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野分の俳句 30選 -のわき・のわけ-

強い風になびく樹木

「野分(のわき、のわけ)」は秋の大風のことをいい、現代の「台風」に相当する言葉です。

そして、源氏物語の巻名にもあるように、古くから使われていて、俳句の季語としても多くの作品に詠み込まれてきました

このページには、「野分」が詠まれた俳句の中から 30句を選びました。秋風が吹いている澄んだ風景が目に浮かぶような作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

野分の俳句 30選

「野分」「夕野分」「野分跡」などが詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

これらは、俳句において秋の季語とされます。

 

あくまでも 空透明に 野分去る

【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)

 

あづき煮る 火もとさみしき 野分かな

【作者】横光利一(よこみつ りいち)

 

あと追ひて 泣く子を賺す 野分かな

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

【補足】「賺す」の読み方は「すかす」です。「機嫌を取り、なぐさめる」という意味です。

 

一番に 案山子をこかす 野分かな

【作者】森川許六(もりかわ きょりく)

【補足】「案山子」の読み方は「かかし」です。

 

一枚の すだれに殊に 夕野分

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

【補足】「殊に」の読み方は「ことに」です。「特に、とりわけ」の意味です。

風雨に晒される簾

 

大いなる ものが過ぎゆく 野分かな

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

 

可笑しさは ふどし飛ひ来る 野分哉

【作者】尾崎紅葉(おざき こうよう)

【補足】「可笑しさ」の読み方は「おかしさ」です。

 

かなしさも やぶれかぶれの 野分かな

【作者】高井几董(たかい きとう)

 

鶏頭の 皆倒れたる 野分かな

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】鶏頭(けいとう)は、ヒユ科の一年生植物です。子規が鶏頭を詠んだ俳句で、次のものが有名です。

鶏頭の 十四五本も ありぬべし

 

弦月の 下吹き通す 野分かな

【作者】寺田寅彦(てらだ とらひこ)

【補足】弦月(げんげつ)とは、上弦・下弦の月(=半月)のことです。

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この野分 さらにやむべくも なかりけり

【作者】正岡子規

 

晒二反 買つて走れり 野分の灯

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

【補足】(さらし)とは、漂白した布のことです。「反(たん=端)」は布類の大きさの単位で、二反でおよそ二着分の着物(成人用)が作れます。

 

散々に 卒堵婆倒れし 野分哉

【作者】寺田寅彦

【補足】卒堵婆(そとば)とは、死者の供養のために墓地に立てる、細長い木の板のことです。

 

せい出して 山湯のけぶる 野分哉

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

 

そのむかし 乳張りしこと 夕野分

【作者】鈴木真砂女(すずき まさごじょ)

夕方の雨雲

 

大木の 揉まれ疲れし 野分かな

【作者】松本たかし(まつもと たかし)

【補足】「揉まれ」の読み方は「もまれ」です。

 

地虫鳴く 外は野分の 月夜かな

【作者】臼田亞浪(うすだ あろう)

【補足】地虫(じむし)とは、コガネムシ・カブトムシなどの幼虫のことをいいます。

 

爪先の 冷たしといふ 野分哉

【作者】小林一茶

 

渚まで 塵捨てにゆく 野分かな

【作者】鈴木真砂女

【補足】「塵」の読み方は「ちり」です。

 

苦笑ひ して日が落つる 野分なか

【作者】 臼田亞浪

日没時の暗雲

 

鶏の 吹き倒さるゝ 野分かな

【作者】松瀬々青(まつせ せいせい)

 

寝むしろや 野分に吹かす 足のうら

【作者】小林一茶

【補足】寝むしろとは、寝るときに敷いて使う筵(むしろ=ワラなどの植物を編んで作った敷物)です。

 

野分跡 暮れ行く富士の 鋭さよ

【作者】川端茅舎(かわばた ぼうしゃ)

 

野分きし 翳をうしろに 夜の客

【作者】大野林火(おおの りんか)

【補足】「翳」の読み方は「かげ」です。

 

野分雲 夕焼しつつ 走りをり

【作者】高浜年尾(たかはま としお)

夕焼け空の雨雲

 

野分して いよ~遠き 入日かな

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】入日(いりひ)とは、夕日・落日のことをいいます。

 

野分の戸 妻に追はるる 如くなり

【作者】石田波郷(いしだ はきょう)

【補足】「如く」の読み方は「ごとく」です。

 

野分の灯 一つに寄りし 母子かな

【作者】長谷川かな女

【補足】「母子」の読み方は「おやこ」です。

 

野分けめく 風一吹きの 草木かな

【作者】高浜虚子

 

白墨の 手を洗ひをる 野分かな

【作者】中村草田男(なかむら くさたお)

【補足】白墨(はくぼく)は、黒板などに書くのに使う「チョーク」のことです。

手水鉢に流れ落ちる水

 


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