雨水の俳句 -うすい-
暦の立春は過ぎたものの、本格的な春はもう少し先のことかと思わせる 2月の半ばに、二十四節気の一つの「雨水」があります。
この「雨水」は、俳句においては春の季語であり、俳句作品にも詠み込まれています。
このページには、「雨水」が詠み込まれた俳句の中から 10句を集めました。そろそろ春の兆しも感じられようかという頃の雰囲気を、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。
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目次
雨水の俳句 10選
雨水てふ 佳き日ありけり 母微笑
【作者】上野さち子(うえの さちこ)
【補足】「てふ」は「という(=と言う)」の音が変化したものと考えられています。「佳き」の読み方は「よき」です。
雨水とて 申し訳めく 雨ありぬ
【作者】能村登四郎(のむら としろう)
雨水より 啓蟄までの あたたかさ
【作者】後藤夜半(ごとう やはん)
【補足】 雨水の前後を含めて二十四節気(にじゅうしせっき)を並べると、次のようになります。
大寒 | 1月20日ごろ |
立春 | 2月 4日ごろ |
雨水 | 2月19日ごろ |
啓蟄 | 3月6 日ごろ |
春分 | 3月 20日ごろ |
大楠に 諸鳥こぞる 雨水かな
【作者】木村蕪城(きむら ぶじょう)
【補足】「大楠」の読み方は「おおくす(=大きいクスノキの意)」です。諸鳥(もろどり)とは、多くの鳥という意味です。
切株の まだあたらしき 雨水かな
【作者】能村登四郎
こんにゃくの さしみふるふる 雨水かな
【作者】高澤良一(たかざわ よしかず)
残雪は 白点となり 今日雨水
【作者】林 翔(はやし しょう)
鵯の尾の ずぶぬれてとぶ 雨水かな
【作者】原 石鼎(はら せきてい)
【補足】「鵯」の読み方は「ひよ、ひよどり」です。
藻を焼いて 浜の煙れる 雨水かな
【作者】棚山波朗(たなやま はろう)
夕空に 晴れ間の見えし 雨水かな
【作者】今井杏太郎(いまい きょうたろう)
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