渡り鳥の俳句 30選 -わたりどり-

渡り鳥と満月

近頃では、渡り鳥の群を見かける機会はめっきりと減ってしまったように感じられます。

そんな渡り鳥ですが、俳句においては秋の季語であり、多くの俳人たちによって取り上げられ、数多くの作品に詠み込まれてきました。

このページには、渡り鳥が詠まれた俳句を多く集めました。渡り鳥たちがやって来る秋の雰囲気に満ちた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

渡り鳥の俳句 30選

渡り鳥が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

ゆっくりとご鑑賞下さい。

 

家々は 澁つくるなり 渡り鳥

【作者】百合山羽公(ゆりやま うこう)

【補足】澁(しぶ=渋)は「渋がき」の実をしぼって取った液で、防腐剤として使います。

 

大海や 一かたまりの 渡り鳥

【作者】正岡子規(まさおか しき)

 

大風に 傷みし樹々や 渡り鳥

【作者】河東碧梧桐(かわひがし へきごとう)

 

かぎりなり 竿になる手や わたり鳥

【作者】正岡子規

【補足】「竿」の読み方は「さお」です。

 

声張りて 羽数すくなき 渡り鳥

【作者】百合山羽公

【補足】「羽数」の読み方は「はかず」です。

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小島から 岡へ五町の 渡り鳥

【作者】正岡子規

【補足】五町(ごちょう)は約 550メートルほどになります。

 

しづかなり 満月に逢ふ 渡り鳥

【作者】加藤秋邨(かとう しゅうそん)

【補足】「逢ふ」の読み方は「う」です。

 

秋耕の まなじりさびし 渡り鳥

【作者】三橋鷹女(みつはし たかじょ)

【補足】秋耕(しゅうこう)とは、秋の収穫が終わった後に田畑を耕すことです。「まなじり(眦)」とは「めじり(目尻)」のことをいいます。

 

宍道湖や 旅の我等に 渡り鳥

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

【補足】宍道湖(しんじこ)は鳥取県の東北部にある湖で、日本百景に選ばれています。

 

旅人の 馬こはがるや 渡り鳥

【作者】正岡子規

三羽の渡り鳥と青空

 

爲朝の 弭のさきや 渡り鳥

【作者】正岡子規

【補足】源爲朝(みなもとのためとも)は平安時代末期の武将で剛勇な弓の使い手、源頼朝・源義経の叔父にあたる人物です。「弭(ゆはず)」は弓の端の弦をかける部分の名称です。

 

とりつくや 日本の山へ 渡り鳥

【作者】正岡子規

 

波しづか 大うねりして 渡り鳥

【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)

 

稲架かけて 飛騨は隠れぬ 渡り鳥

【作者】前田普羅(まえだ ふら)

 【補足】稲架(はさ)とは、稲などを天日に干すためのものです。

 

一つづゝ 帆柱暮れて 渡り鳥

【作者】正岡子規

【補足】帆柱(ほばしら)は、船の帆を張る柱です。

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穂芒の 暮れてぞひくき 渡り鳥

【作者】水原秋桜子

【補足】穂芒(ほすすき)とは、穂がでている芒のことをいいます。

 

物を干す 白きかひなや 渡り鳥

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】「かいな」とは「腕(うで)」のことです。

 

夕焼けて 女の顔の 渡り鳥

【作者】平井照敏(ひらい しょうびん)

 

夜晴せし 日のきら~や 渡り鳥

【作者】河東碧梧桐

【補足】夜晴(よばれ)とは、夜になって晴れることをいいます。

 

わが見ねど 子とその母に 渡り鳥

【作者】加藤秋邨

曇り空を飛ぶ渡り鳥

 

渡り鳥 砂丘いよいよ 現はれて

【作者】岸田稚魚(きしだ ちぎょ)

 

渡り鳥 空の色めき まだ覚めず

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

【補足】「色めき」とは、「活気づくこと、きれいになること」を意味します。

 

渡り鳥 つめたき昼餉 食せるとき

【作者】大野林火(おおの りんか)

【補足】昼餉(ひるげ)とは昼食のことです。

 

渡り鳥 点と現れ 線と消え

【作者】上田五千石(うえだ ごせんごく)

 

渡り鳥 訥々とうた 継ぐもよし

【作者】原 裕(はら ゆたか)

【補足】「訥々(とつとつ)」とは、すらすらと口から言葉が出ない様子を表現する言葉です。

 

渡り鳥 なりしと思う 水枕

【作者】橋 閒石(はし かんせき)

【補足】水枕(みずまくら)は、ゴムなどでできた、中に氷や水を入れる枕です。

 

渡り鳥 日輪を棄てし 雲のひま

【作者】加藤秋邨

【補足】日輪(にちりん)とは太陽のことで、これに対して月は月輪(がちりん、げつりん)と呼ばれます。

 

渡り鳥 母のめがねの うそさむく

【作者】大野林火

【補足】「うそさむい」は「なんとなく、うすら寒い」の意です。

 

渡り鳥 みるみるわれの 小さくなり

【作者】上田五千石

 

渡り鳥 見んとわらびの 根に休む

【作者】細見綾子(ほそみ あやこ)

【補足】わらび(蕨)はシダ植物の一種で食用とされます。

渡り鳥と雲

 

 


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