初春の俳句 50選 -はつはる-

初春の札がついた注連飾り

年が明けて迎えるお正月は、とても清々しく、私たちを嬉しい気持ちで満たしてくれます。

そのような時期に、よく見聞きするのが「初春」という言葉です。初春は俳句の季語でもあり、数多くの俳句作品に詠み込まれてきました。

このページには、初春が詠まれた俳句の中から 30句を選びました。新年の雰囲気が満ちあふれた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

初春の俳句 50選

「初春」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

現代では、この「初春(はつはる)」は「新年」の意味で使われることが多く、あまり春(はる)のニュアンスはありません。

なお、初春は俳句において新年の季語とされます。

 

行灯の 片つぴらより 明の春

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

【補足】行灯(あんどん:行燈とも表記)は照明器具で、江戸時代に広く普及しました。

 

癒えつつや 新春の土 少し踏む

【作者】森 澄雄(もり すみお)

【補足】「癒えつつ」の読み方は「えつつ」です。

 

いやしくも ねむい面なし 明の春

【作者】 尾崎紅葉(おざき こうよう)

 

うたてしや 火の一つ無く 明の春 

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

【補足】「うたてし」とは「情けない、嘆かわしい、嫌だ」という意味です。

 

老が身の ねぶみをさるる けさの春

【作者】小林一茶

【補足】ねぶみ(値踏み)とは、値段をつけること、評価することをいいます。

日の出と山々

 

大雪の もの静かさや 明の春

【作者】高井几圭(たかい きけい)

 

鬼を山が 笑ひかへすや 明の春

【作者】横井也有(よこい やゆう)

 

刀さす 供もつれたし 今朝の春

【作者】水田正秀(みずた まさひで)

【補足「供」の読み方は「とも(=従者)」です。

 

かづらきの 紙子脱がばや 明の春

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

【補足】紙子(かみこ)とは、紙で作った衣服のことです。

 

枯枝に 初春の雨の 玉円か

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

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象潟も けふは恨まず 花の春

【作者】小林一茶

【補足】象潟(きさかた)は秋田の地名です。松尾芭蕉(まつお ばしょう)が『奥の細道』には「松島は笑ふがごとく、象潟はうらむがごとし」という記述があります。

 

君が代も 我家も無事に 今朝の春

【作者】尾崎紅葉

 

今朝の春 あめつちにみつ 神慮かな

【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)

【補足】「あめつち」は「天と地、全世界」、神慮(しんりょ)は「神のこころ」を意味します。

 

五百段 のほりのほりて 明の春

【作者】椎本才麿(しいのもと さいまろ)

 

四海波 魚のきゝ耳 明の春

【作者】服部嵐雪(はっとり らんせつ)

夜明けの海

 

十徳の うしろに来たり 今朝の春

【作者】松岡青蘿(まつおか せいら)

【補足】十徳(じっとく)は、脇を縫い付けた男性用衣服(羽織に似たもの)の名前です。

 

新春の 御慶はふるき 言葉かな

【作者】西山宗因(にしやま そういん)

【補足】御慶(ぎょけい)とは「お祝い、およろこび」を意味します。

 

新春の 蝶々来たり 雪の上

【作者】渡辺水巴(わたなべ すいは)

 

新春の 人立つ書肆に 今日も来る

【作者】平畑静塔(ひらはた せいとう)

【補足】書肆(しょし)とは、書店、本屋のことです。

 

新春の 碧瑠璃これぞと 見入りけり

【作者】原 石鼎

【補足】「碧瑠璃」の読み方は「へきるり(=青色の瑠璃、また、その色)」で、青く澄んだ空や水のたとえとして使われる言葉です。

澄んだ青空と鳥居

 

新春の 水かがやふや 屏風松

【作者】落合水尾(おちあい すいび)

【補足】「かがやふ」は「きらきら光る、きらめく」という意味です。

 

千金と 宵だにいふを 今朝の春

【作者】井原西鶴(いはら さいかく)

【補足】「宵だに」は「宵だけでも」の意と解します。

 

誰やらが かたちに似たり 今朝の春

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

 

茶の花に なほ初春の 日和かな

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

【補足】日和(ひより)とは、天候、空模様のことをいいます。

 

天寿受け 天職を守る 明の春

【作者】滝 青佳(たき せいか)

【補足】天寿(てんじゅ)とは、天から授かった寿命という意味です。

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何の木か 梢そろへけり 明の春

【作者】渡辺水巴

 

初春と いひていつもの 天の星

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

 

初春の 終点ちかき 駅に降る

【作者】平井照敏(ひらい しょうびん)

 

初春の 手炉の蒔絵の 手にさはり

【作者】後藤夜半(ごとう やはん)

【補足】手炉(しゅろ)とは、手を暖めるための火道具です。蒔絵(まきえ)は、漆器などの表面の文様などをいいます。

 

初春の 二時うつ島の 旅情かな

【作者】川端茅舎(かわばた ぼうしゃ)

島と青空

 

初春の 日ざし見えゐる 遠嶺雪

【作者】河野南畦(こうの なんけい)

【補足】「遠嶺」の読み方は「とうみね」です。

 

はつ春の 細き筧を みちびける

【作者】後藤夜半

【補足】(かけい)とは筧(かけい)とは、水を導くために設ける樋(とい)のことです。

 

初春の 発句よみけり ばくち打

【作者】会津八一(あいづ やいち)

【補足】「発句」の読み方は「ほっく」です。

 

初春の ものの中なる 大炬燵

【作者】原 石鼎

【補足】「大炬燵」の読み方は「おおごたつ」です。

 

初春の 山の地蔵と なられけり

【作者】石田波郷(いしだ はきょう)

 

初春も 月夜となるや 皃の皺

【作者】小林一茶

【補足】「皃」「皺」の読み方は、それぞれ「かお」「しわ」です。

 

初春や 赤装束の 牛童

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】「赤装束」の読み方は「あかしょうぞく」です。牛童(わらわ)とは、牛車(ぎっしゃ)を引く者のことです。

 

初春や 家に譲りの 太刀はかん

【作者】向井去来(むかい きょらい)

【補足】「太刀」の読み方は「たち」です。

 

初春や 思ふ事なき 懐手

【作者】尾崎紅葉

【補足】「懐手」の読み方は「ふところで」です。

 

初春や 風邪三日の 梅開く

【作者】横光利一(よこみつ りいち)

白い梅の花

 

初春や 子が買ひくれし オルゴール

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

 

初春や 島田おもたき タイピスト

【作者】日野草城

【補足】島田とは、島田髷(しまだまげ)の略で、日本髪の一種です。

 

初春や 焦都相を 改めず

【作者】日野草城

【補足】焦都(しょうと)とは、戦争によって焼けてしまった都市を意味します。

 

初春や 人語ゆき交ふ 山の町

【作者】中村苑子(なかむら そのこ)

 

初春や 眼鏡のままに うとうとと

【作者】日野草城

【補足】「眼鏡」の読み方は「めがね」です。

 

初春を 母の喪かむる 夫婦かな

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

【補足】「喪」の読み方は「も」です。

 

人なみに 日数を持や 今朝の春

【作者】加賀千代女(かがのちよじょ)

 

富士こゝに 水巴師こゝに 明の春

【作者】佐野青陽人(さの せいようじん)

【補足】青陽人は、渡辺水巴に師事しました。

 

放擲し去り 放擲し去り 明の春

【作者】高浜虚子

【補足】放擲(ほうてき)とは、投げ捨てることをいいます。

 

ほの~と 鶴を夢みて 明の春

【作者】尾崎紅葉

雪の上を歩く鶴

 


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