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初詣の俳句 50選 -はつもうで-

浅草寺の山門と五重塔

新しい年を迎えて、清々しい気持ちで初詣に出かけるのは、とても楽しいものです。

特に、穏やかに晴れ渡った空の下で神社の鳥居をくぐるときは、何とも言いようのない嬉しさに満たされます。

このページには、初詣が詠まれた俳句の中から 50句を選びました。様々な初詣の情景や、初詣をしたときの特有な心持ちにあふれた俳句ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

初詣の俳句 50選

初詣が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

なお、初詣は俳句において新年の季語とされます。

 

石段の 変らぬ堅さ 初詣で

【作者】桂 信子(かつらのぶこ)

 

頂へ 道の集まる 初詣

【作者】高澤良一(たかはし りょういち)

 

一年の 計まだ立たず 初詣

【作者】桂 信子

 

いつもただ 八幡さまに 初詣

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

【補足】八幡神(はちまんしん、やはたのかみ)を祀る神社は八幡宮「八幡さま」「八幡神社」「八などと呼ばれます。

 

裏山は 松が枝ばかり 初詣

【作者】桂 信子

朱塗りの門と松の枝葉

 

えりあしの ましろき妻と 初詣

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】えりあし(襟足)とは、えりくびの髪の生え際のことをいいます。

 

鎌倉に 馬車あり乗りて 初詣

【作者】松本たかし(まつもと たかし)

 

神の名の 長きは読めず 初詣

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

 

土器に 浸みゆく神酒や 初詣

【作者】高浜年尾(たかはま としお)

【補足】土器(かわらけ)とは、素焼きの陶器のことです。

 

簪の ゆれつゝ下る 初詣

【作者】山口青邨

【補足】「簪」の読み方は「かんざし」です。

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君も我も 明治の生れ 初詣

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

 

氷らざる 岸ありすすぎ 初詣

【作者】皆吉爽雨(みなよし そうう)

 

子を抱いて 石段高し 初詣

【作者】星野立子

 

左右より 松の梢や 初詣

【作者】山口青邨

 

しづかなる ことを願ひぬ 初詣

【作者】山口青邨

木の枝に結ばれたおみくじと参拝する人々

 

しやりしやりと 巫女の鈴鳴り 初詣

【作者】森 澄雄(もり すみお)

【補足】「巫女」の読み方は「みこ」です。

 

新句帳 一句を得たり 初詣

【作者】野村喜舟(のむら きしゅう)

【補足】句帳(くちょう)とは、俳句を書き記すための帳面です。

 

鈴の音に わが幼なき日 初詣

【作者】細見綾子(ほそみ あやこ)

 

種子明かす 手品師も居し 初詣

【作者】竹下しづの女(たけした しづのじょ)

【補足】「種子」の読み方は「たね」です。

 

玉砂利の 奏楽めくや 初詣

【作者】阿波野青畝

【補足】奏楽(そうがく)とは、音楽を演奏すること、また、その音楽のことをいいます。

玉砂利

 

ちりひぢの 旅装かしこし 初詣

【作者】竹下しづの女

【補足】ちりひぢ(塵泥)とは、取るに足りないもののことをいいます。

 

仲見世は あとの楽しみ 初詣

【作者】今井つる女(いまい つるじょ)

【補足】仲見世(なかみせ)は、東京の浅草寺(せんそうじ)の参道です。参道の両側には、約 90軒の店舗が並んでいます。

 

なほ奥へ 金の階段 初詣

【作者】山口青邨

 

にくからぬ 深大寺蕎麦や 初詣

【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)

【補足】深大寺(じんだいじ)は東京・調布(ちょうふ)の寺院で、周辺に伝わる深大寺蕎麦(そば)が名物となっています。

 

日本が ここに集る 初詣

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

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ぬかづきて 我も神の子 初詣

【作者】鈴木花蓑(すずき はなみの)

【補足】「ぬかづく」とは「額(ひたい、ぬか)を地につけて拝む、丁寧に拝む」という意味です。

 

幣をただ 替えて山祇 初詣

【作者】皆吉爽雨

【補足】(ぬさ)とは、神に祈るときに捧げ、祓(はら)いに使う、紙や麻などを切って垂らしたものです。山祇(やまつみ)とは、山の神のことです。

 

願ぎ事は もとより一つ 初詣

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

【補足】願ぎ事(ねぎごと=祈ぎ事)とは「ねがいごと」のことです。

 

初詣 一度もせずに 老いにけり

【作者】山田みづえ(やまだ みづえ)

 

初詣 枝打杉の 道くぐり

【作者】右城暮石(うしろ くれいし)

【補足】枝打(えだうち)とは、下枝や枯れ枝を切って木の手入れをすることをいいます。

赤い鳥居と杉の木

 

初詣 神は藁沓 愛でたまふ

【作者】平畑静塔(ひらはた せいとう)

【補足】藁沓(わらぐつ)とは、藁を編んだ靴のことです。

 

初詣 川流れねば 時止まる

【作者】山口誓子

 

初詣 漣づくし 巌島

【作者】中村草田男(なかむら くさたお)

【補足】「漣」の読み方は「さざなみ」です。

 

初詣 誘ひし人の 皆来たり

【作者】星野立子

 

初詣 誰にともなき 土産物

【作者】鈴木花蓑

【補足】「土産物」の読み方は「みやげもの」です。

 

初詣 小さき宮の 神仏

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

 

初詣 なづなの畦を 踏みゆけり

【作者】谷口ゆり女(たにぐち ゆりじょ)

【補足】「畦」の読み方は「うね」です。

 

初詣 よその母子を なつかしみ

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

 

母として ねぎこと多し 初詣

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

【補足】「ねぎこと」は、前出の「願ぎ事」と同じです。

人波に 何か淋しく 初詣

【作者】高木晴子(たかぎ はるこ)

東京・浅草寺の仲見世

 

人々を 率てちらばりて 初詣

【作者】高浜虚子

 

降りやみし 薄雪惜み 初詣

【作者】後藤夜半(ごとう やはん)

 

御手洗の 杓の柄青し 初詣

【作者】杉田久女(すぎた ひさじょ)

【補足】御手洗(みたらし)とは、神社の入口で参拝者が手・口を洗い清める所のことです。

 

道いつか 平らかになり 初詣

【作者】桂 信子

 

み仏の おん胸ひろき 初詣

【作者】高野素十(たかの すじゅう)

 

恵まれし 寿をかしこみて 初詣

【作者】富安風生

【補足】「寿」の読み方は「じゅ、しゅ」です。

 

藪いでて 又畦をゆく 初詣

【作者】岸 風三楼(きし ふうさんろう)

【補足】「畦」の読み方は「あぜ」です。

 

山寺の 雪やはらかし 初詣

【作者】篠田悌二郎(しのだ ていじろう)

 

山道の 掃いてありたる 初詣

【作者】富安風生

 

夜風添ふ 篝の火の粉 初詣

【作者】富安風生

【補足】「篝」の読み方は「かがり」です。

篝火

 


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