夏祭りの俳句 25選 -なつまつり-
「夏祭り」という言葉の響きからは、何か心が浮き立つようなものが感じられます。そして、幼い頃の遠い思い出ともつながっているような気持ちにもなってきます。
このページには、夏祭りついて詠まれた俳句を集めました。忘れていた記憶を思い起こすようなものもあるはずですので、是非ともこれらを鑑賞してみて下さい。
目次
- 1 夏祭りの俳句について
- 2 夏祭りの俳句 25
- 2.1 雨をよぶ 山車を出しけり 夏祭
- 2.2 妹が居の 宰相山も 夏祭り
- 2.3 梶の葉を 御紋山の宮 夏祭
- 2.4 鴨居より 木槍をはづす 夏祭
- 2.5 からくりの 鞭ひしひしと 夏祭
- 2.6 崎の海は 荒びたれども 夏祭
- 2.7 黒ずみし 太陽とあり 夏祭
- 2.8 原色の 土産物屋の 夏祭
- 2.9 杣道を 檜はかくす 夏祭
- 2.10 足袋買ふや 木曾の坂町 夏祭
- 2.11 玉乗の 足に鞭や 夏祭
- 2.12 どぜうやの 大きな猪口や 夏祭
- 2.13 夏祭 髪を洗つて 待ちにけり
- 2.14 夏祭 献燈峠 にて終る
- 2.15 夏祭 その夜ちか星と 月照れり
- 2.16 夏祭 何天王と きこえけり
- 2.17 夏祭 まへや大工の のみ光り
- 2.18 包丁に 研がれしにほひ 夏祭
- 2.19 ほほすけに あか弓あか矢 夏祭
- 2.20 真円き 月と思へば 夏祭
- 2.21 水口の 泥が走りて 夏祭
- 2.22 娘らも 勢子の鉢巻 夏祭
- 2.23 メーデーは 夏祭かと 子の待てる
- 2.24 夜と昼と いづれが故郷 夏祭
- 2.25 綿菓子も 紅もて装ふ 夏祭
夏祭りの俳句について
このページには夏の季語である「夏祭り」が詠み込まれた句を集めて、俳句の文字の五十音順に並べました。
じっくりと鑑賞して、夏祭りの気分を味わってみて下さい。
夏祭りの俳句 25
雨をよぶ 山車を出しけり 夏祭
【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)
【補足】「山車」の読みは「だし」で、祭礼のときに飾り物をして引き出す車のことをいいます。
妹が居の 宰相山も 夏祭り
【作者】山口誓子(やまぐち せいし)
【補足】宰相山(さいしょうやま)は大阪の地名です。
梶の葉を 御紋山の宮 夏祭
【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)
【補足】山を神体とする神社に 2ヶ所の祭場がある場合、山頂や山腹にある方を山の宮(=山宮:やまみや)といいます。
鴨居より 木槍をはづす 夏祭
【作者】長谷川双魚(はせがわ そうぎょ)
【補足】鴨居(かもい)とは、障子(しょうじ)や引き戸を立てるための、上部の溝が付いた横木のことです。
からくりの 鞭ひしひしと 夏祭
【作者】山口誓子
【補足】「鞭」の読みは「むち」です。
崎の海は 荒びたれども 夏祭
【作者】山口誓子
【補足】「崎」の読みは「き」です。
黒ずみし 太陽とあり 夏祭
【作者】高屋窓秋(たかや そうしゅう)
原色の 土産物屋の 夏祭
【作者】桂信子(かつら のぶこ)
【補足】「土産物屋」の読みは「みやげものや」です。
杣道を 檜はかくす 夏祭
【作者】平畑静塔(ひらはた せいとう)
【補足】「杣道」「檜」の読みは、それぞれ「そまみち(=細くて険しい道)」「ひのき」です。
足袋買ふや 木曾の坂町 夏祭
【作者】橋本多佳子(はしもと たかこ)
【補足】「足袋」の読みは「たび」です。
玉乗の 足に鞭や 夏祭
【作者】山口誓子
【補足】玉乗(たまのり)とは、大きな玉の上に乗って、それをころがしながらする芸、またその芸をする人のことをいいます。
どぜうやの 大きな猪口や 夏祭
【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)
【補足】猪口(ちょく、ちょこ)とは、陶磁器製の小さな杯、あるいは小さい皿のことをいいます。
夏祭 髪を洗つて 待ちにけり
【作者】杉田久女(すぎた ひさじょ)
夏祭 献燈峠 にて終る
【作者】平畑静塔
【補足】献燈(けんとう)とは、神仏に燈明(とうみょう)を奉納すること、またその燈明のことです。
夏祭 その夜ちか星と 月照れり
【作者】山口誓子
【補足】ちか星(近星)とは、月の近くに出る星のことで、悪い事が起こる前兆とされることもあります。
夏祭 何天王と きこえけり
【作者】野村喜舟(のむら きしゅう)
【補足】夏祭りの歴史を遡ると、牛頭天王(ごずてんのう)を祀った祇園信仰(ぎおんしんこう)に行き当たります。
夏祭 まへや大工の のみ光り
【作者】百合山羽公(ゆりやま うこう)
【補足】「大工」の読みは「だいく」で、のみ(鑿)は大工道具です。
包丁に 研がれしにほひ 夏祭
【作者】 鷹羽狩行(たかは しゅぎょう)
【補足】「研がれし」の読みは「とがれし」です。
ほほすけに あか弓あか矢 夏祭
【作者】原 石鼎(はら せきてい)
真円き 月と思へば 夏祭
【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)
【補足】「真円き」の読みは「まんまるき」です。
水口の 泥が走りて 夏祭
【作者】綾部仁喜(あやべ じんき)
【補足】水口(みなくち、みずぐち)とは、水を出す口、水を落とす口のことをいいます。
娘らも 勢子の鉢巻 夏祭
【作者】森澄雄(もり すみお)
【補足】勢子(せこ)とは、狩りをする時に声や鳴り物で動物を狩り出す人のことをいいます。
メーデーは 夏祭かと 子の待てる
【作者】山口誓子
【補足】メーデーは 5月1日に開催される祭典です。
夜と昼と いづれが故郷 夏祭
【作者】長谷川双魚
綿菓子も 紅もて装ふ 夏祭
【作者】相馬遷子(そうま せんし)
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