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立冬の俳句 30選 -りっとう-

赤いナナカマドの実に積もった雪

11月の上旬になると、暦などで立冬(りっとう)の文字を目にします。

まだ「冬」と呼ぶには少し早い時期ですが、少しずつ寒さも感じるようになり、冬もそう遠くはないような気がしてきます。

このページには、立冬が詠まれた俳句の中から 30句を選びました。立冬の頃の雰囲気に満ちあふれた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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立冬の俳句 30選

「立冬(りっとう)」「冬来たる」「冬に入る」「冬立つ」などが詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

これらは俳句において冬の季語とされ、「立冬」は「冬来たる」などと同じ意味となります。

また「立冬」は、暦の二十四節気(にじゅうしせっき)の一つです。

【関連ページ】 立冬とは?

 

 

青竹を つみし列車や 今朝の冬

【作者】西山泊雲(にしやま はくうん)

【補足】「今朝の冬」も冬の季語として用いられます。

 

跫音の 冬に入るとは 言ひもせし

【作者】後藤夜半(ごとう やはん)

【補足】「跫音」の読み方は「あしおと(=足音)」です。

 

あらたのし 冬立つ窓の 釜の音

【作者】上島鬼貫(うえじま おにつら)

 

いつ冬に 入りし芒の そよぎかな

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

【補足】「芒」の読み方は「すすき」です。

 

いそがせる 心は別に 冬に入る

【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)

【補足】汀子は、俳人・高浜年尾の二女で、俳人・高浜虚子の孫にあたります。(年尾は虚子の長男)

初冬の青空と枯れ木

 

風ひびき 立冬の不二 痩せて立つ

【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)

【補足】不二(ふじ)は富士山のことです。「痩せて」の読み方は「せて」です。

 

かはり来し 雀の声や 今朝の冬

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

 

菊の香や 月夜ながらに 冬に入る

【作者】正岡子規(まさおか しき)

 

唇の 荒れの久しく 冬来る

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

 

下駄の音 勝気に冬を 迎へけり

【作者】鈴木真砂女(すずき まさごじょ)

【補足】勝気(かちき)とは、他人に負けまいとする気性のことをいいます。

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この池の 浮葉の数や 冬に入る

【作者】高野素十(たかの すじゅう)

 

婚約を して立冬の 鍋料理

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

 

山茶花や 嵯峨西芳寺 冬来れば

【作者】尾崎迷堂(おざき めいどう)

【補足】山茶花(さざんか)は、ツバキ科の常緑樹です。西芳寺(さいほうじ)は、京都の西部にある臨済宗の寺院で、「苔寺(こけでら)」とも呼ばれています。

 

渋柿の 女医の顔や 冬に入る

【作者】佐藤春夫(さとう はるお)

【補足】「女医」の読み方は「じょい」です。

 

女医の君 青猫めづる 冬来る

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

【補足】「めづる(=愛ずる)」は「愛する、かわいがる」ことをいいます。

枯れ木と冬の空

 

死を悼む 立冬前の 雨はげし

【作者】阿部みどり女

【補足】「悼む」の読み方は「いたむ(=人の死を嘆き悲しむこと)」です。

 

賜はりし 長命大事 冬に入る

【作者】阿部みどり女

【補足】「賜はりし」の読み方は「たまわりし(=いただいた)」です。

 

何を待つ 松に冬来る けしきかな

【作者】岸田稚魚(きしだ ちぎょ)

 

櫨は実を 黒々垂らし 冬に入る

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

【補足】(はぜ)は、ウルシ科の落葉高木です。

 

冬来る 平八郎の 鯉の図に

【作者】久保田万太郎

【補足】福田平八郎(ふくだ へいはちろう:1892~1974年)は日本画家です。

池を泳ぐ四匹の鯉

 

冬立つや 背中合せの 宮と寺

【作者】正岡子規

 

冬に入り 手の置きどころ したしけれ

【作者】右城暮石(うじょう くれいし)

 

冬に入る 己れ励ます 割烹着

【作者】鈴木真砂女(すずき まさごじょ)

【補足】割烹着(かっぽうぎ)は、家事や料理をする時に着物などの上につけるものです。

 

冬に入る 暮しさへぎる 白襖

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

【補足】「白襖」の読み方は「しろぶすま」です。

 

冬に入る 子のある家も なき家も

【作者】 飯田龍太(いいだ りゅうた)

雪の中の合掌造りの家

 

冬に入る 空のけんらん 日々ふかく

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

【補足】けんらん(絢爛)とは、目がくらむほどきらびやかで美しいことを表現する言葉です。

 

古妻の 怠る鉄漿や 冬に入る

【作者】吉武月二郎(よしたけ つきじろう)

【補足】「古妻」の読み方は「ふるづま」です。鉄漿(かね)は「おはぐろ(=歯を黒くそめること)」のことで、江戸時代には結婚した女性が用いました。

 

目つむれば 五体ゆるみぬ 立冬後

【作者】阿部みどり女

【補足】五体(ごたい)は「身体の五つの部分」のことですが、転じて「全身」をも意味します。

 

立冬の あとの青空 松葉降る

【作者】阿部みどり女

 

立冬や紺の上衣に紺の闇

【作者】飯田龍太

【補足】「上衣」の読み方は「うわぎ」です。

紺色の布の生地

 

 


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