スキーの俳句 30選
スキーは冬のスポーツとして人気があり、シーズンには多くのスキー場で賑わいをみせています。
そして、「スキー」は俳句において冬の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。
このページには、「スキー」が詠まれた俳句を多く集めました。スキーが行われている雪山の雰囲気に満ちた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。
目次
- 1 スキーの俳句 30選
- 1.1 垢じみし スキージャケット着て美男
- 1.2 編みゐるは スキー手袋らしき縞
- 1.3 生きてゐる うちはスキーを 老紳士
- 1.4 急ぎ来る スキーを肩に 顔をあげ
- 1.5 色刷の 草花の絵と スキーかな
- 1.6 硬雪に 焚く炭俵 スキー会
- 1.7 スキー靴 ぬがずにおそき昼餐とる
- 1.8 スキー術 変な呼吸が いゝ呼吸
- 1.9 スキー嬢 蜜柑をむけり 男らに
- 1.10 スキーの子 バスに会釈や 追縋り
- 1.11 スキー穿き この子可愛や 家はどこ
- 1.12 スキー服 赤く男の群に伍す
- 1.13 スキー服 黒き処女は 吾に従く
- 1.14 スキー帽 かぶり糠味噌 かき廻す
- 1.15 スキーヤの その右肩の 聳ゆるや
- 1.16 すべり来る スキー映画に 大映し
- 1.17 積雪に すぐ乗るスキー 倒しけり
- 1.18 雪嶺の 見えしざわめき スキーバス
- 1.19 立てかけて ありし小さな スキーかな
- 1.20 小さき子 スキーの杖に 赤き旗
- 1.21 直立の スキーに手掛け 立ち憩ふ
- 1.22 名にし負ふ 雪の山々 スキー行
- 1.23 日輪に 天の羅網や スキー宿
- 1.24 父母連れて 少年スキー行にあり
- 1.25 星のせて スキーリフトの 返し来る
- 1.26 山々の 夕映のくる スキー場
- 1.27 ゆきずりの スキー仲間の 合言葉
- 1.28 雪やんで ゐたりしスキー小屋につく
- 1.29 湯ぼてりの なほあまねくて スキー見る
- 1.30 をとめ子の スキーころげの 雪つけて
スキーの俳句 30選
「スキー」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。
どうぞ、ごゆっくりとご鑑賞下さい。
垢じみし スキージャケット着て美男
【作者】行方克己(なめかた かつみ)
【補足】「垢じみし」は「垢が染みついて汚れた」という意味です。
編みゐるは スキー手袋らしき縞
【作者】上村占魚(うえむら せんぎょ)
生きてゐる うちはスキーを 老紳士
【作者】京極杞陽(きょうごく きよう)
急ぎ来る スキーを肩に 顔をあげ
【作者】藤後左右(とうご さゆう)
色刷の 草花の絵と スキーかな
【作者】京極杞陽
【補足】色刷(いろずり)とは、2色以上の色を用いて印刷することです。
硬雪に 焚く炭俵 スキー会
【作者】山口誓子(やまぐち せいし)
【補足】硬雪(かたゆき)とは、積もった雪が固まっているもののことです。
スキー靴 ぬがずにおそき昼餐とる
【作者】橋本多佳子(はしもと たかこ)
【補足】昼餐(ひるげ)とは、昼食のことをいいます。
スキー術 変な呼吸が いゝ呼吸
【作者】京極杞陽
スキー嬢 蜜柑をむけり 男らに
【作者】岸風三楼(きし ふうさんろう)
【補足】「蜜柑」の読み方は「みかん」です。
スキーの子 バスに会釈や 追縋り
【読み】すきーのこ ばすにえしゃくや おいすがり
【作者】川端茅舎(かわばた ぼうしゃ)
スキー穿き この子可愛や 家はどこ
【作者】富安風生(とみやす ふうせい)
【補足】「穿き」の読み方は「はき」です。
スキー服 赤く男の群に伍す
【作者】野見山朱鳥(のみやま あすか)
【補足】「伍する」とは、「仲間に入る、肩を並べる」という意味です。
スキー服 黒き処女は 吾に従く
【読み】スキーふく くろきおとめは われにつく
【作者】石川桂郎(いしかわ けいろう)
スキー帽 かぶり糠味噌 かき廻す
【作者】菖蒲あや(しょうぶ あや)
【補足】「糠味噌」の読み方は「ぬかみそ」です。
スキーヤの その右肩の 聳ゆるや
【作者】竹下しづの女(たけした しづのじょ)
【補足】「聳ゆるや」の読み方は「そびゆるや」です。
すべり来る スキー映画に 大映し
【作者】高浜虚子(たかはま きょし)
積雪に すぐ乗るスキー 倒しけり
【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)
雪嶺の 見えしざわめき スキーバス
【作者】行方克己
【補足】雪嶺(せつれい)とは、雪をいただいている山の峰、雪山のことをいいます。
立てかけて ありし小さな スキーかな
【作者】行方克巳
小さき子 スキーの杖に 赤き旗
【作者】高野素十(たかの すじゅう)
直立の スキーに手掛け 立ち憩ふ
【作者】山口誓子
【補足】「立ち憩ふ」の読み方は「たちいこう」です。
名にし負ふ 雪の山々 スキー行
【作者】鈴木花蓑(すずき はなみの)
【補足】「名にし負ふ」とは「名前として持っている」という意味です。
日輪に 天の羅網や スキー宿
【作者】松瀬青々(まつせ せいせい)
【補足】日輪(にちりん)とは、太陽のことです。羅網(らもう)は、極楽浄土にあるという、宝珠をつづり網として装飾としたものです。
父母連れて 少年スキー行にあり
【作者】松村蒼石(まつむら そうせき)
星のせて スキーリフトの 返し来る
【作者】行方克巳
山々の 夕映のくる スキー場
【作者】京極杞陽
【補足】夕映(ゆうばえ)とは、夕日に空が赤く染まること、いわゆる夕焼けのことをいいます。
ゆきずりの スキー仲間の 合言葉
【作者】上村占魚
【補足】「ゆきずり(行き摩り、行き摺り)」とは、「道ですれ違うこと、通りすがり、その場かぎり」という意味です。
雪やんで ゐたりしスキー小屋につく
【作者】波多野爽波(はたの そうは)
湯ぼてりの なほあまねくて スキー見る
【作者】日野草城(ひの そうじょう)
【補足】「湯ぼてり」は「湯による火照り(ほてり)」と解します。
をとめ子の スキーころげの 雪つけて
【作者】上村占魚
【補足】「をとめ子」は、年若い娘・少女を意味します。
関 連 ペ ー ジ