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京都の俳句 50選 -きょうと-

京都・永観堂の紅葉

長きにわたって「古都」といわれてきたように、京都には歴史があり、とても風情に満ちた地です。そして、京都の情景については数多くの俳句が詠まれてきました。

このページには、京都の俳句といえるようなものを集めました。これらはいずれも魅力にあふれた素晴らしい作品ばかりなので、是非ともチェックしてみて下さい。

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目次

京都の俳句について

東寺

嵯峨、大原、宇治、東山、清水、伏見、嵐山、知恩院、寂光院、仁和寺、金閣寺、銀閣寺、清水寺など京都の地名や寺院が詠み込まれているものを 50句を選び、俳句の先頭の文字の五十音順に並べました。これらは春、夏、秋、冬の京都の情景を鮮やかに表わしているので、その素晴らしさを是非とも味わってみて下さい。

また、京都の和歌と短歌については、以下のページをご覧になって下さい。

⇒ 京都の和歌 20選

⇒ 京都の短歌 30選

 

京都の俳句

まずは、嵯峨、大原、宇治、東山、清水、伏見、嵐山、知恩院、寂光院、仁和寺などの地名が詠み込まれた俳句からみていきましょう。

 

烏帽子着た 人も見ゆるや 嵯峨の花

【季語】花-春

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】烏帽子(えぼし)とは、日本の伝統的な帽子で男性用のものです。

 

 

大原や 黒木の中の 梅の花

【季語】梅-春

【作者】正岡子規

 

 

大原や しづかに曇る 花とわれ

【季語】花-春

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

 

 

大原や 蝶の出て舞ふ 朧月

【季語】朧月-春

【作者】内藤丈草(ないとう じょうそう)

【補足】「朧月」の読み方は「おぼろづき」です。

 

 

おぼろ月 宇治の山辺を 行ひとり

【季語】おぼろ月-春

【作者】加藤暁台(かとう きょうたい)

【補足】暁台は江戸時代中期の俳人で、蕉風(しょうふう=松尾芭蕉らが信奉した俳風)の復興を目指して活動しました。

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顔出せば 鞍馬の闇よ 秋の宿

【季語】秋の宿-秋

【作者】大野林火(おおの りんか)

 

 

陽炎の 中やゆらつく 東山

【季語】陽炎-春

【作者】森川許六(もりかわ きょりく)

【補足】許六は江戸時代前期~中期の俳人で、蕉門十哲の一人です。

 

 

鞍馬路の 野菊みぞそば きりもなや 

【季語】野菊-秋

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

 

 

清水の 上から出たり 春の月

【季語】春の月

【作者】森川許六

 

 

清水の 阪のぼり行く 日傘哉

【季語】日傘-夏

【作者】正岡子規

京都 清水寺

 

 

嵯峨までは 見事あゆみぬ 花盛

【季語】花盛-春

【作者】山本荷兮(やまもと かけい)

 

 

静かさや 師走の奥の 知恩院

【季語】師走(しわす)-冬

【作者】正岡子規

 

 

寂光院 みあかしつきぬ 秋の暮

【季語】秋の暮-秋

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

 

 

白川の 秋の暮なる 瀬音かな

【季語】秋の暮

【作者】日野草城

 

 

白河や 若きもかゞむ 初月夜

【季語】初月(はつづき)-秋

【作者】山口素堂(やまぐち そどう)

【補足】素堂は江戸時代前期の俳人で、「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」の句が有名です。

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涼しさや 見世より裏を 東山

【季語】涼し-夏

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

【補足】蕪村は江戸時代中期の俳人で、松尾芭蕉に憧れていて、その足跡を辿って東北地方を旅しました。

 

 

すずしさを 絵にうつしけり 嵯峨の竹

【季語】すずし-夏

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

【補足】芭蕉は江戸時代前期の俳人で、前出の蕉風と呼ばれる句風を確立し、後世では俳聖といわれています。

 

 

旅ここに 寂光院は 春の寂び

【季語】春

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

 

 

月見せん 伏見の城の 捨郭

【季語】月見-秋

【作者】向井去来(むかい きょらい)

 

 

照り返す 伏見のかたや 桃の花

【季語】桃の花-春

【作者】炭太祇(たん たいぎ)

【補足】太祇は江戸時代中期の俳人で、与謝蕪村と交流があったといわれています。

京都 伏見神社

 

 

流るゝか 雲に柳の あらし山

【季語】柳-春

【作者】岩田涼菟(いわた りょうと)

【補足】涼菟は江戸時代中期の俳人です。蕉門に入り、後には「伊勢派」と呼ばれました。

 

 

苗代や 鞍馬の櫻 ちりにけり

【季語】苗代(なわしろ)-春

【作者】与謝蕪村

 

 

仁和寺や あしもとよりぞ 花の雲

【季語】花-春

【作者】黒柳召波(くろやなぎ しょうは)

【補足】召波は江戸時代中期の俳人です。漢詩を学んでいましたが、後に蕪村の弟子となりました。

 

 

ねぶたさの 春は御室の 花よりぞ

【季語】春

【作者】与謝蕪村

 

 

橋立や 夜明夜明の 天の川

【季語】天の川-秋

【作者】松岡青蘿(まつおか せいら)

【補足】青蘿は江戸時代中期~後期の俳人で、加藤暁台(かとう きょうたい)、高井几董(たかい きとう)らと親交がありました。

[美しき日本] 京都

 

 

初蝉の 清水阪を のぼりけり

【季語】初蝉-夏

【作者】日野草城

 

 

はな散りて 三日月高し 嵐山

【季語】はな散りて-春

【作者】松岡青蘿

 

 

春の日や 加茂川に逢う 桂川

【季語】春の日

【作者】日野草城

 

 

雲雀鳴く 下はかつらの 河原哉

【季語】雲雀(ひばり)-春

【作者】野沢凡兆(のざわ ぼんちょう)

【補足】凡兆は江戸時代前期の俳人です。松尾芭蕉に師事しましたが、後に離れました。

京都 桂川の渡月橋

 

 

昼月の 高くて秋の 鞍馬路

【季語】秋

【作者】飯田蛇笏

 

 

ひろひたる 寂光院の 紅葉かな

【季語】紅葉-秋

【作者】山口青邨

 

 

冬晴や さびしくなりし 嵐山

【季語】冬晴

【作者】日野草城

 

 

降る雨も 小春なりけり 知恩院

【季語】小春(こはる)-冬

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

【補足】一茶は江戸時代中期の俳人で、松尾芭蕉、与謝蕪村と並んで名が知られています。

知恩院の山門

 

 

時鳥 あれに見ゆるが 知恩院

【季語】時鳥(ほととぎす)-夏

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

 

 

みじか夜や 伏見の戸ぼそ 淀の窓

【季語】みじか夜-夏

【作者】与謝蕪村

 

 

名月や 膳にすゑたる 東山

【季語】名月-秋

【作者】各務支考(かがみ しこう)

【補足】支考は江戸時代前期の俳人で、松尾芭蕉の門下でした。

 

 

山吹や 宇治の焙炉の 匂ふ時

【季語】山吹-春

【作者】松尾芭蕉

京都 三室戸寺

 

 

夜桜や ここより見えぬ 東山

【季語】夜桜-春

【作者】高野素十(たかの すじゅう)

 

 

恋々と はなにしづめり 嵐山

【季語】はな-春

【作者】加藤暁台

 

 

若竹や 夕日の嵯峨と なりにけり

【季語】若竹-夏

【作者】与謝蕪村

 

 

金閣寺・銀閣寺・清水寺の俳句

次に、金閣寺、銀閣寺、清水寺が詠み込まれた俳句をみていきましょう。

 

鳥啼くや 狭霧うするる 金閣寺

【季語】狭霧(さぎり、さきり)-秋

【作者】日野草城

 

 

初雪の あとの青空 金閣寺

【季語】初雪-冬

【作者】長谷川櫂(はせがわ かい)

 

 

春雨の 傘さしつれて 金閣寺

【季語】春雨-春

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

 

 

水澄みて 金閣の金 さしにけり

【季語】水澄む-秋

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

金閣寺と澄んだ水面

 

 

銀閣寺 門前の田の 案山子かな

【季語】案山子(かかし)-秋

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

 

 

銀閣に 浪花の人や 大文字

【季語】大文字-秋

【作者】与謝蕪村

 

 

銀のなき 銀閣驟雨 ひた濡らす

【季語】驟雨(しゅうう)-夏

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

 

 

正面の 椿の花が 銀閣寺

【季語】椿-春

【作者】京極杞陽(きょうごく きよう)

 

 

春寒や 竹の中なる 銀閣寺

【季語】春寒-春

【作者】芥川龍之介(あくたがわ りゅうのすけ)

 

 

稲光 雲の中なる 清水寺

【季語】稲光-秋

【作者】村上鬼城(むらかみ きじょう)

遠方の光に照らされた清水の舞台

 

 


 関 連 ペ ー ジ 


⇒ 有名な俳句 30選

⇒ 松尾芭蕉の俳句 100選

⇒ 面白い俳句 30選

⇒ 春の俳句 ベスト20

⇒ 夏の俳句 ベスト20

⇒ 秋の俳句 ベスト20

⇒ 冬の俳句 ベスト20

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