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年の暮れの俳句 50選 -年の瀬- 【有名俳人の名作から厳選】

富士山の夕暮れ

このページには、「年の暮れ」「年暮れ」「年暮るる」「歳晩」「年の瀬」などが詠まれた俳句を集めました。

年の暮れ、年末頃の特有な雰囲気をもった作品ばかりですので、じっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

年の暮の俳句 50選

 

あて人の 年のくれには 死なれける

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】あて人(あてびと)とは、身分の高い人や高貴な人のことをいいます。

 

いさゝかの 金欲しがりぬ 年の暮

【作者】村上鬼城(むらかみ きじょう)

【補足】いささか(些か、聊か)とは、「少し、わずか」を意味します。

 

いづれもの 猫なで声に 年の暮

【作者】服部嵐雪(はっとり らんせつ)

 

うつくしや 年暮れきりし 夜の空

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

 

うらわかき 手のやはらかに 年暮るゝ

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】「うらわかい」とは「若く、ういういしい」という意味です。

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江戸は江戸 京は京にて 年くれぬ

【作者】森川許六(もりかわ きょりく)

 

大雲も 小雲もあゆむ 年のくれ

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

 

お供餅は さすがにまろし 年の暮

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

【補足】「お供餅」の読み方は「おそなえもち」です。「まろし」は「丸い」の意味です。

 

おだやかに 夕づきにけり 歳の暮

【作者】日野草城

【補足】「夕づく」とは、「夕方になる、日暮れに近づく」という意味です。

 

かんざしの 目方はかるや 年の暮

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

【補足】目方(めかた)とは、重さ、重量のことです。

銀色の釵

 

癇癪よ 小言よ金よ 年の暮

【作者】尾崎紅葉(おざき こうよう)

【補足】「癇癪」の読み方は「かんしゃく(=ちょっとした事にも怒りやすい性質、また、その発作のこと)」です。

 

京近く 湖近く 年暮るる

【作者】高野素十(たかの すじゅう)

 

下駄買うて 箪笥の上や 年の暮

【作者】永井荷風(ながい かふう)

【補足】「箪笥」の読み方は「たんす」です。

 

歳晩の 雨のたまりの 小草かな

【作者】永田耕衣(ながた こうい)

【補足】歳晩(さいばん)も、年の暮れ、年末を意味する言葉です。

 

歳晩の 月の明さを 身にまとひ

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

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歳晩の 灯を恋ひありく おないどし

【作者】高浜年尾(たかはま としお)

 

歳晩や 白川女なる 飾売

【作者】日野草城

【補足】白川女(しらかわめ)は、京都で物を売り歩く女性です。

 

寂しくて 道のつながる 年のくれ

【作者】永田耕衣

 

しがらみに かかるもろもろ 年暮るる

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

【補足】「しがらみ(柵)」は「さく、せきとめるもの、まといつくもの」を意味します。

 

すつぽんも ふぐもきらひで 年の暮

【作者】久保田万太郎

卓の上の日本茶

 

だまされて 遊女うらむや 年の暮

【作者】正岡子規

 

ちび墨と 我とありけり 年の暮

【作者】幸田露伴(こうだ ろはん)

 

つき立ての 餅に赤子や 年の暮

【作者】服部嵐雪

 

年の暮 嵯峨の近道 習ひけり

【作者】炭 太祇(たん たいぎ)

 

年の瀬や 旅人さむき 灯をともす

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

 

年の瀬や 続く天気に はげまされ

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

 

年の瀬や もの買う人に 夜の雨

【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)

 

ともかくも あなたまかせの 年の暮

【作者】小林一茶

 

何かしら 遠し遠しと 年暮るる

【作者】富安風生

 

なりにけり なりにけりまで 年の暮

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

鐘楼の鐘と撞木

 

人間の 行く末おもふ 年の暮

【作者】松瀬青々(まつせ せいせい)

 

人間を 笑ふが如し 年の暮

【作者】正岡子規

【補足】「如し」の読み方は「ごとし」です。

 

ぬす人の ぬす人とるや 年の暮

【作者】正岡子規

 

芭蕉去て そののちいまだ 年くれず

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

 

腹の底に 何やらたのし 年の暮

【作者】村上鬼城

 

玻璃窓を 鳥ゆがみゆく 年の暮

【作者】西東三鬼(さいとう さんき)

【補足】玻璃窓(はりまど)とは、ガラス窓のことです。

 

春までが 来て手を取ぬ 年の暮

【作者】桜井梅室(さくらい ばいしつ)

 

ひそかにも 服喪のこころ 年暮れぬ

【作者】飯田蛇笏

【補足】服喪(ふくも)とは、喪に服することです。

 

一ふりの 名刀買ひぬ 年の暮

【作者】正岡子規

 

拾はれて ならぬ句帖や 年の暮

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

海老茶色の俳句手帖

 

人を見て たのしめさても 年の暮

【作者】立花北枝(たちばな ほくし)

 

ふとしたる ことにあはてゝ 年の暮

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

 

またしても 人のおちめや 年の暮

【作者】久保田万太郎

 

見送りし 仕事の山や 年の暮

【作者】高浜虚子

 

乱れ籠 いつよりか失せ 年詰まる

【作者】佐藤鬼房(さとう おにふさ)籠製の乱れ箱

【補足】乱れ籠(みだれかご)とは、衣類や手回り品などを入れる、蓋のない浅い箱のことで、「乱れ箱」ともいいます。

 

眼に残る 親の若さよ 年の暮

【作者】炭 太祇

 

餅の出る 槌がほしさよ 年の暮

【作者】小林一茶

【補足】(つち)とは、物をたたく道具(≒ハンマー)のことです。

 

やかましき 姑健なり 年の暮

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

【補足】「姑」の読み方は「しゅうと、しゅうとめ」です。

 

わがゆまる 音のしづかに 年暮るる

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

 

わけもなき こといさかひつ 年の暮

【作者】高橋淡路女

手水舎の龍の彫刻

 


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