善光寺の俳句 25選 -ぜんこうじ-
善光寺の俳句といえば、小林一茶の「春風や 牛に引かれて 善光寺」が思い浮かぶ人も多いことでしょう。
江戸時代の終わり頃には、「一生に一度は善光寺詣り」とも言われるようになったほどで、人々にとって善光寺はあこがれの地でもあったわけです。
このページには、善光寺が詠み込まれた俳句の中から 25句を選びました。善光寺に対する思いが込められた俳句作品を、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。
目次
- 1 善光寺の俳句 25選
- 1.1 暑き夜を 唄で参るや 善光寺
- 1.2 暑き夜を かけて善光寺詣り哉
- 1.3 暑き夜を とう~善光寺詣り哉
- 1.4 暑き夜を どろ ~ 善光寺詣り哉
- 1.5 浴るとも あなたの煤ぞ 善光寺
- 1.6 陽炎や 手に下駄はいて 善光寺
- 1.7 此方が 善光寺とや 蝶のとぶ
- 1.8 西方は 善光寺道の ひがん哉
- 1.9 雀らも おや子連にて 善光寺
- 1.10 千年の 秋の山裾 善光寺
- 1.11 善光寺へ 行て来た顔や 雀の子
- 1.12 善光寺も 直ぐ通りして 帰る雁
- 1.13 善光寺や かけ念仏で 明の春
- 1.14 そば時や 月のしなのの 善光寺
- 1.15 夏旅や 俄か鐘きく 善光寺
- 1.16 なの花に 曇る善光寺平哉
- 1.17 菜の花や 西へむかへば 善光寺
- 1.18 菜の花や 西へ向たる 善光寺
- 1.19 針売も 善光寺みちの 小春かな
- 1.20 春風や 蝶に引かれて 善光寺
- 1.21 一入に 新善光寺ぞ 梅の花
- 1.22 べつたりと 蝶の善光寺平哉
- 1.23 真直に かすみ給ふや 善光寺
- 1.24 山焼や あなたの先が 善光寺
- 1.25 夕月や 御煤の過し 善光寺
善光寺の俳句 25選
俳句の中に「善光寺」が含まれているものを集め、句の文字の五十音順に並べました。
小林一茶の俳句を中心に集めていて、【作者】の記載がないものは一茶の作品です。
暑き夜を 唄で参るや 善光寺
【季語 / 季節】暑き夜 / 夏
暑き夜を かけて善光寺詣り哉
【季語 / 季節】暑き夜 / 夏
暑き夜を とう~善光寺詣り哉
【季語 / 季節】暑き夜 / 夏
暑き夜を どろ ~ 善光寺詣り哉
【季語 / 季節】暑き夜 / 夏
浴るとも あなたの煤ぞ 善光寺
【季語 / 季節】煤(すす) / 冬
陽炎や 手に下駄はいて 善光寺
【季語 / 季節】陽炎(かげろう) / 春
此方が 善光寺とや 蝶のとぶ
【季語 / 季節】蝶 / 春
【補足】「此方」の読み方は「このほう、このかた」です。
西方は 善光寺道の ひがん哉
【季語 / 季節】ひがん(彼岸) / 春
【補足】「西方」の読み方は「さいほう、さいかた」です。また、俳句において単に「彼岸」とした場合は春の季語となり、秋の彼岸を詠むときは「秋」を付けます。
雀らも おや子連にて 善光寺
【季語 / 季節】雀 / 春
千年の 秋の山裾 善光寺
【作者】高浜虚子(たかはま きょし)
【季語 / 季節】秋の山 / 秋
【補足】「山裾」の読み方は「やますそ(=山のふもとの意)」です。
善光寺へ 行て来た顔や 雀の子
【季語 / 季節】雀の子 / 春
善光寺も 直ぐ通りして 帰る雁
【季語 / 季節】帰る雁 / 春
【補足】直ぐ通り(すぐどおり)とは、立ち寄らずにそのまま通り過ぎること(=素通り:すどおり)をいいます。
善光寺や かけ念仏で 明の春
【季語 / 季節】明の春(あけのはる) / 冬(新年)
【補足】かけ念仏(掛け念仏:かけねんぶつ)とは、講(こう:同じ信仰を持つ者の集まり)などで、大勢が掛け声を出してとなえる念仏のことです。
そば時や 月のしなのの 善光寺
【季語 / 季節】そば / 秋
夏旅や 俄か鐘きく 善光寺
【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)
【季語 / 季節】夏旅 / 夏
【補足】「俄か」の読み方は「にわか」です。
なの花に 曇る善光寺平哉
【季語 / 季節】なの花(菜の花) / 春
【補足】善光寺平(ぜんこうじだいら)とは、現在でいう長野盆地(ながのぼんち)のことです。
菜の花や 西へむかへば 善光寺
【季語 / 季節】菜の花 / 春
菜の花や 西へ向たる 善光寺
【季語 / 季節】菜の花 / 春
針売も 善光寺みちの 小春かな
【作者】飯田蛇笏
【季語 / 季節】小春 / 冬
【補足】小春(こはる)とは、旧暦 10月の異名です。
春風や 蝶に引かれて 善光寺
【季語 / 季節】春風 / 春 、蝶 / 春
一入に 新善光寺ぞ 梅の花
【季語 / 季節】梅 / 春
【補足】「一入」の読み方は「ひとしお」です。
べつたりと 蝶の善光寺平哉
【季語 / 季節】蝶 / 春
真直に かすみ給ふや 善光寺
【季語 / 季節】かすみ(霞) / 春
【補足】「真直」の読み方は「まっすぐ」です。
山焼や あなたの先が 善光寺
【季語 / 季節】山焼(やまやき) / 春
【補足】山焼(やまやき)とは、春の初めに山の枯れ木や枯草などを焼くことをいいます。
夕月や 御煤の過し 善光寺
【季語 / 季節】御煤(おすす) / 冬
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