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水鳥の俳句 30選 -みずどり-

水鳥の群れ

冬には、水辺で様々な鳥が生活している様子が観察できます。

そして、「水鳥」は俳句において冬の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。

このページには、「水鳥」が詠まれた俳句を多く集めました。冬らしい雰囲気に満ちた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

水鳥の俳句 30選

冬の季語である「水鳥」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

なお、水鳥(みずどり)とは、水辺で生活する鳥の総称です。

どうぞ、ごゆっくりとご鑑賞下さい。

 

 

かたまつて ゐて水鳥の 隙間かな

【作者】綾部仁喜(あやべ じんき)

 

川涸れて 水鳥さむき あしたかな

【作者】大伴大江丸(おおとものおおえまる)

【補足】「涸れて」の読み方は「れて」です。

 

囀りて たつ水鳥の 水を成し

【作者】加藤郁乎(かとう いくや)

【補足】「囀りて」の読み方は「さえずりて」です。

 

不忍の 水鳥を見る 礼者かな

【作者】岡本癖三酔(おかもと へきさんすい)

【補足】東京都・上野(うえの)にある不忍池(しのばずのいけ)には、今でも多くの水鳥の姿が見られます。

 

たましひも 洗ひ立てなり 水鳥は

【作者】宮坂静生(みやさか しずお)

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橋に立つ 人に水鳥 来りけり

【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)

 

松の雪 落ちて水鳥 揺れかはし

【作者】野村泊月(のむら はくげつ)

 

ミサの鐘 ひびき水鳥 驚かず

【作者】山本歩禅(やまもと ほぜん)

【補足】ミサとは、カトリック教会で行われる教会の儀式です。

 

水鳥と 今日の淡さや 障子越し

【作者】中島月笠(なかじま げつりゅう)

【補足】「障子」の読み方は「しょうじ」です。

 

水鳥に 来て波裏を 反しけり

【作者】平井照敏(ひらい しょうびん)

【補足】波裏(なみうら)とは、波の裏側・内側を意味する言葉です。

川を泳ぐ水鳥

 

水鳥に 西吹く風と なりにけり

【作者】水原秋桜子(みずあら しゅうおうし)

 

水鳥に 人とどまれば 夕日あり

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

 

水鳥に 船にぎはへる 港かな

【作者】高橋淡路女

 

水鳥に 胸おしつけて 舟下ろす

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

 

水鳥の 争ひ摶ちし 羽音かな

【作者】松本たかし(まつもと たかし)

【補足】「争ひ摶ちし」の読み方は「あらそちし」です。

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水鳥の おもたく見えて 浮きにけり

【作者】上島鬼貫(うえじま おにつら)

 

水鳥の 川わかれては 夕日さす

【作者】百合山羽公(ゆりやま うこう)

 

水鳥の 岸より紙を 干しにけり

【作者】野村喜舟(のむら きしゅう)

 

水鳥の 木にをりて明けゆきにけり

【作者】臼田亞浪(うすだ あろう)

 

水鳥の 背の高う成る しぐれかな

【作者】加賀千代女(かがのちよじょ)

【補足】しぐれ(時雨)とは、降ったりやんだりする雨のことをいいます。

 

水鳥の どちへも行ず 暮にけり

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

【補足】「どち」は「どちら、どっち」を意味します。

 

水鳥の 何やらあさる 蘆の中

【作者】寺田寅彦(てらだ とらひこ)

【補足】「蘆」の読み方は「あし」です。

餌を求める水鳥

 

水鳥の 沼が曇りて 吾くもる

【作者】橋本多佳子(はしもと たかこ)

【補足】「吾」の読み方は「われ(=自分の意)」です。

 

水鳥の 二つの列の 行きちがひ

【作者】野村泊月

 

水鳥の 水掻の裏 見せとほる

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

【補足】「水掻」の読み方は「みずかき」です。

 

水鳥の 夜半の羽音も 静まりぬ

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

【補足】夜半(よわ、やはん)とは、「夜、夜中、夜更け」を意味します。

 

水鳥や 城の後ろの 古き沼

【作者】石井露月(いしい ろげつ)

 

水鳥や てうちんひとつ 城を出る

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

【補足】「てうちん」は「ちょうちん(提灯)」のことです。

 

水鳥や 別れ話は 女より

【作者】鈴木真砂女(すずき まさじょ)

 

夜学子の 灯が水鳥の あたりまで

【作者】本宮哲郎(もとみや てつろう)

【補足】夜学子(やがくし)とは、夜学(やがく:夜間に授業を行なう学校、その課程)に行っている生徒のことをいいます。

 

 


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