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花冷えの俳句 50選 -はなびえ-

寒さの中で咲く桜の花

春の桜の花が咲く頃に、急にうすら寒くなることがありますが、これを表現するのに「花冷え」という美しい言葉があります。

この「花冷え」は俳句において春の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。

このページには、「花冷え」が詠まれた俳句を多く集めました。まだ春にはなりきっていない頃の雰囲気に満ちた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

花冷えの俳句 50選

ようやく咲き始めた桜の花

「花冷え」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

どうぞ、ごゆっくりとご鑑賞下さい。

 

 

一燈に みな花冷えの 影法師

【作者】大野林火(おおの りんか)

【補足】影法師(かげぼうし)とは、物に映っている人の影のことをいいます。

 

恋もなし 花冷の膚 擁けば

【読み】こいもなし はなびえのはだ いだけば

【作者】小林康治(こばやし こうじ)

 

宿直の 夜は花冷の すさまじき

【作者】波多野爽波(はたの そうは)

 

筋太き 人形の髪 花冷えに

【作者】香西照雄(こうざい てるお)

 

花冷が 入るセーターの 編目より

【作者】高木晴子(たかぎ はるこ)

 

花冷えて 若者の歌 胸に沁む

【作者】相馬遷子(そうま せんし)

【補足】「沁む」の読み方は「む(=しみる)」です。

 

花冷と いふほどでなし 羽織著て

【作者】高浜年尾(たかはま としお)

【補足】「著て」の読み方は「て(=着て)」です。

 

花冷に 小さき火桶の 用意あり

【作者】高浜年尾

【補足】火桶(ひおけ)とは、木で作った丸い火鉢(ひばち)のことです。

 

花冷えに 角籠りたる かたつむり

【作者】宇佐美魚目(うさみ ぎょもく)

 

花冷えの 朝や岩塩 すりつぶす

【作者】西東三鬼(さいとう さんき)

【補足】岩塩(がんえん)とは、陸からとれる塩のことです。

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花冷えの 雨にならんと してなれず

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

 

花冷えの 浮き足だちし 夕日かな

【作者】岸田稚魚(きしだ ちぎょ)

 

花冷えの うつだけの手は うちにけり

【作者】久保田万太郎

 

花冷えの おのづと消えて ゐしたばこ

【作者】大野林火

 

花冷の 顔うちよせし 篝かな

【作者】野村泊月(のむら はくげつ)

【補足】篝(かがり)とは、夜に照明・警護・漁獲などのためにたく火のことです。

 

花冷の 顔ばかりなり 雲の中

【作者】石田波郷(いしだ はきょう)

 

花冷の きびしきときの 袖合せ

【作者】高浜年尾

 

花冷えの してキャラメルの 包紙

【作者】高澤良一(たかざわ よしかず)

 

花冷えの 城の石崖 手で叩く

【作者】西東三鬼

 

花冷えの 素顔に近し 仏の燈

【作者】井上 雪(いのうえ ゆき)

貴船神社の燈籠

 

花冷えの 畳を掃ける 夕心

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

 

花冷の 暖炉乱舞と いふ火なり

【作者】皆吉爽雨(みなよし そうう)

 

花冷の 茶店やいたく 煙らする

【作者】五十嵐播水(いがらし ばんすい)

 

花冷えの 壷が吸い込む 母の息

【作者】桂 信子(かつら のぶこ)

 

花冷の 手足にしびれ 加へたる

【作者】高浜年尾

 

花冷えの 俄かに昏む 日なりけり

【読み】はなびえの にわかにくらむ ひなりけり

【作者】下村ひろし(しもむら ひろし)

 

花冷えの 箸まなかつを むしりけり

【作者】久保田万太郎

【補足】「まなかつを(真魚鰹、真名鰹:マナガツオ)」は海水魚の一種です。

 

花冷の 花のかたまり つつ暮るる

【作者】皆吉爽雨

 

花冷の 簷を雲ゆく 別れかな

【作者】石田波郷

【補足】「簷」の読み方は「ひさし」です。

 

花冷えの 灯の色ともる 胸の上

【作者】千代田葛彦(ちよだ くずひこ)

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花冷の 火鉢にさして 妻が鏝

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

【補足】「鏝」の読み方は「こて」です。

 

花冷えの 昼過ぎて海 ひろくなる

【作者】松村蒼石(まつむら そうせき)

 

花冷の 火を絶やさじと 自愛かな

【作者】福田蓼汀(ふくだ りょうてい)

【補足】自愛(じあい)とは、病気などをしないように自分を大切にすることです。

 

花冷えの マスクをかけて 眉の濃き

【作者】久保田万太郎

 

花冷えの みつばのかくし わさびかな

【作者】久保田万太郎

 

花冷の わが運ばるゝ 電車かな

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

 

花冷や 明日へ急がん こころもなく

【作者】中村草田男(なかむら くさたお)

 

花冷えや 烏賊のさしみの 糸づくり

【作者】鈴木真砂女(すずき まさじょ)

【補足】「烏賊」の読み方は「いか」です。

 

花冷えや 老いても着たき 紺絣

【作者】能村登四郎(のむら としろう)

【補足】紺絣(こんがすり)とは、紺地に白いかすり模様を織り出した織物のことです。

 

花冷や 行厨すみて 酒到る

【作者】亀井糸游(かめい しゆう)

【補足】行厨(こうちゅう)とは、弁当のことです。

盃と片口

 

花冷や 心もとなく 坐りけり

【作者】高木晴子

【補足】「坐りけり」の読み方は「すわりけり」です。

 

花冷えや 障子にをどる 指狐

【作者】河野南畦(こうの なんけい)

【補足】「障子」の読み方は「しょうじ」です。

 

花冷えや 少年にある 泣きぼくろ

【作者】柴田白葉女(しばた はくようじょ)

 

花冷えや 磨り減らしたる 墨の数

【作者】宇佐美魚目

 

花冷えや 卓に肱つき 考へる

【作者】阿部みどり女

【補足】「肱」の読み方は「ひじ(=肘、臂)」です。

 

花冷や 箪笥の底の 男帯

【作者】鈴木真砂女

【補足】「箪笥」の読み方は「たんす」です。

 

花冷や 茄子にトマトに 季節なく

【作者】鈴木真砂女

【補足】「茄子」の読み方は「なす」です。

 

花冷や なだめすかして 京の宿

【作者】永井龍男(ながい たつお)

 

花冷えや 尼僧生活 やや派手に

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

 

花冷えや 一重まぶたの こけしの目

【作者】宇田零雨(うだ れいう)

二つのこけし

 

 


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