晒井の俳句 20選 -さらしい-
夏に井戸の水を汲み出して掃除することを晒井(さらしい)といいますが、「晒井」は俳句において夏の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。
このページには、「晒井」が詠まれた俳句を多く集めました。いかにも夏といった雰囲気に満ちた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。
目次
- 1 晒井の俳句 20選
- 1.1 さらし井に 魚ももどるや 暮れの月
- 1.2 晒井に 和尚の尻の 白さかな
- 1.3 晒井に 蝙蝠安といふすがた
- 1.4 晒井に たかき樗の 落花かな
- 1.5 晒井に はじまる幕や夏芝居
- 1.6 晒井に もはや来らぬ 男あり
- 1.7 晒井の 新陳代謝 ささめきて
- 1.8 晒井の 底より見たる 揚羽蝶
- 1.9 晒井の 綱長々と 濡れにけり
- 1.10 晒井の泥水 蕗にさゞめけり
- 1.11 晒井の水を 童女は渡り行く
- 1.12 晒井の 夜の賑へる 山家かな
- 1.13 晒井や 簾しづかに 二三軒
- 1.14 晒し井や 釣瓶におよぐ 五年鮒
- 1.15 晒し井や 蝿引きあまる 裏戸口
- 1.16 晒井や 水屋の神の 朝灯
- 1.17 晒井や 余所へ家鴨を あつらへる
- 1.18 庭木戸や 晒井すみし 開け放し
- 1.19 人変り 晒井も世に 亡びけり
- 1.20 昼寄席に 晒井の声 きこえけり
晒井の俳句 20選
夏の季語である「晒井」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。
どうぞ、ごゆくりっと鑑賞なさってください。
さらし井に 魚ももどるや 暮れの月
【作者】小林一茶(こばやし いっさ)
【補足】「暮れの月」とは、日暮れどきに空にかかっている月のことをいいます。
晒井に 和尚の尻の 白さかな
【作者】会津八一(あいづ やいち)
【補足】「和尚」の読み方は「おしょう:仏教の僧侶に対する敬称」です。
晒井に 蝙蝠安といふすがた
【作者】松藤夏山(まつふじ かざん)
【補足】蝙蝠安(こうもりやす)は歌舞伎『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』の登場人物で、右頬に蝙蝠の刺青(いれずみ)があります。
晒井に たかき樗の 落花かな
【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)
【補足】樗(おうち)はミツバウツギ科の落葉小高木です。
晒井に はじまる幕や夏芝居
【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)
【補足】夏芝居(なつしばい)とは、夏季に興行する演劇のことをいいます。
晒井に もはや来らぬ 男あり
【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)
【補足】「来らぬ」の読み方は「きたらぬ」です。
晒井の 新陳代謝 ささめきて
【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)
【補足】新陳代謝(しんちんたいしゃ)とは、古いものが新しいものに入れ替わることをいいます。「ささめく」とは、さやさやと音をたてるという意味です。
晒井の 底より見たる 揚羽蝶
【作者】加藤かけい(かとう かけい)
【補足】「揚羽蝶」の読み方は「あげはちょう」です。
晒井の 綱長々と 濡れにけり
【作者】野村喜舟(のむら きしゅう)
晒井の泥水 蕗にさゞめけり
【作者】松藤夏山
【補足】蕗(ふき)はキク科の多年草です。「さざめく」とは、ざわざわと音をたてることをいいます。
晒井の水を 童女は渡り行く
【作者】前田普羅(まえだ ふら)
【補足】 童女(どうじょ)とは、女の子ども、少女のことです。
晒井の 夜の賑へる 山家かな
【作者】茨木和生(いばらき かずお)
【補足】「賑へる」の読み方は「にぎわえる」です。山家(やまが)とは、山にある家、山中の家のことです。
晒井や 簾しづかに 二三軒
【作者】増田龍雨(ますだ りゅうう)
【補足】「簾」の読み方は「すだれ」です。
晒し井や 釣瓶におよぐ 五年鮒
【作者】正岡子規(まさおか しき)
【補足】「釣瓶」の読み方は「つるべ」です。
晒し井や 蝿引きあまる 裏戸口
【作者】正岡子規
晒井や 水屋の神の 朝灯
【作者】岩谷山梔子(いわや くちなし)
【補足】「朝灯」の読み方は「あさあかり」です。
晒井や 余所へ家鴨を あつらへる
【作者】松窓乙二(しょうそう おつに)
【補足】「余所」「家鴨」の読み方は、それぞれ「よそ」「あひる」です。
庭木戸や 晒井すみし 開け放し
【作者】小杉余子(こすぎ よし)
人変り 晒井も世に 亡びけり
【作者】有働 亨(うどう とおる)
昼寄席に 晒井の声 きこえけり
【作者】渡辺水巴(わたなべ すいは)
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