桜の俳句 50選 -桜花-

雲のように見える満開の桜

春といえば桜の花が思い浮かぶほど、現代の日本では桜の存在は大きなものです。

そして、桜は多くの俳人によって、数多くの俳句に詠み込まれてきました。また、桜の品種は数百種あるともいわれるほど多いので、俳句のバリエーションも豊富です。

このページには、「桜の俳句」と呼ぶにふさわしいものを集めました。これらは桜が咲きはじめたとき、盛んに咲いているとき、そして散ってゆくときの光景が目に浮かぶようなものばかりなので、是非ともチェックしてみて下さい。

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目次

桜の俳句について

満開の桜と青空

このページには「初桜」「朝桜」「夕桜」など、桜について詠まれている俳句を 50句選び、先頭の文字の五十音順に並べました。

なお、「桜」は春の季語です。

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桜の俳句 50選

 

朝桜 よし野深しや 夕ざくら

【作者】向井去来(むかい きょらい)

【補足】朝桜(あさざくら)とは、朝に露をおびて咲いている桜のことをいいます。

 

 

あまぐもの まだ退き切らぬ 櫻かな

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

【補足】「退き切らぬ」の読みは「のききらぬ、ひききらぬ」です。「櫻」は「桜」の旧字体です。

 

 

糸桜 こやかへるさの 足もつれ

【意味】糸桜を眺めて、これはまあ(何としたことか)、帰る際に足がもつれる

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

【補足】糸桜(いとざくら)は、枝垂桜(しだれざくら)の別名です。

 

 

打とけて 我にちる也 夕ざくら

【作者】高井几董(たかい きとう)

【補足】「也」の読みは「なり」です。「夕ざくら」は、夕方に眺める桜のことをいいます。

 

 

老桜 人のとよみに 咲き倦める

【意味】老いた桜が、人々の騒がしさに咲きあぐねている

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】老桜(おいざくら)とは、年を経た桜の木のことをいいます。「とよみ(響み)=どよみ」とは、騒がしい状態を表現する言葉です。

 

 

扇にて 酒くむかげや ちる櫻

【意味】扇で酒を汲む仕草を木陰でしていると、(そんな私に)桜が散りかかる

【作者】松尾芭蕉

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遅月の ほのぼのとして 桜かな

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

【補足】遅月(おそづき)とは、月の出が遅いことをいいます。

 

 

徐ろに 眼を移しつつ 初桜

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

【補足】徐に(おもむろに)は、「ゆっくりと」という意味です。

 

 

影は滝 空は花なり 糸桜

【作者】加賀千代女(かがのちよじょ)

 

 

傘をうつ 牡丹桜の 雫かな

【作者】杉田久女(すぎた ひさじょ)

【補足】牡丹桜(ぼたんざくら)は、八重桜(やえざくら)の別名です。「雫」の読みは「しずく」です。

 

 

風に落つ 楊貴妃桜 房のまゝ

【作者】杉田久女

【補足】楊貴妃桜(ようきひざくら)は「サトザクラ」の品種の一つです。

 

 

観音の 大悲の桜 咲きにけり

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】大悲(だいひ)とは、衆生(しゅじょう=生命のあるすべてのもの)の苦を救う仏の大きな慈悲のことをいいます。

清楚な印象の白い桜の花

 

 

けふまでの 日はけふ捨てて 初桜

【作者】加賀千代女

 

 

穀つぶし 櫻の下に くらしけり

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

【補足】穀(ごく)つぶしとは、食べるだけは一人前でも役に立たない人のことをいう言葉です。

 

 

櫻咲く まづ真向の 川風に

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

 

 

さみどりに くれゆく空の 桜かな

【作者】原 石鼎

【補足】さみどり(早緑)とは、若草や若葉のような緑色のことを表現する言葉です。

 

 

死支度 致せ致せと 桜哉

【作者】小林一茶

【補足】死支度(しにじたく)とは、死を迎える準備のことをいいます。「哉」の読みは「かな」です。

 

 

白々と たけて盛りや 初桜

【作者】原 石鼎

【補足】「たけて盛り」は「真っ盛り」の意味です。

 

 

しんとして 露をこぼすや 朝桜

【作者】正岡子規

 

 

酔人の 理屈をかしき 桜かな

【作者】野村喜舟(のむら きしゅう)

【補足】酔人(すいじん)とは、酒に酔った人のことをいいます。

 

 

雪洞は 仰向きさくら 俯向ける

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

【作者】雪洞(ぼんぼり)とは、小型の行燈(あんどん)のことをいいます。

 

 

千社札 貼る楼門の 桜哉

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

【補足】千社札(せんじゃふだ)は、千社参りをした人が記念に社殿に貼る紙の札です。また、楼門(ろうもん)は二階造りになった門のことです。

 

 

旅人の 鼻まだ寒し 初ざくら

【作者】与謝蕪村(そさ ぶそん)

 

 

町内の 鶯来たり 朝櫻

【作者】泉鏡花(いずみ きょうか)

桜の枝にとまる鶯

 

 

ちらちらと 老木桜の ふぶきかな

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

 

 

ちるさくら 落るは花の ゆふべ哉

【作者】与謝蕪村

【補足】ゆふべ(夕)は「夕方」のことを意味します。

 

 

月うらと なりて明るき 桜かな

【作者】原 石鼎

 

 

寺も世を たのむこゝろや 八重桜

【作者】松岡青蘿(まつおか せいら)

 

 

ときをりの 風のつめたき 櫻かな

【作者】久保田万太郎

【補足】二百十日

 

 

土佐日記 懐にあり 散る桜

【作者】高浜虚子

【補足】土佐日記(とさにっき)は、平安時代の歌人・貴族の紀貫之(きのつらゆき)が著した日記文学です。「懐」の読みは「ふところ」です。

 

 

はつきりと 有明残る 桜かな

【作者】山本荷兮(やまもと かけい)

【補足】有明(ありあけ)とは、夜明けの空に残った月のことをいいます。

 

 

初桜 折しもけふは 能日なり

【作者】松尾芭蕉

【補足】「能日」の読みは「よきひ(=良き日の意)」です。

 

 

初ざくら 其きさらぎの 八日かな

【作者】与謝蕪村

【補足】「きさらぎ(如月)」は旧暦 2月の異名です。

 

 

日と空と いづれか溶くる 八重桜

【作者】渡辺水巴(わたなべ すいは)

 

 

人の世の かなしき櫻 しだれけり

【作者】久保田万太郎

 

 

ひとひらの 雲ゆき散れり 八重桜

【作者】三橋鷹女(みつはし たかじょ)

美しいピンク色の桜の花

 

 

二人して ひいて遊べよ 糸桜

【作者】村上鬼城(むらかみ きじょう)

 

 

真先に 見し枝ならん ちる櫻

【意味】(花が咲いたのを)まっ先に見た枝のものだろう、(たった今)散っている桜は…

【作者】内藤丈草(ないとう じょうそう)

 

 

万葉の 池今狭し 桜影

【作者】杉田久女

【補足】桜影(さくらかげ)とは、水面に映った桜のことを表現する言葉です。

 

 

胸うちを 白く埋めて 夕ざくら

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

 

 

八重桜 そちこちの灯に 明るけれ

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

【補足】「そちこち」は「あちこち、あちらこちら」と同義です。

 

 

八重桜 たわゝに咲いて 大月夜

【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)

【補足】「たわわ」は、枝などがたわむほどである様子を表現する言葉です。

 

 

八重桜 日輪すこし あつきかな

【作者】山口誓子

【補足】日輪(にちりん)は、太陽の別名です。これに対し、月の別名は「月輪(がちりん)」です。

 

 

山桜 白きが上の 月夜かな

【作者】臼田亜浪(うすだ あろう)

 

 

山めぐり やめて雨聴く 桜かな

【作者】渡辺水巴

 

 

ゆき暮て 雨もる宿や いとざくら

【作者】与謝蕪村

 

 

ゆふ風の 俄に寒き 桜かな

【作者】原 石鼎

【補足】「俄に」の読みは「にわかに(=急にの意)」です。

 

 

夢で逢ひし 人に逢ひたる 桜かな

【作者】野村喜舟

空と一体になって青く見える桜

 

 

夜桜に 愁の面 あげにけり

【作者】阿部みどり女

【補足】「愁」の読みは「うれい」です。

 

 

吉原の 夜桜なかを 通ひけり

【作者】野村喜舟

 


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