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鶯の俳句 30選 -うぐいす-

鶯と梅の花と青空

鶯は「春告鳥(はるつげどり)」という別名があるように、春の訪れを期待する頃から春にかけての風景にふさわしい鳥です。

その独特の鳴き声から日本三鳴鳥(にほんさんめいちょう)の一つに数えられ、古くから愛されてきました。また、和歌の時代から多くの文学作品に取り上げられてきました。

このページでは、鶯が詠み込まれた俳句の中から 30句を選びました。鶯のいる光景が目に浮かぶようなものばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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鶯の俳句 30

鶯が詠まれた句を集め、俳句の文字の五十音順に並べました。

なお、鶯は俳句において春の季語として扱われます。

 

うぐひすに ほうと息する 朝哉

【作者】服部嵐雪(はっとり らんせつ)

【補足】下の句の読みは「あしたかな」です。

 

うくひすに またるる梅は なかりけり

【意味】うぐいすに(つきものの、花が咲くのを)待っている梅は(まだ咲いてい)ない…

【作者】加賀千代女(かがのちよじょ)

 

鴬の 池をかゞみに はつ音哉

【作者】松岡青蘿(まつおか せいら)

【補足】「かゞみ」は「鏡」です。

 

鴬の いちぶ始終の やさしさよ

【作者】後藤夜半(ごとう やはん)

 

鶯の 覚束なくも 初音哉

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】「覚束(おぼつか)なくも」とは、「たよりない、心もとない」という意味です。

梅の蕾を見つめる鶯

 

鶯の けはひ興りて 鳴きにけり

【作者】中村草田男(なかむら くさたお)

【補足】「興りて」の読みは「おこりて」です。

 

鶯の 声澄む天の 青磁かな

【作者】川端茅舎(かわばた ぼうしゃ)

【補足】青磁(せいじ)とは、青緑色のうわぐすりをかけて焼いた磁器のことです。

 

うぐひすの 声せで来けり 苔の上

【作者】炭 太祇(たん たいぎ)

【補足】「苔」の読みは「こけ」です。

 

鶯の 声や竹より こぼれ出る

【作者】椎本才麿(しいのもと さいまろ)

 

鶯の 啼き間違ひを して遊ぶ

【作者】後藤夜半

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鶯の 鳴破つたる 紙子かな

【作者】森川許六(もりかわ きょろく)

【補足】紙子(かみこ)とは、紙で作った衣服のことをいいます。

 

うぐひすの 啼くやちいさき 口明て

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

【補足】「明て」の読みは「あけて」です。

 

うぐひすの 訛かはゆき 若音かな

【作者】高井几董(たかい きとう)

【補足】「訛」の読みは「なまり」です。

 

鶯は けさも来鳴くよ 子の目ざめ

【作者】及川 貞(おいかわ てい)

 

鶯は 篁くゞり ぬけけらし

【作者】西山泊雲(にしやま はくうん)

【補足】(たかむら)とは、竹の林、竹やぶのことをいいます。

日が射している竹林

 

鶯や 雨やむまじき 旅ごろも

【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)

【補足】「やむまじき」は「止みそうもない」という意味です。

 

鶯や 起きねばならぬ 窓明り

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

 

鶯や 薬を秤る ものしづか

【作者】平畑静塔(ひらはた せいとう)

【補足】「秤る」の読みは「はかる」です。

 

鶯や けさまだやまぬ 雨の中

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

 

鶯や 香焚くひとの 眉静か

【作者】西島麦南(にしじま ばくなん)

【補足】「焚く」の読みは「たく」です。

梅の模様が描かれた香炉

 

うぐひすや 茶の木畑の 朝月夜

【作者】内藤丈草(ないとう じょうそう)

 

鶯や 土へは下りぬ 身だしなみ

【作者】横井也有(よこい やゆう)

 

鶯や 隣へ逃げる 薮つづき

【作者】村上鬼城(むらかみ きじょう)

 

鶯や とのより先へ 朝御飯

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

 

うぐひすや 寝起よき子と はなしゐる

【作者】星野立子

鶯と梅の花の模様の和紙

 

うつくしや 鶯あけの 明星に

【作者】泉 鏡花(いずみ きょうか)

 

大風の 中の鶯 聞こえをり

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

 

篠笹を 踏みて鶯 啼きにけり

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

【補足】篠笹(しのざさ)は竹の一種で、篠竹(しのだけ)とも呼ばれます。

 

高らかに 鶯啼けり 杉林

【作者】前田普羅(まえだ ふら)

 

ほのかなる 鶯聞きつ 羅生門

【作者】小西来山(こにし らいざん)

【補足】羅生門(らしょうもん)は、平城京・平安京の南に置かれていた正門です。

梅の枝にとまっている鶯

 


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