鏡開きとは? 【2024年版】
新しい年を迎えて 10日も過ぎると、お正月気分もかなり抜けてきます。そして、その頃に行なうのが鏡開き(かがみびらき)の行事です。
[2024年の鏡開きは 1月11日(木) です。]
この行事が終わると、お正月も完全に終わりだなという寂しい気分にさせられます。
このページでは、鏡開きの由来や意味などと、蔵開き(くらびらき)について確認していきましょう。
鏡開きとは?
鏡開きは、「松の内」が終わってから行ないます。この松の内とは、門松(かどまつ)、しめ縄、鏡餅などのお正月飾りを飾っておく期間のことをいいます。
そして、鏡開きには年神(としがみ)さまにお供えした「おさがり」として、鏡餅を木づちや手で割り、雑煮(ぞうに)や汁粉(しるこ)にしていただきます。
この鏡開きでしてはいけないことが一つあります。
それは、
鏡餅を割るときに刃物を使ってはいけない
ということです。
というのは、鏡餅には神様が宿っているので、刃物を向けたりしてはいけないからなのです。
神様に感謝しながらいただいて、無病息災(むびょうそくさい)、長寿、家内安全(かないあんぜん)などを祈ります。
もともと鏡開きは、江戸時代の武家社会で「お餅を食べると力持ちになるから」という考えから行なわれていたものです。
鎧(よろい)や兜(かぶと)などの具足(ぐそく=身を守るための装備)に供えた具足餅を、時期がくると下げて食べていました。ここでも、刃物でお餅を切るのは「切腹に通じる」として避けられていました。
女性は鏡台(きょうだい)に鏡餅を供え、これを開くことを「初顔(はつかお)を祝う」といっていました。
また、鏡開きに関連した「鏡割り(かがみわり)」という言葉があります。
結婚式の披露宴やパーティー、竣工式(しゅんこうしき)などで、酒樽(さかだる)の上ぶたを割ることがあります。そのような場合に鏡割りと言われることが多いのですが、「鏡開き」を使うようにしましょう。
これは、「割る」という言葉は縁起が悪いのでおめでたいことのために「開く」と言い換えているのです。結婚式の披露宴では、特に気をつけるようにしたいものです。
関西ではいつ?
一般的には、鏡開きは 1月11日に行なうものとされています。
しかし関西では、1月20日(地域によっては 1月15日)に行なわれます。これには、どのような理由があるのでしょうか。
そもそも、鏡開きは全国的に 1月20日に行なわれていました。武家社会では、「刃柄(はつか)の祝い」と呼ばれていました。刃柄」と「二十日(はつか)」をかけた言葉で、先の「初顔を祝う」も同様です。
後に三代将軍の徳川家光が亡くなると、20日は月命日(つきめいにち)になってしまったので、鏡開きの日付は11日に変わりました。
しかし、この変更が全国的には徹底されなかったため、地域によって 11日、15日、20日という違いがあるのです。
なお、京都では 1月4日に鏡開きが行われますが、このいわれは分かっていません。
鏡餅と橙と串柿
鏡餅(かがみもち)と橙(だいだい)と串柿(くしがき)は、三種の神器(さんしゅのじんぎ、しんき、しんぎ)の見立てとされています。
すなわち
- 鏡餅 …… 鏡(かがみ)
- 橙 …… 勾玉(まがたま)
- 串柿 …… 剣(つるぎ)
になぞらえているのです。
実際に飾る場合は、串柿がなかったり、橙をミカンで代用したりしますが、いただくときに感謝すれば問題はありません。
蔵開きとは?
鏡開きと同じく 1月11日に行なわれるものに、「蔵開き(くらびらき)」があります。
これは、商売をする家などで、新年を迎えて初めて蔵を開いて商売繁盛を祈るものです。こちらも、鏡餅を割って餅雑煮(もちぞうに)などにして食べます。
お酒の好きな人は、酒造の蔵開放が思い浮かぶかもしれませんね。
まとめ
- 鏡開き、もとは江戸時代の武家社会で行われていた行事です。
- 鏡餅を割るときは、刃物を使わないようにしましょう。
- 地域によって、11日、15日、20日と鏡開きの日付に違いがあります。
- 1月11日には、商売繁盛を祈る蔵開きという行事も行われます。
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