日傘の俳句 30選　－ひがさ－

夏の強い日射しが照りつける日には、日傘は無くてなはらないものといえるでしょう。

そして、「日傘」は俳句において夏の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。

このページには、「日傘」が詠まれた俳句を多く集めました。いかにも夏といった雰囲気に満ちた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

日傘の俳句 30選

「日傘」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

どうぞ、ごゆっくりとご鑑賞下さい。

あによめの　日傘を借りて　せみしぐれ

【作者】筑紫磐井(つくし ばんせい)

一斉に　日傘さす音　ある所

【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)

今たたみ　凭せし日傘　息づける

【作者】後藤夜半(ごとう やはん)

【補足】「凭せし」の読み方は「もたせし」です。

産み月の　日傘を何時も　手放さず

【作者】右城暮石(うしろ ぼせき)

【補足】産み月(うみづき)とは、子供が生まれる予定の月、臨月(りんげつ)のことをいいます。

縁側に　緋毛氈ある　日傘ある

【作者】京極杞陽(きょうごく きよう)

【補足】緋毛氈(ひもうせん)とは、赤い色の毛氈(獣毛を原料とした繊維品)のことです。

鎌倉の　日傘の下の　少女かな

【作者】皆吉 司(みなよし つかさ)

借りてさす　日傘は派手や　豆の花

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

京人の　言葉やさしき　日傘かな

【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)

【補足】京人(きょうびと)とは、 都の人、京都の人のことをいいます。

草山を　又一人越す　日傘かな

【作者】渡辺水巴(わたなべ すいは)

【補足】草山(くさやま)とは、山全体が草のみで覆われもののことです。

けふのこと　けふに終らぬ　日傘捲く

【作者】上田五千石(うえだ ごせんごく)

【補足】「捲く」の読み方は「まく」です。

こぼるゝや　日傘の上の　椎の花

【作者】正岡子規(まさおか しき)

子を抱ける　男にかざす　日傘かな

【作者】野村泊月(のむら はくげつ)

漣の　さみしくなりし　日傘かな

【作者】岡本 眸(おかもと ひとみ)

【補足】漣(さざなみ)とは、こまかく立つ波のことをいいます。

鈴の音の　かすかにひゞく　日傘かな

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

僧正が　野糞遊ばす　日傘哉

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

【補足】僧正(そうじょ)とは、僧侶の官職名です。

ソ連船　待つ影日傘　はみ出せる

【作者】河野南畦(こうの なんけい)

たたまれて　日傘も草に　憩ふかな

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

【補足】「憩ふ」の読み方は「いこう」です。

垂らしたる　手より真直に　日傘垂れ

【作者】波多野爽波(はたの そうは)

つゝじ野を　さして皆ゆく　日傘かな

【作者】野村泊月

出迎への　日傘を高く　突堤に

【作者】池田秀水(いけだ しゅうすい)

土塀より　土塀へ誰の　日傘行く

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

乗るまでもなし大仏へ　日傘さし

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

ハイカラな　日傘と出合ふ　軽井沢

【作者】高澤良一(たかざわ よしかず)

日傘置く　更けて戻りし　玄関に

【作者】波多野爽波

日傘さし　跼み馴れたる　物腰に

【作者】後藤夜半

【補足】「跔み馴れたる」の読み方は「かがみなれたる」です。

日傘また　遠くあらはれ　野の起伏

【作者】桂 信子(かつら のぶこ)

病人に　仕へて古りし　日傘かな

【作者】吉武月二郎(よしたけ つきじろう)

ひらきたる　日傘の陰に　這入りけり

【作者】後藤夜半

昼が夜と　なりし日傘を　持ちつづけ

【作者】波多野爽波

降りしきる　松葉に日傘　かざしけり

【作者】星野立子

　関　連　ペ　ー　ジ　

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