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梅の俳句 70選 -うめ-

ピンク色の梅の花

現代では「春の花」といえば桜が思い浮かびますが、万葉集が編まれた頃まで時代を遡ると、和歌などで「花」といえば梅のことを指していました。

花だけを見ると梅は桜と似ていますし、その可憐さから古くから愛されてきたので、数多くの俳句にも詠み込まれてきました。

このページには、「梅の俳句」としてふさわしいものを集めました。これらは梅の花が咲いているときの光景が目に浮かぶようなものばかりなので、是非ともチェックしてみて下さい。

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目次

梅の俳句について

満開の梅の花

このページには「梅の花」「梅が花」「紅梅、白梅」など、梅について詠まれている俳句を 50句選び、先頭の文字の五十音順に並べました。

なお、「梅」は春の季語です。

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梅の俳句 70選

 

あざやかに 一輪づゝや うめの花

【作者】松岡青蘿(まつおか せいら)

 

梅活くる うしろに人の いつか坐す

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

【補足】「活くる」の読みは「くる(=いけばなをするの意)」です。

 

梅が香に 火のなき火鉢 ならびけり

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

【補足】「梅が香」は「梅香り」の意味です。

 

梅咲いて 母の初七日 いい天気

【作者】川端茅舎(かわばた ぼうしゃ)

 

梅咲くと 思ひゐて午 過ぎにけり

【意味】

【作者】加藤楸邨(かとう しゅうそん)

【補足】「午」の読みは「ひる(=昼)」です。

 

梅咲や せうじに猫の 影法師

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

【補足】「せうじ」は「障子(しょうじ)」のことです。影法師(かげぼうし)とは、物に映っている影のことをいいます。

 

梅咲くや 何が降ても 春ははる

【作者】加賀千代女(かがのちよじょ)

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梅さけど 鶯なけど ひとり哉

【作者】小林一茶

【補足】「哉」の読みは「かな」で、感動や詠嘆を表現します(=~だなあ…の意)。

 

梅白し 暖かき日も 寒き日も

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

 

梅園や 誰もひろはず 捨て扇

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

 

梅の香や おのづから揺る 千羽鶴

【作者】篠田悌二郎(しのだ ていじろう)

 

梅の里 艶めきよぎる 山鴉

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

【補足】「艶(つや)めく」とは、つやつやして見える、光沢が美しく見えることをいいます。「山鴉」の読みは「やまがらす」です。

 

襟足を 吹く風梅を 散らすなり

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

【補足】襟足(えりあし)は、首の部分の髪の生え際のことをいいます。

 

自づから 路梅林と なりにけり

【作者】野村喜舟((のむら きしゅう))

 

おぼろ夜に 梅が香おくる 風ほそし

【作者】杉山杉風(すぎやま さんぷう)

【補足】おぼろ夜(朧夜)とは、ぼんやりとかすんで光が薄い月の夜のことをいいます。

夜の梅の花

 

風やみぬ つぼみもつ梅 もたぬ梅

【作者】久保田万太郎

 

神の梅 我にほころび かけにけり

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

 

枯芝に 坐りて四方の 梅日和

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】四方(よも)は、「まわり、いたる所」という意味です。

 

草を焼く 煙流れて 梅白し

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

 

此村に 一えだ咲きぬ 梅の華

【作者】横井也有(よこい やゆう)

【補足】「此」の読みは「この」です。

 

咲きすぎし 梅たそがるる 白さかな

【作者】久保田万太郎

 

さりげなく 咲きたる梅の さかりかな

【作者】久保田万太郎

 

さるほどに 夜の梅とは なりにけり

【作者】山口青邨

【補足】「さるほどに(然る程に)」とは、「そうこうするうちに、やがて」という意味です。

 

枝垂梅 空へも枝の 殖え伸びて

【作者】鈴木花蓑(すずき はなみの)

 

四方より 道踏よする 野梅哉

【作者】松岡青蘿

 

白梅に 明くる夜ばかりと なりにけり

【作者】与謝蕪村(そさ ぶそん)

 

白梅に 斜めなる日の あたり侘ぶ

【作者】日野草城

【作者】「侘ぶ」とは、しみじみとした情緒を感じることを表現する言葉です。

 

白梅の うす緑して 花盛り

【作者】原 石鼎

 

白梅の さかりの花片 まへるあり

【作者】飯田蛇笏

 

白雲の 竜をつつむや 梅の花

【作者】服部嵐雪(はっとり らんせつ)

 

白梅の りりしき里に 帰りけり

【作者】横光利一(よこみつ りいち)

 

白梅も 淡紅梅も 日々に散り

【作者】原 石鼎

 

白梅や ちるさへ青き 苔のうへ

【作者】立花北枝(たちばな ほくし)

 

白梅や 日光高き ところより

【作者】日野草城

 

白梅や 小桶乾ける 夕まぐれ

【作者】野村喜舟

【補足】夕まぐれとは、夕暮れのことです。

少し暗くなってきた頃の梅の花

 

瀬にくだり 淵に高まり 梅の路

【作者】皆吉爽雨(みなよし そうう)

【補足】「路」の読みは「みち」です。

 

大仏の 境内梅に 遠会釈

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

 

短冊と 伏見の梅を 一荷かな

【作者】黒柳召波(くろやなぎ しょうは)

 

ちかよりて なほこまやかや 梅の花

【作者】原 石鼎

 

散る梅に かざし白衣の 腕なり

【作者】竹下しづの女(たけした しづのじょ)

【補足】「腕」の読みは「かいな」です。

 

散るたびに 老ゆく梅の 木末かな

【作者】与謝蕪村

【補足】木末(こぬれ)とは、こずえ(梢)のことです。

 

月落ちて 仏灯青し 梅の花

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

 

てのひらに うけてもさびし 梅落花

【作者】山口青邨

 

とぼとぼと 日は入切て 梅の花

【作者】杉山杉風

 

富家も まづしき門も うめさきぬ

【作者】加舎白雄(かや しらお)

 

な折そと 折てくれけり 園の梅

【意味】「折らないでくれ」と言いつつも、(自ら)折って与えてくれた。庭園の梅を…

【作者】炭 太祇(たん たいぎ)

 

梨棚を 結ふ里や塚の 梅白し

【作者】河東碧梧桐(かわひがし へきごとう)

白い梅の花と蕾

 

軒下に 昼風呂焚くや 梅の花

【作者】前田普羅(まえだ ふら)

 

梅林に ちらばりて歩を 運びをり

【作者】後藤夜半(ごとう やはん)

 

梅林の 真中ほどと 思ひつつ

【作者】波多野爽波(はたの そうは)

 

梅林の みちいつしかに 急となり

【作者】高浜年尾(たかはま としお)

 

燈ともして 梅はうつむく 花多き

【作者】橋本多佳子(はしもと たかこ)

 

冬の梅 咲やむかしの あたたまり

【作者】加賀千代女

 

古枝に そひて青枝 枝垂梅

【作者】後藤夜半

 

碧玉の 茶碗に梅の 落花かな

【作者】夏目漱石

【補足】碧玉(へきぎょく=ジャスパー)は鉱物で、宝石ともされます。

 

盆梅の しだれし枝の 数へられ

【補足】松本たかし(まつもと たかし)

 

満開の 梅をへだてゝ 遠会釈

【作者】星野立子

【補足】星野立子は、前出の「大仏の 境内梅に 遠会釈」を詠んだ高浜虚子の次女です。

 

三日雨 四日梅咲く 日誌かな

【補足】夏目漱石

 

痩梅の 花ふたつ咲き 二つのみ

【作者】日野草城

【補足】

 

宿の梅 あるじと共に 老いにけり

【作者】高浜虚子

 

山風の 吹きおとろふる 梅月夜

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

 

夕月や うしろに匂ふ 梅の花

【作者】正岡子規(まさおか しき)

 

雪急に 撒き去る雲や 梅白し

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

 

世ににほへ 梅花一枝の みそさざい

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

【補足】みそさざい(鷦鷯)は鳥の一種で、美しい鳴き声に特徴があります。

 

落雁の 都鳥あり 梅の宿

【作者】山口青邨

【補足】落雁(らくがん)は干菓子(ひがし)の一種です。

 

埒もなき 荊が中の 野梅かな

【作者】高井几董(たかい きとう)

 

老梅の 穢き迄に 花多し

【作者】高浜虚子

 

朗々と 山水迅し 谷の梅

【作者】吉武月二郎(よしたけ つきじろう)

【補足】「迅し」の読みは「はやし」です。

紅梅と青空

 

我春も 上々吉よ 梅の花

【作者】小林一茶

 

忘るなよ 藪の中なる むめの花

【作者】松尾芭蕉

 


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