寒の入りとは? 【2024年版】
冬になると、子供の頃に祖母が寒の入りという言葉を使っていたのを思い出します。
「彼岸の入り、明け」という言葉はよく聞いていたので、意味は何となく想像できましたが、「寒」がいつから始まるのかを理解できなかった記憶があります。
2024年の寒の入りは1月 6日ですが、これはどのように決まるのでしょうか。少し詳しくみていくことにしましょう。
寒の入りと小寒、大寒
二十四節気(にじゅうしせっき)に小寒(しょうかん)という日がありますが、この日を寒の入りともいいます。
この二十四節気とは、1年を24等分して季節の名前をつけたもので、中国から伝わってきたものです。
【参考】
それでは、小寒の前後の二十四節気を表にまとめてみましょう。
日付 | 二十四 節気 |
別名 | |
(2023) 12/22 |
冬至 | - | |
(2024) 1/ 6 |
小寒 | 寒の入り | 寒 (寒中) (寒の内) |
1/20 | 大寒 | - | |
2/ 4 | 立春 | 寒の明け |
- 小寒の日を寒の入りといいます
- 立春の日を寒の明けといいます
- 寒の入りから寒の明けまでの約1カ月間を寒(かん)または寒中(かんちゅう)、寒の内といいます
「小寒の氷 大寒に解く」という言葉もあるように、大寒よりもむしろ小寒のほうが寒い冬もあるかもしれません。
いずれにせよ、一年で一番寒さのきびしい時期が「寒(かん)」ということです。
寒、小寒、大寒にまつわること
つぎに、寒や小寒に関係することについて、みていきましょう。
寒中見舞い
寒中見舞いは、文字通り「寒中」の時期に出す、季節のあいさつ状ですね。
これは年賀状の代わりにもなるので、使い勝手がとてもよいものです。
【関連】寒中見舞いはいつ出すもの?
七草粥
七草粥(ななくさがゆ)は 1月7日の人日(じんじつ)の節句(七草の節句ともいいます)に食べられるものです。
春の七草という、万病を除き邪気をはらうとされる野菜・雑草が入ったお粥ですね。
この七草粥を食べて一年間の無病息災を祈る習慣は、今でも多くの家庭でみられます。
ちなみに七草とは、次のものです。
- せり
- なずな
- ごきょう(ははこぐさ)
- はこべら(はこべ)
- ほとけのざ(こおにたびらこ)
- すずな(かぶ)
- すずしろ(だいこん)
寒や小寒とは直接の結びつきはありませんが、寒の入りと時期が同じことから取り上げておきます。
【関連】 七草粥を食べる理由は?
寒四朗
寒四朗(かんしろう)とは、小寒から4日目のことです。
この日の天候が一年の麦の収穫に影響があるとされ、麦作にとっては厄日(やくび)といわれています。
寒九
寒九(かんく)とは、小寒から9日目のことです。
この日に雨が降ると「寒九の雨」と呼ばれ、豊作の吉兆といわれています。
このほかにも豊作を占う日として、彼岸太郎(ひがんたろう=彼岸の1日目)、八専次郎(はっせんじろう=八専から2日目)、土用三郎(どようさぶろう=土用から3日目)などがあります。
寒卵、大寒の卵
寒の時期に生まれた卵を寒卵(かんたまご)といい、とても人気があって好まれています。なかでも、大寒の日に生まれた「大寒の卵」は特別な人気があります。
寒の水
寒の時期に汲まれた水を「寒の水」といい、これも重宝されています。古くから「寒の水は腐らない」といわれてきました
「寒」のつく季語
寒の時期の風物には様々なものがあることから、関連する俳句の季語も数多く生まれています。
例を 2、3挙げると、「寒参り(かんまいり)」、「寒紅(かんべに)」、「寒灸(かん灸)」などがあります。
これらの季語からは、古くから人々がどのように寒と向き合ってきたのかを知ることができます。
【関連】 「寒」の季語と俳句
まとめ
- 二十四節気の小寒の日を寒の入りといいます。
- 寒の明けは立春の日です。
- 寒の入りから寒の明けまでの約1カ月を寒、寒中、寒の内といいます。
- 寒の入りから4日目を寒四朗、9日目を寒九といって、その日の天候によって一年の農作物の収穫を占いました。
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