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無月の俳句 50選 -むげつ-

雲に隠れた月

名月の夜に雲が出て月が見えないことがありますが、これを「無月」という言葉で表現します。

また、「無月」は俳句において秋の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。

このページには、「無月」が詠まれた俳句を多く集めました。何とも風流な秋の雰囲気に満ちた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

無月の俳句 50選

雲を照らす月

「無月」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

どうぞ、ごゆっくりとご鑑賞下さい。

 

 

いくたびか 無月の庭に 出でにけり

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

 

一壺酒に 仲秋無月 なるもよし

【作者】西島麦南(にしじま ばくなん)

【補足】一壺酒(いっこしゅ)とは、一壺(ひとつぼ)の酒という意味です。

 

海の底 うねりつづける 無月かな

【作者】桂 信子(かつら のぶこ)

 

枝豆を 喰へば無月の 情あり

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

 

炎々と 燃ゆる無月の 竃かな

【作者】吉武月二郎(よしたけ つきじろう)

【補足】「竈」の読み方は「かまど」です。

 

篝火の 火の粉が高き 無月かな

【作者】松本たかし(まつもと たかし)

【補足】「篝火」の読み方は「かがりび」です。

 

柿一つ 机に置ける 無月かな

【作者】加藤秋邨(かとう しゅうそん)

 

崖下に 釣舟の居る 無月かな

【作者】野村泊月(のむら はくげつ)

 

傘さして 萩に人立つ 無月かな

【作者】西山泊雲(にしやま はくうん)

 

銀屏風 無月ときめて 直しけり

【作者】野村喜舟(にむら きしゅう)

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靴の音 やさしく来たる 無月かな

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

 

雲厚し 無月のあはれ 知れとこそ

【作者】相生垣瓜人(あいおいがき かじん)

 

恒例の 無月と言ひて 月見酒

【作者】百合山羽公(ゆりやま うこう)

 

こころあて 蜘もはづれし 無月かな

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

【補足】「蜘」の読み方は「くも」です。

 

五指をもて 無月の句碑を 読まんとす

【作者】古舘曹人(ふるたち そうじん)

【補足】「五指(ごし)をもて」は「五本の指を使って」という意味です。

 

五六本 無月の傘の 用意あり

【作者】日野草城

 

さはり見る 無月の萩の 眠りゐる

【作者】高木晴子(たかぎ はるこ)

 

重衡を 弾ず無月の 薩摩琵琶

【作者】高澤良一(たかざわ よしかず)

【補足】平重衡(たいらのしげひら)は、平安時代末期の武将・公卿、平清盛(たいらのきよもり)の五男です。薩摩琵琶(さつまびわ)は、盲僧琵琶の系譜をひく音楽の一分野の名称です。

 

浄瑠璃の 声割れてゆく 無月かな

【作者】大野林火(おおの りんか)

【補足】浄瑠璃(じょうるり)は、三味線を伴奏として太夫が 詞章(ししょう=詩歌や文章) を語る音曲・音楽です。

京都の浄瑠璃寺

 

進めゆく 無月の舟の 舳かな

【作者】高野素十(たかの すじゅう)

【補足】「舳」の読み方は「へさき」です。

 

騒然と して顔のある 無月かな

【作者】加藤秋邨

 

その方を 無月あかりと 見てゐたり

【作者】上田五千石(うえだ ごせんごく)

 

たづさふる手のあたゝかき 無月かな

【作者】日野草城

【補足】「たづさふる手」は「取りあった手」という意味です。

 

提灯に 無月の道の やや下り

【作者】高野素十

【補足】「提灯」の読み方は「ちょうちん」です。

 

妻と居る ことの静けき 無月かな

【作者】久米正雄(くめ まさお)

 

手探りに 芋やたら食ふ 無月哉

【作者】尾崎放哉(おざき ほうさい)

 

天神の 崖の下みち 無月かな

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

 

ともし火の 前に雨ふる 無月かな

【作者】阿波野青畝

 

人間の 眼だけ光りて 無月なり

【作者】能村登四郎(のむら としろう)

 

軒行灯 火を入れに来る 無月かな

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

【補足】軒行灯(のきあんどん)とは、軒先に吊るす行灯のことです。

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萩むらの うす霧見ゆる 無月かな

【作者】石原舟月(いしはら しゅうげつ)

 

母ねむり 無月の空の あかるけれ

【作者】桂 信子

 

引越の日の十三夜 無月なり

【作者】角川源義(かどかわ げんよし)

【補足】十三夜(じゅうさんや)とは、旧暦の 13日の夜のことをいいます。

 

笛の音の 美しかりし 無月かな

【作者】高野素十

 

船の波 無月の磯に とゞきけり

【作者】五十嵐播水(いがらし ばんすい)

 

ぶらぶらと 無月の道を あるきけり

【作者】日野草城

 

べうべうと 汐引く川の 無月かな

【作者】飯田龍太(いいだ りゅうた)

 

ペン執つて 仲秋無月 何かせむ

【作者】山口青邨

【補足】「執って」の読み方は「って(=取って)」です。

 

籬垣に 遠き灯のさす 無月かな

【作者】日野草城

【補足】籬垣(ませがき)とは、竹や木などで作った、低くて目の荒い垣です。

 

窓を閉ぢ 帷を垂れて 無月かな

【作者】松本たかし

【補足】(とばり)とは、垂らす幕・布のことをいいます。

簾から射し込む月の光

 

間をおいて 無月の浪の 白きのみ

【作者】富安風生

 

曼珠沙華 無月の客に 踏れけり

【作者】前田普羅(まえだ ふら)

【補足】曼殊沙華(まんじゅしゃげ)は、ヒガンバナの別称です。

 

みごもらぬ 妻よ無月の 供へ物

【作者】松崎鉄之介(まつざき てつのすけ)

 

水こえて くる風しろき 無月かな

【作者】久保田万太郎

 

無月なり うら安しとも 言ふべきか

【作者】相生垣瓜人

【補足】「うら安し」は「心が穏やかだ、平穏だ」という意味です。

 

無月にて 片減り箸が 芋を追ふ

【作者】能村登四郎

 

無月にも あらずさやけき にもあらず

【作者】竹下しづの女(たけした しづのじょ)

【補足】「さやけき」とは、「清い、すがすがしい」という意味です。

 

名月も 十六夜も皆 雨にして

【作者】正岡子規(まさおか しき)

 

楼上の 七八人の 無月かな

【作者】野村喜舟

 

わがまへに 梨も葡萄も 無月かな

【作者】久保田万太郎

 

 


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