俳句に人名が入っているもの 30選

夜桜

俳句に接していると、ときどき人の名前が含まれている句に出会うことがあります。

それらの人名は、歴史上の人物、文学作品の登場人物、有名な俳人であったりと様々です。そして、彼らが俳句作品の中で生き生きとしているのを感じるのは、とても楽しいものです。

このページには、人名が詠み込まれた俳句を集めました。名前を知っている人物の振る舞いが目に浮かぶような俳句作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞し、楽しんでみて下さい。

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人名の俳句 30選

朧月

俳句の中に人名が含まれているものを集め、句の先頭の文字の五十音順に並べました。

 

青嵐 去来や来ると 門に立つ

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【季語 / 季節】青嵐 / 夏

【補足】向井去来(むかい きょらい)は江戸時代前期の俳人で、蕉門十哲(しょうもんじってつ=松尾芭蕉の弟子の中でも、特に優れた十人の人物)の一人です。

 

秋晴れて あら鬼貫の 夕やな

【作者】広瀬惟然(ひろせ いぜん、いねん)

【季語 / 季節】秋晴れ / 秋

【補足】上島鬼貫(うえじま おにつら)は江戸時代中期の俳人で、松尾芭蕉や広瀬惟然(=芭蕉の門下)と親交がありました。この句は『惟然坊句集』に収められており、「伊丹の鬼貫を尋ねし時」という詞書(ことばがき)があります。

 

家康公 逃げ廻りたる 冬田打つ

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

【季語 / 季節】冬田 / 冬

【補足】徳川家康(とくがわ いえやす)は江戸幕府の初代征夷大将軍で、江戸幕府の祖として「神祖」「烈祖」などとも称されました。この句は『米寿前』に収められています。

 

朧夜や 吉次を泊し 椀のおと

【作者】夏目成美(なつめ せいび)

【季語 / 季節】朧夜 / 春

【補足】金売吉次(かねうり きちじ)は平安時代末期の商人で、『平治物語』『平家物語』『義経記』『源平盛衰記』などに登場する伝説的な人物です。源義経(みなもとの よしつね)が奥州に下る際に、手助けをしたとされています。

 

柿の村 蕪村の母の 墓ありと

【作者】高野素十(たかの すじゅう)

【季語 / 季節】柿 / 秋

【補足】与謝蕪村(よさ ぶそん)は、江戸時代中期の俳人で、母親の墓所は京都府与謝郡与謝野町与謝です。

 

柿二つ 吾が供へて 虚子の像

【作者】高野素十

【季語 / 季節】柿 / 秋

【補足】高浜虚子(たかはま きょし)は、明治から昭和にかけて活躍した俳人です。

 

景清も 花見の座には 七兵衛

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

【季語 / 季節】花見 / 春

【補足】藤原景清(ふじわらの かげきよ=平景清)には、悪七兵衛(あくしちびょうえ)という異名がありました。

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カフカ去れ 一茶は来れ おでん酒

【作者】加藤楸邨(かとう しゅうそん)

【季語 / 季節】おでん / 冬

【補足】フランツ・カフカは、『変身』『審判』『城』などの代表作を持つ20世紀の作家です。小林一茶(こばやし いっさ)は江戸時代後期の俳人です。この句は『まぼろしの鹿』に収められています。

 

清盛の 文張ってある 火桶かな

【作者】大伴大江丸(おおともの おおえまる)

【季語 / 季節】火桶 / 冬

【補足】平清盛(たいらの きよもり)は平安時代末期の武将・公卿で、日本で初めての武家政権を樹立しました。この句は『俳懺悔』に収められています。

 

雲の峰に 肘する酒呑童子かな

【作者】与謝蕪村

【季語 / 季節】雲の峰 / 夏

【補足】酒呑童子(しゅてんどうじ)は、大江山(あるいは伊吹山)に住んでいたとされる鬼(あるいは盗賊)の頭領の名前で、好きだったと伝えられています。この句は『蕪村遺稿』に収められています。

 

西行の 白状したる 寒さかな

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

【季語 / 季節】寒さ / 冬

【補足】西行(さいぎょう)は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての武士、僧侶、歌人で、約2300首の和歌が伝わっています。

 

最澄の 瞑目つづく 冬の畦

【作者】宇佐美魚目(うさみ ぎょもく)

【季語 / 季節】冬の畦 / 冬

【補足】最澄(さいちょう=伝教大師)は平安時代初期の仏教僧で、天台宗の開祖です。この句は『秋収冬蔵』に収められています。比叡山からの冬景色

 

拾得は 焚き寒山は 掃く落葉

【作者】芥川龍之介(あくたがわ りゅうのすけ)

【季語 / 季節】落葉 / 冬

【補足】寒山(かんざん)と拾得(じっとく)は、共に中国・唐代の詩僧です。日本では、この二人を題材にした『寒山拾得』という題名の小説を、森鴎外(もり おうがい)、芥川龍之介、井伏鱒二(いぶせ ますじ)の三人が執筆しています。

 

徐福去つて 幾世ぞひるを 霞む海

【作者】芥川龍之介

【季語 / 季節】霞 / 春

【補足】徐福(じょふく)は中国・秦代の法士で、日本に渡来したという伝説があります。

 

頭巾著て 蕪村の墓に 詣でけり

【作者】正岡子規

【季語 / 季節】頭巾 / 冬

【補足】蕪村の墓所は京都市左京区一乗寺の金福寺(こんぷくじ)です。

 

煤拂て 蕪村の幅の かゝりけり

【作者】正岡子規

【季語 / 季節】煤拂 / 冬

【補足】蕪村は文人画家でもあり、多くの絵画を残しています。

 

枕頭や アンナ・カレニナ 芥子の花

【作者】芥川龍之介

【季語 / 季節】芥子(=罌粟)の花 / 夏

【補足】アンナ・カレ(ー)ニナは、帝政ロシアの作家レフ・トルストイの長編小説の題名であり、主人公の名前です。

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貫之が 船の灯による 千鳥かな

【作者】高井几董(たかい きとう)

【季語 / 季節】千鳥 / 冬

【補足】紀貫之(きの つらゆき)は平安時代前期から中期にかけての貴族・歌人で、三十六歌仙の一人です。この句は『井華集』に収められています。

 

とがりたる ここらの柿は 良寛の柿

【作者】山口青邨(やまぐち せいそn)

【季語 / 季節】柿 / 秋

【補足】良寛(りょうかん)は、江戸時代後期の僧侶・歌人です。

 

泣いて行く ウエルテルに逢ふ 朧哉

【作者】尾崎紅葉(おざき こうよう)

【季語 / 季節】朧 / 春

【補足】ウエルテルは、ドイツの詩人、小説家であるゲーテの小説『若きウェルテルの悩み』の主人公の名前です。この句は『紅葉句帳』に収められています。

 

夏木立 一茶の生れ 在所哉

【作者】正岡子規

【季語 / 季節】夏木立 / 夏

【補足】小林一茶は、北信濃の柏原という宿場町で生まれました。

 

芭蕉翁の 脛をかぢつて 夕涼

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)  

【季語 / 季節】夕涼 / 夏

【補足】この句は『七番日記』に収められています。

 

蕪村の蕪 太祗の炭や 冬籠

【作者】正岡子規

【季語 / 季節】蕪 / 冬、炭 / 冬、冬籠 / 冬

【補足】炭 大祇(たん たいぎ)は、江戸時代中期の俳人です。

蕪の実

 

弁慶に 五条の月の 寒さ哉

【作者】夏目漱石

【季語 / 季節】寒さ / 冬

【補足】武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)は平安時代末期の僧兵で、源義経の郎党として最後まで仕えたとされています。

 

弁慶の 道具しらべる 夜長哉 

【作者】正岡子規

【季語 / 季節】夜長 / 秋

 

孫六が 太刀の銘きる 端午かな

【作者】田川鳳朗(たがわ ほうろう)

【補足】孫六兼元(まごろく かねもと)は室町時代後期の刀工で、「孫六」は兼元家の屋号です。

 

短夜の ゆめな忘れそ ハムレット

【作者】会津八一(あいづ やいち)

【季語 / 季節】短夜 / 夏

【補足】ハムレットはシェイクスピアの四大悲劇の一つの題名で、主人公の名前です。

 

虫干に 蕪村の偽筆 掛りけり

【作者】正岡子規

【季語 / 季節】虫干 / 夏

 

めでたさも 一茶位や 雜煮餅

【作者】正岡子規

【季語 / 季節】雑煮餅 / 新年

【補足】小林一茶の句に「目出度さも ちう位也 おらが春」があります。

 

痩蛙 まけるな一茶 是に有

【作者】小林一茶

【季語 / 季節】蛙 / 春

蛙の置物

 


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