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梨の俳句 50選 -なし-

日を浴びる梨の実

爽やかでみずみずしい梨の味は、私たちにとって秋の味覚として馴染み深いものです。

この梨は、俳句の季語として多くの作品に詠み込まれてもきました。

このページには、梨が詠み込まれた俳句を数多く集めました。梨のある秋の風景が目に浮かぶような俳句作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

梨の俳句 50選

梨畑の梨の実

俳句において、単に「梨」とした場合は秋の季語となります。

なお、「梨の花」「梨咲く」はいずれも春の季語です。

 

 

十六夜や 追炊やめて 梨の味

【作者】渡辺水巴(わたなべ すいは)

【補足】十六夜(いざよい)とは、旧暦 十六日の夜、また、その夜の月のことです。

 

老の口 とざして堰きて 梨を食ふ

【作者】皆吉爽雨(みなよし そうう)

【補足】「堰きて」の読み方は「きて」です。

 

大きなる 梨を包みし 袱紗哉

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】袱紗(ふくさ)とは、絹布を風呂敷(ふろしき)より小さい方形に作ったもので、進物にかけたり、風呂敷のような使い方をします。

 

噛りては 眺めて見ては 梨噛る

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

【補足】「齧る」の読み方は「かじる」です。

 

ザボンより 大きな梨を もらひけり

【作者】正岡子規

【補足】ザボン(朱欒)はアジア南部原産の果樹で、みかん類では最も大きな実をつけます。

 

燭の焔の 細り太りや 梨を食む

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

【補足】燭(しょく)とは、「照明用にともす火、あかり」のことです。「焔」の読みは「ひ」です。

 

十程の 梨さへ売りて 貧しけれ

【作者】加藤秋邨(かとう しゅうそん)

 

心経を 書き到来の 梨を食ひ

【作者】佐藤鬼房(さとう おにふさ)

【補足】心経(しんぎょう)は、「般若心経(はんにゃしんぎょう):経典の名称」を略したものです。

 

せみ啼や 梨にかぶせる 紙袋

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

【補足】「啼」の読み方は「なく」です。

 

先人は 梨をと 定めけり

【作者】相生垣瓜人(あいおいがき かじん)

【補足】快果(かいか)は、梨の別名です。

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僧は留守 梨の鼎座に 時計刻む

【作者】中村草田男(なかむら くさたお)

【補足】鼎座(ていざ)とは、鼎(かなえ=古代の中国で使われていた、三本足の鉄製の釜)の足のように三者が互いに相対して座ることをいいます。

 

月の梨 二つといふも めでたさよ

【作者】高野素十(たかの すじゅう)

 

どこまでも 話反れつつ 梨甘し

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

【補足】「反れつつ」の読み方は「れつつ」です。

 

供するは 梨を尋ん 寒の中

【作者】服部嵐雪(はっとり らんせつ)

 

ともに居て 梨剥けば足る 恋ごゝろ

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】「剥けば」の読み方は「けば」です。

 

梨青し 我屋に廂 なかりけり

【作者】村山故郷(むらやま こきょう)

【補足】「廂」の読み方は「ひさし」です。

 

梨売の 荷おろしあるは 我家かな

【作者】水原秋桜子(みずはら しゅおうし)

 

梨かじる 風の筋なる 路傍の石

【作者】細見綾子(ほそみ あやこ)

【補足】路傍(ろぼう)とは、道端(みちばた)のことです。

 

梨きりし 鋏のそばに 盆の笛

【作者】百合山羽公(ゆりやま うこう)

【補足】「鋏」の読み方は「はさみ」です。

 

梨くふて 暫く憩ふ 茶店哉

【作者】正岡子規

【補足】「暫く」「憩ふ」の読み方は、それぞれ「しばらく」「いこう(=休息する)」です。句末の「哉(かな)」は詠嘆を表します。

昔ながらの茶店

 

梨取れば 寺院案ずる 素振也

【作者】永田耕衣(ながた こうい)

【補足】「素振」の読み方は「そぶり」です。

 

梨なんぞ 剥いて無聊の 手を濡らす

【作者】高澤良一(たかざわ よしかず)

【補足】無聊(ぶりょう)とは、「退屈」の意です。

 

梨の味 別るゝ人に 淡きかな

【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)

 

梨の皮 する~剥けて 幸福に

【作者】高野素十

 

梨の皮 垂れゐて子規忌 過ぎにけり

【作者】石田波郷(いしだ はきょう)

【補足】正岡子規(まさおか しき)の忌日( 9月19日)は、「子規忌(しきき)」「糸瓜忌(へちまき)」「獺祭忌(だっさいき)」といわれます。

 

梨の汁 煙草に荒れし 咽喉通る

【作者】右城暮石(うしろ ぼせき)

【補足】「煙草」「咽喉」の読み方は、それぞれ「たばこ」「のど」です。

 

梨の芯 黒きを残す ひるの留守

【作者】横光利一(よこみつ りいち)

 

梨子の葉に 鼠の渡る そよぎかな

【作者】斯波園女(しば そのめ)

【補足】「そよぎ」とは、わずかに揺れ動くことをいいます。

 

梨の身の 滲む白さや 後頼む

【作者】永田耕衣

【補足】「滲む」の読み方は「にじむ」です。

 

梨むいて すゞろ更けゆく 三人かな

【作者】原 月舟(はら げっしゅう)

【補足】「すずろ」とは、漫然とした様子を表現する言葉です。

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梨剥いて やりながら 子に何いへる

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

 

梨むくや 甘き雫の 刃を垂るゝ

【作者】正岡子規

【補足】「雫」の読み方は「しずく」です。

 

梨剥くや 筧の音に 語り草

【作者】野村喜舟(のむら きしゅう)

【補足】筧(かけい)とは、水を通じさせる樋(とい)のことです。

 

梨剥くや ひとの夫と ひとの妻

【作者】野村喜舟

 

梨むくや 故郷をあとに 舟くだる

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

 

梨もいづ 卓布に瓦斯の 青映えて

【作者】種田山頭火(たねだ さんとうか)

【補足】卓布(たくふ)は、いわゆるテーブルクロスのことをいいます。「瓦斯」の読み方は「ガス」です。

 

梨を食ふ 刃物くりやへ しまへかし

【作者】亀井糸游(かめい しゆう)

【補足】くりや(厨)とは、台所のことです。

 

梨を喰み 雨夜の話題 遠き人へ

【作者】大野林火(おおの りんか)

【補足】「喰み」の読み方は「み」です。

 

梨をむく 音のさびしく 霧降れり

【作者】日野草城

 

梨をむく とき忘れゐし 指の怪我

【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)

【補足】「怪我」の読み方は「けが」です。

丸ごとの梨と半分に切った梨

 

野分一過 手にしたたらす 梨の汁

【作者】細見綾子

【補足】野分(のわき、のわけ)とは、秋に吹く強く荒れる風、特に台風のことです。

 

八月尽 昔に似たる 梨の疵

【作者】百合山羽公

【補足】八月尽(はちがつじん)とは、8月31のことをいいます。「疵」の読み方は「きず」です。

 

玻璃皿の 梨蒼くなり 瓦斯ともる

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

【補足】玻璃(はり)はガラスのことです。

 

旱して 梨くさり落つ 畠哉

【作者】正岡子規

【補足】「旱」の読み方は「ひでり(=日照り)」です。

 

晝淋し 梨をかぢつて 句を案ず

【作者】正岡子規

【補足】「晝」は「昼」の旧字体です。

 

二人して 食ふには大き 梨折半

【作者】高澤良一

【補足】折半(せっぱん)とは、半分に分けること、二等分することです。

 

仏へと 梨十許り もらひけり

【作者】正岡子規

【補足】「許り」の読み方は「ばかり」です。

 

やさしさよ 梨子なんど剥く 手元さへ

【作者】尾崎紅葉(おざき こうよう)

 

ゆふぎりに ぬれたる梨を 剥くナイフ

【作者】久保田万太郎

 

洋梨は うまし芯まで ありがたう

【作者】加藤秋邨

洋梨の実

 

 


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