夕焼の俳句 -大夕焼-

美しい色の夕焼け

小さい子供の頃、遊び疲れた夕暮れ時に、夕焼けがあまりにも色鮮やかで見入ってしまった記憶があります。その燃えるような空を見上げていると、いつまでも飽きることはありませんでした。

そのような夕焼けは、俳句の季語としても多くの作品にも取り上げられてきました。

このページには、夕焼けが詠み込まれた俳句を数多く集めました。日が暮れようとする夕方の光景が目に浮かぶような俳句作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

夕焼けの俳句 50選

夕焼けに照らされる雲

俳句において、単に「夕焼け」とした場合は夏の季語となります。

「ゆやけ」と三文字で用いられることもあります。また、「夕映(ゆうばえ)」も同趣の季語です。。

 

梧桐の はや夕焼を 隠し得ず

【作者】三橋鷹女(みつはし たかじょ)

【補足】「梧桐」の読み方は「あおぎり(=アオイ科アオギリ属の落葉高木)」です。

 

アカシヤに 夕焼雲の いなびかり

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

 

いくたびも 山彦かへす 夕焼かな

【作者】吉武月二郎(よしたけ つきじろう)

 

大夕焼 わが家焼きたる 火の色に

【作者】鈴木真砂女(すずき まさじょ)

 

落葉踏むや しばし雀と 夕焼けて

【作者】渡辺水巴(わたなべ すいは)

 

海上の 大夕焼や 施餓鬼船

【作者】村上鬼城(むらかみ きじょう)

【補足】施餓鬼船(せがきぶね)とは、水死人を供養するときに仕立てる船のことです。

 

書き騙る あはれ夕焼 野に腹這ひ

【作者】三橋鷹女

【補足】「騙る」の読み方は「かたる」です。

 

かはせみの 巣ありと思ふ 夕焼川

【作者】松村蒼石(まつむら そうせき)

 

樹にのぼる 少年の四肢 夕焼くる

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

【補足】四肢(しし)とは、両手・両足、手足のことをいいます。

 

金箔の 夕焼の空 すぐ琵せぬ

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

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子を連れて 野の夕焼に 片手浮く

【作者】飯田龍太(いいだ りゅうた)

 

子を遠く 大夕焼に 合掌す

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

 

白地着て つねなく夕焼 待ちゐたり

【作者】大野林火(おおの りんか)

 

種蒔けば 天をかぎりの 夕焼ぞ

【作者】大野林火

【補足】「蒔けば」の読み方は「けば」です。

 

ちぎれ雲 夕焼けさめて 夕長し

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

 

遠き日の ことのごとしや 夕焼けて

【作者】加藤楸邨(かとう しゅうそん)

 

虹消えて 夕焼けしたる 蔬菜籠

【作者】飯田蛇笏

【補足】「蔬菜籠」の読み方は「そさいかご(=野菜籠)」です。

 

墓に逢ふ うつろ夕焼 松染めて

【作者】阿部みどり女

 

箱庭や 街の夕焼 みじかゝり

【作者】石田波郷(いしだ はきょう)

 

一人出て 粟刈る里や 夕焼す

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

山里の夕焼け

 

向日葵に 天よりも地の 夕焼くる

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

【補足】「向日葵」の読み方は「ひまわり」です。

 

昼風呂に 小野子の片頬 夕焼けて

【作者】前田普羅(まえだ ふら)

 

祝ぎの如 夕焼の鶴 仰がるる

【作者】阿波野青畝

【補足】「祝(ほ)ぎの如(ごと)」は「祝(いわ)うかのように」と解します。

 

満潮の 波をたゝまず 夕焼す

【作者】鈴木真砂女

 

名月の いづる夕焼 ひろごりぬ

【作者】渡辺水巴

 

物として 我を夕焼 染めにけり

【作者】永田耕衣(ながた こうい)

 

夕焼が しづかに充たす 藤の崖

【作者】柴田白葉女(しばた はくようじょ)

【補足】「充たす」の読み方は「たす」です。

 

夕焼くる 掛稲露を おびにけり

【作者】西島麦南(にしじま ばくなん)

 

夕焼くる かの雲のもと 人待たむ

【作者】橋本多佳子(はしもと たかこ)

 

夕焼す 縁側へ月の 供へ物

【作者】鈴木花蓑(すずき はなみの)

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夕焼けて 雲くづれゆく 茂かな

【作者】富田木歩(とみた もっぽ)

 

夕焼けて 薫ゆる月あり 月見草

【作者】鈴木花蓑

【補足】「薫ゆる」の読み方は「ゆる」です。

 

夕焼けて 護国神社の 裏しづか

【作者】飯田龍太

 

夕焼けて 砂町に棲む ほかはなし

【作者】石田波郷

【補足】「棲む」の読み方は「む」です。

 

夕焼けて 夏山己が 場に聳ゆ

【作者】飯田龍太

【補足】「聳ゆ」の読み方は「そびゆ」です。

 

夕焼けて なほそだつなる 氷柱かな

【作者】中村汀女

【補足】「氷柱」の読み方は「つらら」です。

 

夕焼けて 西の十萬 億土透く

【作者】山口誓子

【補足】十萬億土(じゅうまんおくど)とは、この世から極楽(ごくらく)までの間にある多くの仏土(ぶつど=仏が住む土地)のことで、転じて「極楽」を意味します。

 

夕焼て 富士あり凧の 絲たるみ

【作者】岸風三楼(きし ふうさんろう)

【補足】「凧」の読み方は「たこ」です。「絲」は「糸」の旧字体です。

 

夕焼けて 揺るる静けさ 枯木の実

【作者】松村蒼石

 

夕焼と 何ある山の 彼方には

【作者】山口誓子

【補足】「彼方」の読み方は「かなた」です。

夕焼けと山と一羽の鳥

 

夕焼の あへなく消えし 案山子かな

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

【補足】「案山子」の読み方は「かかし」です。

 

夕焼けの 色を残して 海静か

【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)

 

夕焼けの 彼方が恋し 暑気あたり

【作者】阿部みどり女

 

夕焼の 仔馬映せり 天の野に

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

 

夕焼の 盥のたがの 撥ねてをり

【作者】野村喜舟(のむら きしゅう)

【補足】「盥」「撥ねて」の読み方は、それそれ「たらい」「ねて」です。

 

夕焼の はかなきことも 美しく

【作者】稲畑汀子

 

夕焼の 橋に遊んで 螢待つ

【作者】鈴木花蓑

 

夕焼の 雪ある嶺を 尊みぬ

【作者】長谷川かな女

【補足】「嶺」の読み方は「みね」です。

 

夕焼は 膳のものをも 染めにけり

【作者】富安風生

 

夕焼けや あさきゆめみて ゑひもして

【作者】平井照敏(ひらい しょうびん)

【補足】この句は、以下の「いろは歌」の一部が取り入れられています。

 
いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす
色は匂へど 散りぬるを
我が世誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見じ 酔ひもせず
 

 

厳島神社の鳥居と夕焼け

 


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