双六の俳句 20選 -すごろく-
双六(すごろく)は、奈良時代に中国から日本に伝来したといわれる遊びです。
そして、「双六」は俳句において新年の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。
このページには、「双六」が詠まれた俳句を多く集めました。新年の清々しい雰囲気に満ちた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。
目次
- 1 双六の俳句 20選
- 1.1 子供等に 双六まけて 老の春
- 1.2 双六の 一がよく憑く 不思議かな
- 1.3 双六に 折りかけ垣や 梅の花
- 1.4 双六の 折目が峠 又峠
- 1.5 双六の 川止めに遭ひ 茶を淹るる
- 1.6 双六の 京をめぐりて 日の暮るる
- 1.7 双六の 賽に雪の気 かよひけり
- 1.8 双六の 賽振り奥の細道へ
- 1.9 雙六の どこへころげて 樂まん
- 1.10 双六の 母に客来て ばかりをり
- 1.11 双六の 振出しで乗る 人力車
- 1.12 双六の 振出しのまづ 花ざかり
- 1.13 双六の 民話の神と 仏かな
- 1.14 双六の わが道中の 永かりき
- 1.15 双六や わが名ひとの名 打重ね
- 1.16 双六を 好めど碌に 出世せず
- 1.17 双六を ひろげて淋し 賽一つ
- 1.18 双六を 目がけて五指の ひらくとき
- 1.19 年忘れ 人生双六 しばし止む
- 1.20 ばりばりと 附録双六 ひろげけり
双六の俳句 20選
新年の季語である「双六」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。
どうぞ、ごゆっくりとご鑑賞下さい。
子供等に 双六まけて 老の春
【作者】高浜虚子(たかはま きょし)
【補足】「老の春(おいのはる)」とは、晩春と人の老齢とを掛けていう言葉で、年老いて迎える新春のことをいいます。
また、俳句において、新年の季語として用いられます。
双六の 一がよく憑く 不思議かな
【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)
【補足】「憑く」の読み方は「つく」です。
双六に 折りかけ垣や 梅の花
【作者】立花北枝(たちばな ほくし)
【補足】「折りかけ垣(おりかけがき)」とは、 竹や柴などを折り曲げて地面にさしたものを連ねてつくった垣根のことです。
双六の 折目が峠 又峠
【作者】阿波野青畝
双六の 川止めに遭ひ 茶を淹るる
【作者】下村ひろし(しもむら ひろし)
【補足】「淹るる」の読み方は「いるる」です。
双六の 京をめぐりて 日の暮るる
【作者】後藤比奈夫(ごとう ひなお)
双六の 賽に雪の気 かよひけり
【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)
【補足】「賽」の読み方は「さい、さいころ」です。
双六の 賽振り奥の細道へ
【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)
【補足】「奥の細道」は、松尾芭蕉(まつお ばしょう)の俳諧紀行文です。
雙六の どこへころげて 樂まん
【作者】正岡子規(まさおか しき)
【補足】「雙」「樂」は、それぞれ「双」「楽」の旧字体です。
双六の 母に客来て ばかりをり
【作者】加藤楸邨(かとう しゅうそん)
双六の 振出しで乗る 人力車
【作者】後藤比奈夫
双六の 振出しのまづ 花ざかり
【作者】後藤比奈夫
双六の 民話の神と 仏かな
【作者】後藤比奈夫
双六の わが道中の 永かりき
【作者】辻田克巳(つじた かつみ)
双六や わが名ひとの名 打重ね
【作者】野村喜舟(のむら きしゅう)
双六を 好めど碌に 出世せず
【作者】阿波野青畝
【補足】「碌に」の読み方は「ろくに」です。
双六を ひろげて淋し 賽一つ
【作者】久保田万太郎
双六を 目がけて五指の ひらくとき
【作者】阿波野青畝
【補足】五指(ごし)とは、五本のゆびのことをいいます。
年忘れ 人生双六 しばし止む
【作者】百合山羽公(ゆりやま うこう)
ばりばりと 附録双六 ひろげけり
【作者】日野草城(ひの そうじょう)
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