都鳥の俳句 20選 -みやこどり-
都鳥(みやこどり)は海岸で群れをつくることが多い鳥で、その名は万葉集(まんようしゅう)や伊勢物語(いせものがたり)にも見出すことができます。
そして、「都鳥」は俳句において冬の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。
このページには、「都鳥」が詠まれた俳句を多く集めました。いかにも冬といった雰囲気に満ちた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。
目次
- 1 都鳥の俳句 30選
- 1.1 大川に ゆかりはひとり 都鳥
- 1.2 くろがねの 橋も幾重や 都鳥
- 1.3 時化来るや 内濠を打つ 都鳥
- 1.4 秋水に 浮べる紙の 都鳥
- 1.5 煤けたる 都鳥とぶ 隅田川
- 1.6 大正で 変りたる世や 都鳥
- 1.7 何もかも 曇つてしまひ 都鳥
- 1.8 橋越へて 水もしたたる 都鳥
- 1.9 富士見ゆる 日和となりぬ 都鳥
- 1.10 都鳥 空は昔の 隅田川
- 1.11 都鳥 高しや朝の 日に向くは
- 1.12 都鳥 飛び交ふ 猫間障子かな
- 1.13 都鳥 とらへし波に 浮びけり
- 1.14 都鳥 とんで一字を 画きけり
- 1.15 都鳥 汝も赤きもの 欲るや
- 1.16 都鳥 二三羽とべる 焚火かな
- 1.17 都鳥 群れ何ごとも 無きごとく
- 1.18 都鳥より白きもの なにもなし
- 1.19 物干に 女出て来て 都鳥
- 1.20 雪の日の 隅田は青し 都鳥
都鳥の俳句 30選
冬の季語である「都鳥」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。
どうぞ、ごゆっくりとご鑑賞ください。
大川に ゆかりはひとり 都鳥
【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)
くろがねの 橋も幾重や 都鳥
【作者】石塚友二(いしづか ともじ)
【補足】「くろがね」とは、金属の鉄(てつ)を意味する言葉です。「幾重」の読み方は「いくえ」です。
時化来るや 内濠を打つ 都鳥
【作者】内田百間(うちだ ひゃっけん)
【補足】時化(しけ)とは、海が荒れることをいいます。「内濠」の読み方は「うちぼり」です。
秋水に 浮べる紙の 都鳥
【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)
【補足】秋水(しゅうすい)とは、秋の頃の清らかに澄んだ水のことをいいます。また、、くもりがなく清らかなものを比喩的に表現するときに用いられる言葉です。
煤けたる 都鳥とぶ 隅田川
【作者】高浜虚子(たかはま きょし)
【補足】「煤けたる」の読み方は「すすけたる」です。
大正で 変りたる世や 都鳥
【作者】京極杞陽(きょうごく きよう)
何もかも 曇つてしまひ 都鳥
【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)
橋越へて 水もしたたる 都鳥
【作者】高澤良一(たかざわ よしかず)
富士見ゆる 日和となりぬ 都鳥
【作者】皆川盤水(みながわ ばんすい)
【補足】日和(ひより)とは、空模様や天気のことです。
都鳥 空は昔の 隅田川
【作者】福田蓼汀(ふくだ りょうてい)
都鳥 高しや朝の 日に向くは
【作者】岸 風三楼(きし ふうさんろう)
都鳥 飛び交ふ 猫間障子かな
【作者】京極杞陽
【補足】「飛び交ふ」の読み方は「とびかう」です。猫間障子(ねこましょうじ)とは、障子の一部に小さな障子がはめ込まれていて、そこが動くようになっているものです。
都鳥 とらへし波に 浮びけり
【作者】中村汀女
都鳥 とんで一字を 画きけり
【作者】高浜虚子
【補足】「画きけり」の読み方は「えがきけり」です。
都鳥 汝も赤きもの 欲るや
【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)
【補足】「汝」の読み方は「なんじ」です。欲る(ほる)とは、ほしいと思う、願い望むことを意味します。
都鳥 二三羽とべる 焚火かな
【作者】清原枴童(きよはら かいどう)
【補足】「焚火」の読み方は「たきび」です。
都鳥 群れ何ごとも 無きごとく
【作者】京極杞陽
都鳥より白きもの なにもなし
【作者】山口青邨
物干に 女出て来て 都鳥
【作者】松本たかし(まつもと たかし)
雪の日の 隅田は青し 都鳥
【作者】正岡子規(まさおか しき)
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