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栗の俳句 70選 -くり- 【有名俳人の名作から厳選】

熟した栗の実

栗は柿などと同じく、秋らしさを感じさせてくれる果物で、俳句においては秋の季語として多くの作品に詠み込まれてきました。

栗に関する季語は、「毬栗」「焼栗」「栗拾い」などさまざまなバリエーションをみせてくれますし、俳人も好んで俳句に詠み込むようです。

このページには、栗が詠まれた俳句を数多く集めてみました。栗のある秋の光景が目に浮かぶような作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

栗の俳句 70選

青い毬栗

栗が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

 

仰ぐ顔 暗し青栗 宙にある

【作者】西東三鬼(さいとう さんき)

【補足】「宙」は訓読みで「そら」です。

 

青栗の 姿ととのふ 虹の中

【作者】飯田龍太(いいだ りゅうた)

 

秋晴や 栗むきくれる 兄と姉

【作者】杉田久女(すぎた ひさじょ)

 

あばきたる 石室虚栗こぼれ

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

【補足】「虚栗」の読み方は「みなしぐり」です。

 

雨くらき わびしさに栗 茹でてをり

【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)

【補足】「茹でて」の読み方は「でて」です。

 

毬栗に 踏みあやまちそ 老の坂

【作者】黒柳召波(くろやなぎ しょうは)

【補足】「毬栗」の読み方は「いがぐり」です。

 

いが栗に 手のひら触れて 月の前

【作者】加藤秋邨(かとう しゅうそん)

 

いが栗の はぢける音や けふの月

【作者】正岡子規(まさおか しき)

 

いがながら 栗くれる人の 誠哉

【作者】正岡子規

【補足】「哉(かな)」は詠嘆の意を表します。

 

絵所を 栗焼く人に 尋ねけり

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

【補足】繪所(えどころ)とは、絵画をつかさどった役所のことです。

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えにしかな 夫に栗むく 六十年

【作者】及川 貞(おいかわ てい)

【補足】「えにし(縁)」とは、「えん、つながり」のことです。

 

大風の 落葉にまじり 栗礫

【作者】福田蓼汀(ふくだ りょうてい)

【補足】「栗礫」の読み方は「くりつぶて」です。

 

大年や 栗ぜんざいの 箸短か

【作者】鈴木真砂女(すずき まさじょ)

【補足】大年(おおどし、おおとし)とは、大晦日(おおみそか)のことです。

 

風の子は 山かけめぐる 風の栗

【作者】臼田亜浪(うすだ あろう)

 

川べりに 暮れて通りぬ 栗林

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

 

切株の 上いが栗の 二つ三つ

【作者】高野素十(たかの すじゅう)

 

栗うまし 剥いて貰ひて ひとつづつ

【作者】篠田悌二郎(しのだ ていじろう)

【補足】「剥いて貰ひて」の読み方は「いてもらいて」です。

 

栗落つる 枕も青き 月夜哉

【作者】会津八一(あいづ やいち)

 

栗落とす 女を見つつ 湯浴みをり

【作者】石田波郷(いしだ はきょう)

【補足】湯浴み(ゆあみ)とは、入浴のことです。

 

栗すでに 実りて遠き 空のいろ

【作者】飯田龍太(いいだ りゅうた)

熟した栗と青空

 

栗の皮 むく小刀の 鈍りたる

【作者】細見綾子(ほそみ あやこ)

【補足】「鈍り」の読み方は「にぶり、なまり」です。

 

栗拾ひ 谷川の音を 進みけり

【作者】尾崎迷堂(おざき めいどう)

 

栗拾ひ ねんねんころり 云ひながら

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

 

栗拾ふ 先へ先へと 眼を遣りて

【作者】右城暮石(うしろ ぼせき)

【補足】「遣りて」の読み方は「りて」です。

 

栗拾ふ ものの光の 見ゆるとき

【作者】平畑静塔(ひらはた せいとう)

 

栗実る ころの夜気かな 古襖

【作者】飯田龍太

【補足】「古襖」の読み方は「ふるぶすま」で、冬の季語です。

 

栗むいて かなしき話 女たち

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

 

栗むくや たのしみ寝ねし 子らの明日

【作者】杉田久女(すぎた ひさじょ)

【補足】「寝ねし」の読み方は「ねし」です。

 

栗飯に 突きさす杓文字 厳島

【作者】 阿波野青畝(あわの せいほ)

【補足】「杓文字」の読み方は「しゃもじ」です。厳島(いつくしま)は広島県廿日市市にある島で、「安芸(あき)の宮島(みやじま)」ともいいます。

 

栗飯の 釜吹きこぼし 禍福なし

【作者】鈴木真砂女

【補足】禍福(かふく)とは、「わざわい」と「しあわせ」のことです。

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栗飯の もりあがる黄を ほぐし食ふ

【作者】大野林火(おおの りんか)

 

栗も食べ 松茸も食べ ありがたし

【作者】山口青邨

【補足】「松茸」の読み方は「まつたけ」です。

 

栗焼く香 家暗かりし 夜を思ふ

【作者】飯田龍太

 

栗焼くや まこと淋しき 山住ひ

【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)

 

栗焼けば 寝そびれあそぶ 末子かな

【作者】水原秋桜子

【補足】「末子」の読み方は「ばっし、まっし」です。

 

栗山に あれば落日 慌し

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

【補足】「慌し」の読み方は「あわただし」です。

 

栗を焼く ある夜の雨の つれ~に

【作者】寺田寅彦(てらだ とらひこ)

 

くろかみを 束ねておもし 栗拾ひ

【作者】永田耕衣(ながた こうい)

 

光陰を 継ぐぽつねんと 虚栗

【作者】秋元不死男(あきもと ふじお)

【補足】光陰(こういん)とは、「とき、月日」を意味します。

 

心から 栗に味ある 節句かな

【作者】上島鬼貫(うえじま おにつら)

【補足】「節句」の読み方は「せっく」です。

収穫した栗

 

子等起きよ 栗山けふも 上天気

【作者】福田蓼汀

 

ささ栗の 柴に刈らるる 小春かな

【作者】上島鬼貫

【補足】小春(こはる)は、旧暦 10月の異称です。

 

さゝやかな 鉱山あるや 栗拾ひ

【作者】河東碧梧桐(かわひがし へきごとう)

 

神妙に 栗をむくなり 剥きにくき

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

 

旅にして 焼栗買ひぬ 紅葉狩

【作者】高橋淡路女

【補足】紅葉狩(もみじがり)とは、山野に紅葉を訪ねて鑑賞し、楽しむことをいいます。

 

小さなる 栗乾しにけり 山の宿

【作者】村上鬼城(むらかみ きじょう)

 

月の夜の 落栗拾ひ 尽しけり

【作者】芥川龍之介(あくたがわ りゅうのすけ)

 

てのひらに 柴栗妻が のこしけり

【作者】石田波郷

【補足】柴栗(しばぐり)は山野に自生するもので、山栗(やまぐり)とも呼ばれます。

 

どや~と 風の朝の 栗拾ひ

【作者】尾崎紅葉(おざき こうよう)

 

日輪に 青栗の虫 老いにけり

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

【補足】日輪(にちりん)とは、太陽のことです。これに対して、月は「月輪(がちりん、げつりん)」といいます。

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母が煮る 栗あまかりし 十三夜

【作者】能村登四郎(のむら としろう)

【補足】十三夜(じゅうさんや)とは旧暦の 9月13日の夜のことで、十五夜(じゅうごや=旧暦 8月15日)に対するものです。

 

ひしひしと 毬栗をしぬ 施餓鬼棚

【作者】前田普羅(まえだ ふら)

【補足】施餓鬼棚(せがきだな)とは、お供えをするための棚です。

 

ひとつひとつ 栗むいてやりし 子は遠し

【作者】及川 貞

 

独り居て 淋しく栗を むく日かな

【作者】杉田久女

 

拾ひたる 日向の栗の あたゝかし

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

【補足】「日向」の読み方は「ひなた」です。

 

ふたたびは 来ることもなき 栗の路

【作者】後藤夜半(ごとう やはん)

【補足】「路」の読み方は「みち」です。

 

ほつほつと 楽しみむくや 栗の秋

【作者】杉田久女

 

窓にゐて 少しもらひぬ 拾ひ栗

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

 

虚栗 ふめばこころに 古俳諧

【作者】富安風生

【補足】古俳諧(こはいかい)とは、一般に蕉以前の貞門・談林の俳諧をいいます。

 

都より 疲れもどりて 栗を焼く

【作者】水原秋桜子

焼いた栗

 

もてなしや ランプの下に 栗むきて

【作者】星野立子

 

燒栗の はねて驚く 一人かな

【作者】正岡子規

 

焼栗も 客も飛び行く 夜寒かな

【作者】内藤丈草(ないとう じょうそう)

【補足】「夜寒」の読み方は「よさむ」で、秋の季語です。

 

厄男 天津栗を 咬みにけり

【作者】阿波野青畝

【補足】「咬み」の読み方は「み」です。

 

山栗の 落つる後より 露の降る

【作者】松本たかし(まつもと たかし)

 

山びこの ひとりをさそふ 栗拾ひ

【作者】飯田蛇笏

 

茹栗の 湯気に遊べる 仏かな

【作者】原 石鼎(はら せきてい)

【補足】「茹栗」「湯気」の読み方は、それぞれ「ゆでぐり」「ゆげ」です。

 

ゆで栗や 小さな帯を して立居

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

【補足】立居(たちい)とは、立ったり座ったりすることをいいます。

 

羊羹や 金象嵌の 栗ふたつ

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】「羊羹」の読み方は「ようかん」です。金象嵌(きんぞうがん)とは、別の素材に金をはめ込むこと、または、そのはめ込んだものをいいます。

 

料足に 栗まいらする 忌日哉

【作者】黒柳召波

【補足】料足(りょうそく)とは、銭(ぜに)の異称で、費用や代価を意味します。「忌日」の読み方は「きにち(=命日:めいにち)」です。

 

 


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