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『冬の俳句』 ベスト30! 【有名俳人の名作から厳選】

白梅

私は人に「夏と冬では、どちらが好きですか?」と尋ねることがあります。答えは人によってそれぞれですが、身の回りでは「夏」と答える人がかなり多くいました。

しかし私自身は、冬の生まれのせいかどうか、たとえ厳しい寒さであっても冬のほうが過ごしやすいのです。そして、冬の風物がとても気に入っています。

このページには、冬らしさを感じさせてくれる「冬の俳句、冬の句」を集めてみました。有名な俳句も多く選びましたので、是非じっくりと味わってみて下さい。

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目次

冬の俳句について

雪の中の南天

  • 冬の風物が目に浮かぶような句を選びました。
  • 「字余り」、「字足らず」の句は、極力選ばないようにしました。
  • 並んでいる順番は、俳句の先頭の文字の五十音順です。

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冬の俳句 ベスト30

 

行燈に 薬鑵釣りたる 霜夜哉

【意味】行燈(あんどん)に薬鑵(やかん)を釣るしている。霜夜(しもよ=霜が降りる寒い夜)だなあ…

【作者】加藤暁台(かとうきょうたい)=久村暁台

【季語】霜夜

【私感】「行灯(あんどん)」という言葉の響きが独特の雰囲気を作り出しています。

 

 

いくたびも 雪の深さを たずねけり

【意味】何度も(積もっている)雪の深さを尋ねたなあ…

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【季語】雪

【私感】子規が病床にあっての句といわれています。病により若くして亡くなった彼を思うと、とても切ないものを感じます。

 

 

いざ行かん 雪見にころぶ 所まで

【意味】さあ行こう、雪(を)見に。ころぶ所まで…

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

【季語】雪見(ゆきみ)

【私感】芭蕉の浮き立つような気持が感じらる句です。

 

 

うまさうな 雪がふうはり ふわりかな

【意味】うまそうな雪が「ふうわり ふわり」と(舞っている)…

【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

【季語】雪

【私感】「うまそうな」がいかにも一茶らしい句です。また、「ふうはり ふわり」というぎ擬音語が絶妙です。

 

 

帰り咲く 八重の桜や 法隆寺

【意味】返り咲く八重(やえ=花びらが多く重なった)の桜… 法隆寺の…

【作者】正岡子規

【季語】帰り咲く

【私感】「柿くへば…」の法隆寺の句も秀逸ですが、こちらも負けず劣らずの句と考えます。

 

 

寒月や 門なき寺の 天高し

【意味】寒月… 門が無い寺の空が高い

【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

【季語】寒月(かんげつ)

【私感】やはり、「寒月」は冬の句の雰囲気を引き締めます。

寒月

 

 

木の影や 我影動く 冬の月

【意味】木の影… 私の影が動き、(見上げれば)冬の月…

【作者】正岡子規

【季語】冬の月

【私感】月の冷たさと冬の寒さがシンクロしています。

 

 

草枯れて 狐の飛脚 通りけり

【意味】草は枯れ(る季節となり)、狐が飛脚(ひきゃく)のように通っていく

【作者】与謝蕪村

【季語】草枯れ

【私感】「狐の飛脚」の表現が印象に残ります。

 

 

極月や 雪山星を いただきて

【意味】極月… 雪山が星を頭にのせて…

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

【季語】極月(ごくげつ=12月の異名)

【私感】「極月」「雪山」「星」の 3つの言葉が、冬のイメージを強めています。

 

 

これがまあ 終のすみかか 雪五尺

【意味】これがまあ、最期の家(となるの)か… 雪が五尺(も積もっている)…

【作者】小林一茶

【季語】雪

【私感】一茶の俳句にしては、寂しさが感じられる句です。

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寒けれど 富士見る旅は 羨まし

【意味】寒いけれど、富士山を見る旅(をする人)は羨ましい

【作者】正岡子規

【季語】寒けれど

【私感】「松山へ立つ夏目漱石の見送りに、子規が寝坊して行けなかったことの言い訳の俳句」といわれています。これをふまえて句を読むと、何ともユーモラスな感じがしてきます。

 

 

さらさらと 竹に音あり 夜の雪

【意味】さらさらと竹に(当たる)音がする、夜の雪が…

【作者】正岡子規

【季語】雪

【私感】「さらさらと」の5文字で、雪の降る様子も目に浮かんでくるという俳句の妙を感じます。

 

 

しんしんと 寒さがたのし 歩みゆく

【意味】しんしんと(した)寒さが楽しい、(私は)歩いてゆく…

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

【季語】寒さ

【私感】寒さを「楽しい」としたところに、私は強い共感を覚えます。

 

 

杉の雪 一町奥に 仁王門

【意味】杉の(木に積もった)雪… 一町(=約 109メートル)奥に仁王門が…

【作者】正岡子規

【季語】雪

【私感】自分の知っている仁王門から、子規の詠んだ光景を想像してみると楽しみが増します。

杉の木に積もった雪

 

 

旅に病んで 夢は枯れ野を かけめぐる

【意味】旅の途中で病にかかり、夢(の中)では枯野をかけめぐっている

【作者】松尾芭蕉

【季語】枯れ野

【補足】この句が最後に詠まれたもので、芭蕉は病床で

旅に病んで なほかけ廻る 夢心

旅に病んで 枯野を廻る ゆめ心

などとするかを推敲したといわれています。

 

 

ともかくも あなたまかせの 年の暮

【意味】とにもかくにも、あなたまかせの年の暮…

【作者】小林一茶

【季語】年の暮

【私感】「あなた」は神仏と解するべきでしょうか。思いを寄せる人と解釈して味わうのも楽しいものです。

 

 

南天に 雪吹きつけて 雀鳴く

【意味】南天に雪が吹き付けて、雀が鳴いている

【作者】正岡子規

【季語】雪

【私感】南天と雪、赤と白の対比が鮮やかに目に浮かんでくる句です。

 

 

南天よ 炬燵やぐらよ 淋しさよ

【意味】南天… 炬燵(こたつ)やぐら… 淋しさ…

【作者】小林一茶

【季語】火燵(こたつ)

【私感】「よ」を3回繰り返すことによって生まれるリズム。俳句をつくる上でのヒントとなります。

 

 

ねぎ白く 洗ひたてたる 寒さかな

【意味】ねぎを(泥を落として)白く洗いたてる(=十分によく洗う)と、(一層)寒さが…

【作者】松尾芭蕉

【季語】ねぎ

【私感】ねぎ白さと冬の寒さを最初に結び付けたのが芭蕉の才といえるでしょう。

 

 

箱根こす 人もあるらし けさの雪

【意味】箱根(の山)を越える人もいるらしい、今朝の雪(の中を)…

【作者】松尾芭蕉

【季語】雪

【私感】名古屋で詠んだ句といわれています。

山中湖の雪景色

 

 

化けそうな 傘かす寺の 時雨かな

【意味】(何かに)化けそうな傘を貸す寺に降る時雨…

【作者】与謝蕪村

【季語】時雨(しぐれ)

【私感】時雨から受けるのは、やはり冬の印象です。「化けそうな」という表現に遊びが感じられる句です。

 

 

初雪や 水仙の葉の たわむまで

【意味】初雪… 水仙の葉がたわむまで(降った)…

【作者】松尾芭蕉

【季語】初雪

【私感】水仙は好んで詠まれる言葉です。水仙の葉に積もった雪が目に浮かんできます。

 

 

百八の 鐘鳴り止みぬ そとは雪

【意味】百八つの(除夜の)鐘が鳴り止みました。外は雪(が降っています)…

【作者】三橋鷹女(みつはし たかじょ)

【季語】雪

【私感】除夜の鐘と雪という冬の風物が二つ詠まれていて、これ以上はない大晦日の雰囲気を感じさせてくれます。

 

 

日を追うて 歩む月あり 冬の空

【意味】太陽を追って歩む(ような)月がある、冬の空に…

【作者】松本たかし

【季語】冬の空

【私感】蕪村の「菜の花や 月は東に 日は西に」の句が思い浮かびます。私は、その冬バージョンと捉えています。

 

 

冬海や 落花のごとく 鴎浮く

【意味】冬の海… 落花のように鴎(かもめ)が浮いている

【作者】中村草田男(なかむら くさたお)

【季語】冬海

【私感】冬の海に浮いて漂っている鴎の姿が、ありありと目に浮かんできます。

 

 

冬の月 寂寞として 高きかな

【意味】冬の月… ひっそりと物寂しく、高いところに…

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【季語】冬の月

【私感】冬の月に「寂寞(せきばく、じゃくまく)」という言葉が、とてもよく合っています。

冬の夜空の月

 

 

冬紅葉 冬のひかりを あつめけり

【意味】冬の紅葉… 冬の光を集めている…

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

【季語】冬紅葉

【私感】「冬」を繰り返しているところに技巧が感じられる句です。

 

 

三つ星の 上に月ある 寒さかな

【意味】三つ星の上に月がある。(この)寒さ…

【作者】及川 貞(おいかわ てい)

【季語】寒さ

【私感】「三つ星(=オリオン座の中央に並ぶ星)」と「月」の組み合わせが、冬の寒さを一層強く感じさせてくれます。

 

 

雪国の いつも目の前 雪がふる

【意味】雪国のいつも(のこと)… 目の前に雪が降っている

【作者】平畑静塔(ひらはた せいとう)

【季語】雪国

【私感】来る日も来る日も雪が降っているような冬の光景が伝わってきます。

 

 

雪しげく 何か家路の 急がるる 

【意味】雪がしきりに(降っている)… 何とはなしに、家への道を急いでいる

【作者】中村汀女

【季語】雪

【私感】雪の中、帰り道を急いでしまう心境がよく伝わってきます。

 

 

吾が影の 吹かれて長き 枯れ野かな

【意味】私の影が(風に)吹かれて長い(ように感じる)枯野…

【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)

【季語】枯れ野

【私感】「枯れ野」を詠んでいながら、どこかに漱石らしさを感じてしまいます。

 

 

わが門へ 来さうにしたり 配り餅

【意味】私の(家の)門(=出入り口)へ来そうにしている、配り餅が…

【作者】小林一茶

【季語】餅

【私感】一茶の家には配られなかったのでしょうか…

 

 

をさな子や 文庫に仕舞ふ はつ氷

【意味】幼い子… 文庫(ぶんこ=小物を入れる箱)にしまう初氷…

【作者】小林一茶

【季語】はつ氷

【私感】子供の可愛らしい仕草が目に浮んでくるような句です。子供を詠んだ一茶の句からは、やさしさが強く感じられます。

 

 

有名な俳人の俳句

有名な俳人の俳句は、こちらをご覧になってください。春・夏・秋・冬に分けて俳句を集めてあります。

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⇒ 与謝蕪村の俳句

⇒ 小林一茶の俳句

 

 

四季の俳句

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⇒ 夏の俳句

⇒ 秋の俳句

 


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