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卒業の俳句 30選 -惜別-

ピンク色の桜の花と建物の白い壁

私たちは小さい頃から、卒業というものを何度か経験してきています。

今まで親しくしてきた人との別れの寂しさと、これからの新しい出会いに対する期待や不安が入りまじって、何ともいえない複雑な気持ちにさせられるのが卒業ではないでしょうか。

このページには、卒業について詠まれた俳句を集めました。自身の卒業の記憶を呼び起こしてくれるものも必ずあるはずですので、是非ともこれらを鑑賞してみて下さい。

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卒業の俳句について

花模様の和柄

このページには春の季語である「卒業」「卒業式」が詠み込まれた句を集めて(1句のみは、これらを含まず)、俳句の文字の五十音順に並べました。

どうか、じっくりと鑑賞してみて下さい。

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卒業の俳句 30

 

いまそかる 霊の父に 卒業す

【作者】竹下しづの女

【補足】「いまそかる」は「いらっしゃる」の意味で、「霊」の読みは「たましい」です。

 

運命は 笑ひ待ちをり 卒業す

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

 

押し習ふ 卒業式の 太鼓判

【作者】杉田久女(すぎた ひさじょ)

【補足】太鼓判(たいこばん)は、「太鼓のように大きい判子(はんこ)」が語源です。

 

今日は孫 卒業の日よ 何かせん

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

 

靴買うて 卒業の子の 靴磨く

【作者】杉田久女

白い桜の花

 

雲を洩る 日のひとすぢや 卒業す

【作者】大野林火(おおの りんか)

【補足】「洩る」の読みは「もる」です。

 

これよりは 恋や事業や 水温む

【作者】高浜虚子

【補足】「温む」の読みは「ぬるむ」で、「冷たいものがぬるくなる」の意です。この句は、虚子が高商(=高等商業学校:商業・商学に関する戦前の旧制専門学校)の卒業生に送ったものです。

 

末の子の 見上ぐる背丈 卒業す

【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)

 

卒業す 片恋少女 鮮烈に

【作者】加藤楸邨(かとう しゅうそん)

【補足】「片恋」は「片思い」と同義です。

 

卒業の 兄と来てゐる 堤かな

【作者】芝 不器男(しば ふきお)

【補足】不器男は愛媛出身の俳人で、俳句の創作をおこなったのはわずか 4年ほど、26歳でなくなりました。(1903~1930年) 堤(つつみ)は「土手、水を貯めた池」を意味します。

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卒業の 子に電報す よきあした

【作者】杉田久女

 

卒業の 子の行く道は あるがまゝ

【作者】稲畑汀子

 

卒業の 美女より水の 如き礼

【作者】平畑静塔(ひらはた せいとう)

【補足】「如き」の読みは「ごとき」で、「~のような」の意です。

 

卒業の 日の病棟に 在る患者

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

 

卒業の 窓に垂れたり 絲桜

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

【補足】「絲(いと)」は「糸」の旧字体です。

白い糸桜の花

 

卒業の めもとすずしく 泣く娘かな

【作者】西島麦南(にしじま ばくなん)

 

卒業の をさなの答辞 師に添はれ

【作者】皆吉爽雨(みなよし そうう)

 

卒業や 浮世の濤の 音きこゆ

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】「濤」の読みは「なみ」です。

 

卒業や 丘は斜に 櫟立ち

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)  くぬぎ いちい

【補足】「櫟(くぬぎ)」はブナ科の落葉高木で、「橡」「椚」「樟」と表記されることもあります。また、イチイ科の常緑高木である「イチイ」も「櫟」の字が用いられます。

 

卒業や 造花のバラに 蕋を植ゑ

【作者】三橋鷹女(みつはし たかじょ)

【補足】「蕋」の読みは「しべ」で、雄しべ・雌しべの総称です。

ピンク色のバラの花

 

卒業や 畳しづけく 思ほゆる

【作者】山口誓子

【補足】「しづけく」は「静かに、落ち着いているように」の意です。

 

卒業や 流れる花の 花言葉

【作者】平畑静塔

 

卒業や 綿着短き 親はべり

【作者】平畑静塔

【補足】「綿着」の読みは「わたぎ」です。

 

卒業を 祝ふ一人を 忘れゐし

【作者】中村汀女

【補足】「忘れゐし」は「忘れていた」の意と解します。

 

たゞならぬ 世に待たれ居て 卒業す

【作者】竹下しづの女

 

垂れ髪に 雪をちりばめ 卒業す

【作者】西東三鬼(さいとう さんき)

 

ともかくも 卒業したる めでたさよ

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

 

春雪の 解くるが如く 卒業す

【作者】前田普羅(まえだ ふら)

 

人の子の 卒業論文 わが閲す

【作者】山口青邨

【補足】「閲する(けみする)」とは、「調べる、調べて読む」という意味です。

 

頬燃えて 自画像出来ぬ 卒業す

【作者】皆吉爽雨

桜の白い花と緑の葉

 


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