9月の季語 30の【一覧】と例句
9月になると夏も終わりを告げることになり、季節は少しずつ秋へと移り変わっていきます。
お彼岸、秋分といった日をはじめとして、目にする様々な風物から秋を感じてくるのが 9月といえるかもしれません。
このページでは、そのような季節感をもった「9月の季語」といえるものを集めました。9月ならではのものばかりですので、是非チェックしてみて下さい。
目次
- 1 9月の季語 30
- 1.1 秋燕 / あきつばめ、しゅうえん
- 1.2 秋の波
- 1.3 秋の水
- 1.4 秋彼岸
- 1.5 女郎花 / おみなえし
- 1.6 蟷螂 / かまきり、とうろう
- 1.7 桔梗 / ききょう、きちこう
- 1.8 きりぎりす
- 1.9 九月
- 1.10 葛の花 / くずのはな
- 1.11 鶏頭 / けいとう
- 1.12 コスモス
- 1.13 新涼
- 1.14 薄(芒 ) / すすき
- 1.15 鈴虫
- 1.16 仲秋 / ちゅうしゅう
- 1.17 月見
- 1.18 蜻蛉 / とんぼ
- 1.19 野分 / のわき、のわけ
- 1.20 萩 / はぎ
- 1.21 彼岸花 / ひがんばな
- 1.22 冷やか
- 1.23 藤袴 / ふじばかま
- 1.24 曼珠沙華 / まんじゅしゃげ
- 1.25 三日月
- 1.26 虫
- 1.27 名月
- 1.28 蘭の花
- 1.29 良夜 / りょうや
- 1.30 竜胆 / りんどう
9月の季語 30
私たちが使っている現代の暦(新暦)の 9月にみられる風物で俳句の季語となっているものを集め、句の最初の文字で五十音順に並べました。
また、それぞれの季語が詠まれた句を【例句】として挙げました。
なお、俳句の季語の季節感は旧暦によるもので、ここに集めた季語は「秋」のものです。
秋燕 / あきつばめ、しゅうえん
【例句】秋燕 妖しき朱ヶを 頬にせり
【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)
秋の波
【例句】くり返す 間の遠き 秋の波
【作者】富安風生(とみやす ふうせい)
秋の水
【例句】秋の水 やはらかに手に よみがへる
【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)
秋彼岸
【例句】大風の それし日和や 秋彼岸
【作者】青木月斗(あおき げっと)
【関連ページ】 お彼岸の俳句
女郎花 / おみなえし
【例句】女郎花 少しはなれて 男郎花(おとこえし)
【作者】星野立子(ほしの たつこ)
蟷螂 / かまきり、とうろう
【例句】日がのぼり 露のかまきり 躍り出づ
【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)
桔梗 / ききょう、きちこう
【例句】桔梗の 紫めきし 思ひかな
【作者】高浜虚子(たかはま きょし)
【関連ページ】 桔梗の俳句
きりぎりす
【例句】きりぎりす 時を刻みて 限りなし
【作者】中村草田男(なかむら くさたお)
九月
【例句】なにがなし たのしきこころ 九月来ぬ
【作者】日野草城(ひの そうじょう)
葛の花 / くずのはな
【例句】今落ちし ばかりの葛は 赤きかな
【作者】星野立子
鶏頭 / けいとう
【例句】鶏頭の 十四五本も ありぬべし
【作者】正岡子規(まさおか しき)
【関連ページ】 正岡子規の代表作
コスモス
【例句】コスモスの 淋しさ誘ふ 糸葉なる
【作者】原 石鼎(はら せきてい)
【関連ページ】 コスモスの俳句
新涼
【例句】新涼や 青空見えて 夕べなる
【作者】原 石鼎
薄(芒 ) / すすき
【例句】二三本 月に輝く 芒かな
【作者】山口青邨
鈴虫
【例句】思ひさへ 鳴く鈴蟲に はばかられ
【作者】中村汀女
仲秋 / ちゅうしゅう
【例句】仲秋の 月の冷たき ぼんのくぼ
【作者】長谷川かな女
月見
【例句】月見や 畳にこぼす 花の水
【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)
【関連ページ】 月見の俳句
蜻蛉 / とんぼ
【例句】遠山が 目玉にうつる とんぼ哉
【作者】小林一茶(こばやし いっさ)
【関連ページ】 蜻蛉の俳句
野分 / のわき、のわけ
【例句】野分して いよいよ遠き 入日かな
【作者】日野草城
【関連ページ】 野分の俳句
萩 / はぎ
【例句】近よれば 髪の上まで 萩の花
【作者】星野立子
【関連ページ】 萩の俳句
彼岸花 / ひがんばな
【例句】あち向いて どの子も帰る 曼珠沙華
【作者】中村汀女
冷やか
【例句】冷やかに 女人高野の 路ひとつ
【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)
藤袴 / ふじばかま
【例句】藤袴 此の夕ぐれの しめりかな
【作者】斯波園女(しば そのめ)
曼珠沙華 / まんじゅしゃげ
【例句】ちゝはゝの 俄かに恋し 曼珠沙華
【作者】川端茅舎(かわばた ぼうしゃ)
三日月
【例句】三日月の ひかりのほそき 祷(いのり)かな
【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)
虫
【例句】虫なくや 帯に手さして 倚り柱
【作者】杉田久女(すぎた ひさじょ)
名月
【例句】名月の 色におどろく 旅寝かな
【作者】前田普羅(まえだ ふら)
蘭の花
【例句】蘭の香や 異国のやうに 三日の月
【作者】小林一茶
良夜 / りょうや
【例句】門とぢて 良夜の石と 我は居り
【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)
竜胆 / りんどう
【例句】竜胆の 蕾それぞれ 花にそひ
【作者】星野立子
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