石榴(柘榴)の俳句 50選 -ざくろ-

熟した石榴の実と青空

枝になっている熟した石榴の実には独特な美しさがありますが、さらに一粒一粒の小さな実の鮮やかな赤さにも目を見張るものがあります。

この「石榴」は俳句において秋の季語でもあり、多くの作品に詠み込まれてきました。

このページには、石榴が詠まれた俳句を多く集めました。石榴のある秋の雰囲気に満ちた作品ばかりですので、どうかじっくりと鑑賞してみて下さい。

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目次

石榴の俳句 50選

石榴の花

「石榴」は秋の季語ですが、花が咲くのは 6~7月頃なので、「石榴の花」「花石榴」とすると夏の季語となります。

それでは、石榴が詠み込まれた俳句をみていきましょう。(句は先頭の文字の五十音順に並べてあります。)

 

 

暑き日の 暮れかかりたる 柘榴かな

【作者】会津八一(あいづ やいち)

 

幾刻ぞ 月と石榴の 位置かはる

【作者】加藤楸邨(かとう しゅうそん)

【補足】「幾刻」の読みは「いくとき」です。

 

いとけなき 柘榴の壺が 搖れてゐる

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】「いとけなき」は「あどけない」という意味です。

 

美しき 石榴に月日 ありにけり

【作者】瀧井孝作(たきい こうさく)

 

うなだれて 灰汁桶のぞく 柘榴哉

【作者】寺田寅彦(てらだ とらひこ)

【補足】灰汁桶(あくおけ)とは、灰汁(=灰を水に入れてできる上澄みの汁で、洗濯・染物に使うもの)を取るための桶のことです。「哉(かな)」は詠嘆を表します。

 

熟れざくろ 猿がかかへて 逃ぐるにや

【作者】細見綾子(ほそみ あやこ)

 

熟れそめて 細枝のしなふ 柘榴かな

【作者】西島麦南(にしじま ばくなん)

 

川向う なる弟の 石榴かな

【作者】橋 閒石(はし かんすけ)

 

簪も 櫛もなき髪 笑む柘榴

【作者】中村草田男(なかむら くさたお)

【補足】「簪」「櫛」の読み方は、それぞれ「かんざし」「くし」です。

 

去年の実の 柘榴にありて 雪降れり

【作者】永井龍男(ながい たつお)

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口あけて 柘榴のたるる 軒端哉

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】軒端(のきば)とは、軒のはし、軒に近い所のことです。

 

号令の 無き世柘榴の ただ裂けて

【作者】中村草田男

 

虚空にて 見えざる鞭が 柘榴打つ

【作者】桂 信子(かつら のぶこ)

【補足】「虚空」「鞭」の読み方は、それぞれ「こくう」「むち」です。

 

刻々と 緋を溜めてゐる 柘榴の実

【作者】飯田龍太(いいだ りょうた)

 

苔むせる ごとき柘榴も ありにけり

【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

【補足】「苔」の読み方は「こけ」です。

 

子の声に 応ふる空や 柘榴割れ

【作者】大野林火(おおの りんか)

【補足】「応ふる」の読み方は「こたうる」です。

 

子のゆくえ 石榴には声 悪しき鳥

【作者】橋 閒石

 

柘榴紅く 日輪は裂け 重なれる

【作者】山口青邨

【補足】日輪(にちりん)とは、太陽のことです。これに対して、月は月輪(がちりん)といいます。

 

柘榴熟れて 空は白雲 澄む日和

【作者】村山故郷(むらやま こきょう)

【補足】日和(ひより)とは、天候・空模様のことをいいます。

 

石榴喰ふ 女かしこう ほどきけり

【作者】炭 太祇(たん たいぎ)

【補足】「喰ふ」の読み方は「う」です。

石榴の実

 

柘榴裂け 岐路一方に 逃げ易し

【作者】古舘曹人(ふるたち そうじん)

【補足】岐路(きろ)とは、分かれ道、二また道のことでsづ。

 

柘榴ちつて 珊瑚瑪瑙を しく庭よ

【作者】村上鬼城(むらかみ きじょう)

【補足】「珊瑚」「瑠璃」の読み方は、それぞれ「さんご」「るり」です。

 

柘榴接いで 其夜逝かれし 聖かな

【作者】野村泊月(のむら はくげつ)

【補足】「其夜逝かれし(そのよいかれし)」は「その夜に亡くなった」の意です。

 

柘榴の裂け すでに継げざる まで深く

【作者】橋本多佳子(はしもと たかこ)

 

石榴の実 噛めば思ひ出 遥かなり

【作者】高浜年尾(たかはま としお)

【補足】「噛めば」の読み方は「めば」です。

 

柘榴の実 小さき顔の 少女出づ

【作者】原 裕(はら ゆたか)

 

石榴の実の 一粒だにも 惜しみ食ふ

【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

【補足】「一粒だにも」は「一粒でさえも」の意です。

 

石榴のみ 破裂したりし 轍かな

【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

【補足】轍(わだち)とは、道に残った車輪の跡のことです。

 

石榴の実 日々数へつつ 減つてゆく

【作者】阿部みどり女(あべ み どりじょ)

 

柘榴の実 欲しき顔なり ゑくぼ持つ

【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)

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柘榴ひとつ わけてもらひし ゑくぼかな

【作者】加藤秋邨(かとう しゅうそん)

 

石榴みな 弾けて媼 にこにこと

【作者】波多野爽波(はたの そうは)

【補足】媼(おうな)とは、年を取った女(=老女)のことをいいます。これに対して、男の場合は「翁(おきな)」といいます。

 

身辺に 割けざる柘榴 置きて愛づ

【作者】山口誓子

【補足】「愛づ(めづ)」は「愛し、いとおしむ」という意味です。

 

師をもつや 冬まで落ちぬ 石榴の実

【作者】秋元不死男(あきもと ふじお)

 

旅なれば 早起き柘榴 霧を呼ぶ

【作者】大野林火

 

提灯に 石榴を鬼子母 祭りかな

【作者】松瀬青々(まつせ せいせい)

【補足】「提灯」の読み方は「ちょうちん」です。鬼子母(きしも)祭りとは、東京都豊島区(としまく)・雑司ヶ谷(ぞうしがや)一帯で行なわれる鬼子母神御会式(きしもじんおえしき)のことです。

 

散らばれる 石榴の破片 鵙日和

【作者】右城暮石(うしろ ぼせき)

【補足】「鵙日和(もずびより)」も秋の季語です。

 

罪もなき 頭上あまたの 柘榴裂け

【作者】山口青邨

 

道元に こころある日の 割柘榴

【作者】森 澄雄(もり しみお)

【補足】道元(どうげん)は、鎌倉時代初期の禅僧です。

 

なまなまと 枝もがれたる 柘榴かな

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

熟した実の重さで撓んだ石榴の枝

 

庭の柘榴 床の柘榴を 笑ふらく

【作者】寺田寅彦

 

葉がくれに 秋をうなづく 柘榴哉

【作者】寺田寅彦

【補足】「葉がくれ」とは、草木の葉の間に隠れることをいいます。

 

鉢植の 柘榴少き 実を持ちぬ

【作者】寺田寅彦

 

はちわれて 實をこぼしたる 柘榴哉

【作者】正岡子規

【補足】「實」は「実」の旧字体です。

 

光こめて 深くも裂けし 柘榴かな

【作者】渡辺水巴(わたなべ すいは)

 

ひやびやと 日のさしてゐる 石榴かな

【作者】安住 敦(あずみ あつし)

 

夫妻の間 柘榴枯木の 影こまやか

【作者】山口青邨

 

二つ三つ 爆ぜし石榴に 盆地の日

【作者】高澤良一(たかざわ よしかず)

【補足】「爆ぜし」の読み方は「はぜし(=さけた、はじけた)」です。

 

ぼんやりと 出で行く石榴 割れし下

【作者】西東三鬼(さいとう さんき)

 

実の熟れて 柘榴たま~ ちる葉かな

【作者】飯田蛇笏

石榴の実

 

 


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