のことです。

 

大空の つめたく昏るゝ 花野かな

【作者】石原八束(いしはら やつか)

【補足】「昏るゝ」の読み方は「るる(=暮れる)」です。

 

折るよりは 行くに慰む 花野かな

【作者】黒柳召波(くろやなぎ しょうは)

【補足】「慰む」の読み方は「なぐさむ」です。

 

かなしみが 眠る花野の 白き雲

【作者】内藤吐天(ないとう とてん)

 

から風に 片頬さむき 花野かな

【作者】森川許六(もりかわ きょりく)

 

川音の 昼はもどりて 花野かな

【作者】加賀千代女(かがの ちよじょ)

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川上の 水静かなる 花野かな

【作者】河東碧梧桐(かわひがし へきごとう)

 

来てみれば 花野の果ては 海なりし

【作者】鈴木真砂女(すずき まさじょ)

 

極楽に 行く人送る 花野かな

【作者】永井荷風(ながい かふう)

 

こゝに来て 花野の径の ゆき止り

【作者】高浜年尾(たかはま としお)

【補足】「径」の読み方は「みち、こみち」です。

 

こしかたの ゆめまぼろしの 花野かな

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

【補足】こしかた(来し方、越し方)とは、過ぎて来た時(=過去)、過ぎて来た場所・方向のことをいいます。

 

里人は 突臼かやす 花野哉

【作者】井原西鶴(いはら さいかく)

【補足】「かやす」とは、ひっくり返すことです。

 

霜枯に 咲くは辛気の 花野哉

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

【補足】辛気(しんき)とは、心が晴れやかでないことを意味します。

 

信玄の 棒道今も ある花野

【作者】福田蓼汀(ふくだ りょうてい)

【補足】戦国時代の武将・武田信玄(たけだ しんげん)が開発したとされる軍用の道路です。

 

其人の 名もありさうな 花野哉

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】「其」の読み方は「その」です。

 

たそがるゝ 花野に月と 星二つ

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

夕暮れ時のコスモスの花

 

旅人に 花野めく森 いざなへる

【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)

【補足】「~めく」は「~らしくなる」という意味になります。

 

近くある 花野も知らず 遍路ゆく

【作者】能村登四郎(のむら としろう)

【補足】遍路(へんろ)とは、祈願のための四国の八十八か所の霊場(れいじょう)を巡り歩くこと、またその人のことです。

 

月未だ 色に出でざる 花野かな

【作者】五十嵐播水(いがらし ばんすい)

 

泥濘や 花野を越ゆる 道ひとすぢ

【作者】相馬遷子(そうま せんし)

【補足】泥濘(でいねい)とは「むかるみ」のことです。

 

天渺々 笑ひたくなりし 花野かな

【作者】渡辺水巴(わたなべ すいは)

【補足】渺々(びょうびょう)とは、広く果てしないさまを表現する言葉です。

 

どうどうと いなし花野を 巡る馬

【作者】高澤良一(たかざわ よしかず)

 

どの窓を あけても見ゆる 花野かな

【作者】橋 閒石(はし かんせき)

 

七つ池 左右に見てゆく 花野かな

【作者】尾崎放哉(おざき ほうさい)

 

二里といひ 一里ともいふ 花野哉

【作者】炭 太祇(たん たいぎ)

【補足】一里(いちり)は、約 4km です。

 

はじまりし 旅の花野は 道辺より

【作者】皆吉爽雨(みなよし そうう)

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花野来し 隣り座敷の 老夫妻

【作者】飯田龍太(いいだ りゅうた)

 

花野来て 白き温泉に 浸りけり

【作者】松本たかし(まつもと たかし)

【補足】「浸り」の読み方は「ひたり」です。

 

花野には 岩あり窪あり 花ありて

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

 

はればれと 馬市たちし 花野かな

【作者】久保田万太郎

【補足】馬市(うまいち)とは、馬の競り市(せりいち)のことです。

 

縹渺と 観世大夫の 花野あり

【作者】平井照敏(ひらい しょうびん)

【補足】縹渺(ひょうびょう)とは、「かすかなさま、はっきりしないさま」や「広々として果てしないさま」を表現する言葉です。

 

墾かずに 人の住みゐる 花野かな

【作者】松瀬青々(まつせ せいせい)

【補足】「墾かずに」の読み方は「ひらかずに」です。

 

晝火事の 火の子飛び来る 花野哉

【作者】内田百間(うちだ ひゃっけん)

【補足】「晝」は「昼」の旧字体です。

 

東に 日の沈みゐる 花野かな

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

【補足】「東」の読みは「ひんがし」です。

 

吹き消した やうに日暮るる 花野かな

【作者】小林一茶

 

吹く風や 花野も蝶も 吹かれゐる

【作者】及川 貞(おいかわ てい)

白いコスモスの花

 

方角を 富士に見てゆく 花野かな

【作者】井上井月(いのうえ せいげつ)

 

蓬髪の 人過ぎゆきし 花野かな

【作者】原 石鼎

【補足】蓬髪(ほうはつ)とは、伸びて乱れた髪のことです。

 

まつしぐら 花野は霧に もどりけり

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

 

満目の 花野ゆき花 すこし摘む

【作者】能村登四郎

【補足】満目(まんもく)とは「見渡すかぎり」の意です。

 

見送るに 目のはなされぬ 花野かな

【作者】加賀千代女

 

みそなはせ 花野もうつる 月の中

【作者】炭 太祇

【補足】「みそなはせ」は「ご覧になってください」の意です。

 

道曲る 花野の独活の 花笠に

【作者】皆吉爽雨

【補足】独活(うど)は多年草の名前です。

 

みづうみの 水のつめたき 花野かな

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

 

山深く 花野はありて 人はゐず

【作者】相馬遷子

 

友情を こころに午後の 花野径

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

【補足】「花野径」の読み方は「はなのみち」です。

一面にコスモスが咲く野原

 

 


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