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宝船の俳句 30選 -たからぶね-

花手水の宝船

宝船は、米俵・財貨・七福神(しちふくじん)などを乗せた帆かけ船の模型や絵のことで、宝船の絵は正月二日の夜に、初夢をみるために枕の下に敷く縁起物として使われます。

この「宝船」は俳句において新年の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。

このページには、「宝船」が詠まれた俳句を多く集めました。お正月らしい雰囲気に満ちた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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宝船の俳句 30選

「宝船」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。

ごゆっくりとご鑑賞下さい。

 

 

相思ふ 枕の下や 宝船

【作者】松瀬青々(まつせ せいせい)

 

雨音は すでに夢路か 宝舟

【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)

【補足】夢路(ゆめじ)とは、夢のみち、夢の中の道、夢に見ることなどを意味します。

 

今朝さめて 波濤あとなし 宝舟

【作者】庄司瓦全(しょうじ がぜん)

【補足】 波濤(はとう)とは、波、特に大きな波のことをいいます。

 

老いぬれば 枕は低し 宝舟

【作者】水原秋桜子

 

敷妙の 古き枕や 宝船

【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)

【補足】「敷妙の(しきたえの)」は、「枕」「床 (とこ) 」「衣」「袖 (そで) 」「袂 (たもと) 」「黒髪」「家」などにかかる枕詞(まくらことば)です。

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敷妙の 枕紙なり 宝船

【作者】井上井月(いのうえ せいげつ)

 

すぐに寝る 草の庵の 宝舟

【作者】松本たかし(まつもと たかし)

【補足】草の庵(くさのいおり)とは、草ぶきの粗末で小さな住まい、わびずまいのことをいいます。「草庵(そうあん)」ということもあります。

 

須磨明石 みぬ寝心や たから船

【作者】服部嵐雪(はっとり らんせつ)

【補足】寝心(ねごころ)は、「寝心地(ねごこち)」と同義です。

 

宝船 うすくのしたる 衾かな

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

【補足】「衾」の読み方は「ふすま(=襖)」です。

 

宝船 敷寝の旅に 夢もなし

【作者】福田蓼汀(ふくだ りょうてい)

【補足】敷寝(しきね)とは、ものを下に敷いて寝ることです。

宝船の石像

 

寶舟 須磨の波音 聞えけり

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】「寶」は「宝」の旧字体です。

 

宝舟 つたなき絵にて なつかしき

【作者】水原秋桜子

 

宝船 津々浦々の 句集積み

【作者】平畑静塔(ひらはた せいとう)

【補足】津々浦々(つつうらうら)とは、国中、全国いたるところという意味です。

 

宝舟 届けくれけり 俳諧師

【作者】水原秋桜子

 

宝船 貧の灯赤く したりけり

【作者】岡本癖三酔(おかもと  へきさんすい)

【補足】「灯」の読み方は「ひ」です。

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宝舟 真帆いつばいに 描きけり

【作者】阿波野青畝

【補足】真帆(まほ、まぼ)とは、追い風を受けて十分に張った帆のことをいいます。

 

宝舟 目出度さ限り なかりけり

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

 

宝舟 夢の名残りも なかりけり

【作者】安住 敦(あずみ あつし)

 

たふやかに 年寄耳や 宝舟

【作者】阿波野青畝

 

つくづくと 寶はよき字 宝舟

【作者】後藤比奈夫(ごとう ひなお)

 

年寄の 夢の淡さよ 宝船

【作者】後藤比奈夫

 

七十路は 夢も淡しや 宝船

【作者】水原秋桜子

【補足】七十路(ななそじ)とは、70歳を意味します。

 

願ふこと ただよき眠り 宝船

【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

砂の宝船

 

鼻息に 飛んでは輕し 寶舟

【作者】正岡子規

【補足】「輕」は「軽」の旧字体です。

 

ひとり寝の 一枚かふや 宝船

【作者】松瀬青々

 

抱一の 版下にして 宝舟

【作者】野村喜舟(のむら きしゅう)

【補足】酒井抱一(さかい ほういつ)は、江戸時代後期の絵師・俳人です。

 

やごとなき 一筆がきや 宝舟

【作者】黒柳召波(くろやなぎ しょうは)

【補足】「やごとなき(=やむごとなき、やんごとなき)」には、「並々でない、この上ない、尊い、貴重な」などの意味があります。

 

病みし髪 みだれしままに 宝舟

【作者】水原秋桜子

 

病みてより ふたとせめぐる 宝舟

【作者】水原秋桜子

【補足】「ふたとせ」とは「二年」を意味します。

 

宵もはや 枕はづせし 宝舟

【作者】後藤夜半(ごとう やはん)

【補足】(よい)とは、日が暮れて間もないころのことをいいます。

 

 


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