虎落笛の俳句 50選 -もがりぶえ-

真っ青な冬空と木立

冬になると、強い風が吹きまくって笛の音のように聞こえることがあります。これは「虎落笛(もがりぶえ)」と呼ばれています。

この「虎落笛」は俳句において冬の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。

このページには、「虎落笛」が詠まれた俳句を多く集めました。冬の虎落笛が聞こえてくるような雰囲気に満ちた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

虎落笛の俳句 50選

地面の枯葉

「虎落笛」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

 

 

愛憎や 卓上に吹く 虎落笛

【作者】塚本邦雄(つかもと くにお)

 

ある年の ある夜の記憶 虎落笛

【作者】飯田龍太(いいだ りゅうた)

 

一汁一菜 垣根が奏づ 虎落笛

【作者】中村草田男(なかむら くさたお)

【補足】一汁一菜(いちじゅういっさい)とは、汁(汁もの)一品と菜(惣菜)一品だけの食事、粗末な食事のことをいいます。

 

牛が仔を 生みしゆふべの 虎落笛

【作者】百合山羽公(ゆりやま うこう)

【補足】「仔」の読み方は「こ(=子)」です。

 

オリオンの 出に先んじて 虎落笛

【作者】上田五千石(うえだ ごせんごく)

【補足】オリオン座は、中央に三つ星が並んでいるのを特徴とする星座で、冬の晴れた夜によく見えます。

 

折鶴蘭 鏡にうつり 虎落笛

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

【補足】折鶴蘭(おりづるらん)は、観葉植物として栽培されることが多い植物です。

 

帰り来し 故郷の山河 虎落笛

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

 

かつて師の いまわが胸過ぐ 虎落笛

【作者】楠本憲吉(くすもと けんきち)

 

胸廓の 裡を思へば 虎落笛

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】胸廓(きょうかく)とは、胸をとりまく骨格のことをいいます。「裡」の読み方は「うち(=うち)」です。

 

仰臥して 死後や朝の 虎落笛

【作者】古舘曹人(ふるたち そうじん)

【補足】「仰臥」の読み方は「きょうが(=あおむけに寝ること)」です。

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来ずなりしは 去りゆく友か 虎落笛

【作者】大野林火(おおの りんか)

 

愚痴きいて くれる人欲し 虎落笛

【作者】鈴木真砂女(すずき まさじょ)

【補足】「愚痴」の読み方は「ぐち」です。

 

この齢で 何をおそるゝ 虎落笛

【作者】及川 貞(おいかわ てい)

【補足】「齢」の読み方は「とし(=年、歳)」です。

 

サルトルに 聞かせよ海の 虎落笛

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

【補足】サルトルはフランスの哲学者・小説家・劇作家で、ノーベル文学賞を辞退しています。

 

三千年 先人の声 もがり笛

【作者】百合山羽公

 

葬送の 堂を包みて 虎落笛

【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)

【補足】葬送(そうそう)とは、死者をほうむり見送ることをいいます。

 

立枯れて 芙蓉も鳴るや 虎落笛

【作者】石川桂郎(いしかわ けいろう)

【補足】芙蓉(ふよう)はアオイ科の落葉低木です。また、ハス(蓮)の美称も「芙蓉」です。

 

だんだんに ひと黙りがち 虎落笛

【作者】加藤秋邨(かとう しゅうそん)

 

妻の見舞 怠りし夜の 虎落笛

【作者】能村登四郎(のむら としろう)

【補足】「怠りし」の読み方は「おこたりし」です。

 

徒然に 吹く者あれや 虎落笛

【作者】相生垣瓜人(あいおいがき かじん)

【補足】徒然(つれづれ)とは、退屈・手持ち無沙汰(てもちぶさた)を意味します。

冬の枯れ木

 

訪ひ来しは 待つ人ならず 虎落笛

【作者】鈴木花蓑(すずき はなみの)

【補足】「訪ひ来し」の読み方は「し」です。

 

燈火の 揺れとどまらず 虎落笛

【作者】松本たかし(まつもと たかし)

【補足】「燈火」の読み方は「ともしび」です。

 

泣き寝入るは 遺族のみかは 虎落笛

【作者】香西照雄(こうざい てるお)

 

日輪の 月より白し 虎落笛

【作者】川端茅舎(かわばた ぼうしゃ)

【補足】日輪(にちりん)とは、太陽のことをいいます。これに対し、月は月輪(がちりん、げつりん)と呼ばれます。

 

寝返れば 耳吹く風や 虎落笛

【作者】石塚友二(いしづか ともじ)

 

寝まるほか 用なきひとり 虎落笛

【作者】菖蒲あや(しょうぶ あや)

 

白日の 天地悲しむ 虎落笛

【作者】相馬遷子(そうま せんし)

【補足】白日(はくじつ)とは、くもりのない太陽、または日中(白昼)を意味します。

 

人の死は 誰のあと追ふ 虎落笛

【作者】秋元不死男(あきもと ふじお)

 

紫の 氷かなしや 虎落笛

【作者】川端茅舎

 

虎落笛 あかりが消えし 添乳どき

【作者】百合山羽公

【補足】添乳(そえぢ)とは、乳児のそばに寝て乳を飲ませることです。

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もがり笛 洗ひたてなる 星ばかり

【作者】上田五千石

 

もがり笛 固き夜具とも 思はなく

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

 

もがり笛 荷風文学 うらがなし

【作者】石原八束(いしはら やつか)

【補足】永井荷風(ながい かふう)は明治後期から昭和中期にかけての小説家です。

 

虎落笛 枯菩提樹の ひとり聴く

【作者】百合山羽公

【補足】菩提樹(ぼだいじゅ)は、アオイ科の落葉高木です。

 

虎落笛 吉祥天女 離れざる

【作者】橋本多佳子(はしもと たかこ)

【補足】吉祥天女(きっしょうてんにょ)は仏教における守護神の名前です。

 

虎落笛 胡笳の聲にも 似たらむか

【作者】相生垣瓜人

【補足】胡笳(こか)とは、葦(あし)の葉で作った笛で、中国古代の胡人が吹いたといわれています。

 

虎落笛 子供遊べる 声消えて

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

 

虎落笛 子にも遺らぬ 稿を継ぐ

【作者】石田波郷(いしだ はきょう)

【補足】「遣らぬ」の読み方は「らぬ」です。「稿(こう)を継(つ)ぐ」とは、「文章・原稿を(続けて)書く」の意です。

 

虎落笛 この一管は 父の国

【作者】松山足羽(まつやま あすわ)

【補足】笛の数え方は、「本」「管」「個」です。

 

虎落笛 叫びて海に 出で去れり

【作者】山口誓子

冬の荒れた海

 

虎落笛 絨毯に曳く 折鶴蘭

【作者】阿部みどり女

【補足】「絨毯に曳く」の読み方は「じゅうたんく」です。

 

虎落笛 痛飲のこと 我になし

【作者】相生垣瓜人

【補足】痛飲(つういん)とは、大いに酒を飲むことです。

 

もがりぶえ とぎれとぎれの ものがたり

【作者】山口誓子

 

虎落笛 涙にじみて ゐたりけり

【作者】相馬遷子

 

虎落笛 眠に落ちる 子供かな

【作者】高浜虚子

【補足】「眠」の読み方は「ねむり」です。

 

虎落笛 ねむれぬ病 我にあり

【作者】上村占魚(うえむら せんぎょ)

 

もがり笛 話とぎるる 恐れけり

【作者】中村汀女

 

虎落笛 母大切に 籠りけり

【作者】野村喜舟(のむら きしゅう)

【補足】「籠りけり」の読み方は「こもりけり」です。

 

虎落笛 人の不運に 隙間なし

【作者】内藤吐天(ないとう とてん)

 

虎落笛 ふるへやまざる 壺の花

【作者】阿部みどり女

大理石の床と花瓶

 

 


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