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5月の季語 30の【一覧】と例句

五月人形の兜飾り

5月に入ると爽やかな天気の日も多く、青くきれいに晴れた空は、見ていてとても気持ちがいいものです。

その空を風に吹かれて泳ぐ鯉のぼり、日の光を受けて輝く若葉など、目にする風物も清々しさに満ちています。

このページでは、そのような季節感に満ちた「5月の季語」といえるものを集めて、それぞれの例句とともに並べました。5月ならではの雰囲気が感じられるものばかりですので、是非チェックしてみて下さい。

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5月の季語 30

私たちが使っている現代の暦(新暦)の 5月にみられる風物で、俳句の季語となっているものを集めて、句の文字の五十音順に並べました。

また、それぞれの季語が詠み込まれた句を【例句】として挙げました。

なお、俳句の季語の季節感は旧暦によるものであり、ここに集めた季語は「夏」のものです。

 

 

袷 / あわせ

【例句】旅したき 思ひそゞろに 初袷

【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)

【補足】とは、裏地がある着物のことをいいます。

 

柏餅 / かしわもち

【例句】柏餅 古葉を出づる 白さかな

【作者】渡辺水巴(わたなべ すいは)

【補足】柏餅には、地域によって様々な呼び方があります。

  • かしわもち
  • しばもち
  • かたらもち
  • いばらもち
  • おまき
  • だんご
  • かからだご

【参考】 柏餅の由来は?

 

薫風 / くんぷう

【例句】舞殿や 薫風昼の 楽起る

【作者】河東碧梧桐(かわひがし へきごとう)

【参考】 「風薫る」の俳句

 

鯉幟 / こいのぼり

【例句】鯉幟 きそふ緑の ありてよし

【作者】後藤夜半(ごとう やはん)

【補足】鯉幟が飾られるようになったのは、江戸時代になってからのことでした。

 

早乙女 / さおとめ

【例句】早乙女の 夕べの水に ちらばりて

【作者】高野素十(たかの すじゅう)

【補足】早乙女とは、田に苗を植える女性のことをいいます。

田に向かう早乙女

 

五月 / さつき

【例句】噴水の 玉とびちがふ 五月かな

【作者】中村汀女(なかむら ていじょ)

【補足】旧暦・5月の和名は「皐月(さつき)」と表記されることもあります。

【関連】 皐月の俳句

 

五月晴 / さつきばれ

【例句】夕顔の 苗売る声や 五月晴

【作者】正岡子規(まさおか しき)

【補足】五月晴れは、旧暦の時代には「梅雨の時期の晴れ間」のことを意味していました。

【参考】 五月晴れとは?

 

五月富士 / さつきふじ

【例句】目にかかる 時やことさら 五月富士

【作者】松尾芭蕉(まつお ばしょう)

【補足】旧暦の五月の富士山の姿を意味する季語です。

 

菖蒲 / しょうぶ

【例句】小障子に 菖蒲の影や 夕月夜

【作者】正岡子規

【補足】菖蒲は、古くには「アヤメ」「アヤメグサ」と呼ばれました。ショウブ科ショウブ属の植物で、アヤメ科アヤメ属の花菖蒲(ハナショウブ)とは別物です。

 

菖蒲湯 / しょうぶゆ

【例句】菖蒲湯を 出てかんばしき 女かな

【作者】日野草城(ひの そうじょう)

【補足】端午の節句に菖蒲湯に入る習慣が広まったのも江戸時代になってからのことです。菖蒲湯は、菖蒲の葉や根を入れて沸かします。

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新樹 / しんじゅ

【例句】借りてさす 傘美しき 新樹かな 

【作者】阿部みどり女(あべ みどりじょ)

 

新茶 / しんちゃ

【例句】わが碗に をさめししづく 新茶くむ

【作者】皆吉爽雨(みなよし そうう)

【関連】 新茶の俳句

 

セル

【例句】セルの肩 月のひかりに こたへけり

【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)

【補足】セルは薄手の毛織物の名前です。

 

田植え / たうえ

【例句】しばらくは 荒雨しぶく 田植笠

【作者】西島麦南(にしじま ばくなん)

 

筍飯 / たけのこめし

【例句】松風に 筍飯を さましけり

【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

筍飯

 

 端午 / たんご

【例句】丈夫なる 泣き声たてて 初端午

【作者】阿部みどり女

【補足】端午の「端」は始まり、「午」は十二支の午(うま)の日という意味で、本来「端午」は月の始めの午の日のことを意味していました。

 

粽 / ちまき

【例句】恋しらぬ 女の粽 不形なり

【作者】上島鬼貫(うえじま おにつら)

【補足】不形(ぶなり)とは、形が悪いことを表現する言葉です。

 

梅雨迎ふ / つゆむかう

【例句】味噌倉の 鼠と共に 梅雨迎ふ

【作者】鈴木真砂女(すずき まさごじょ)

 

夏めく

【例句】夏めくや 庭土昼の 日をはじき

【作者】星野立子(ほしの たつこ)

【関連】 「夏めく」の俳句

 

薄暑 / はくしょ

【例句】急ぎきて 薄暑を感じ ゐたりけり

【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)

【補足】薄暑とは、初夏の頃に少し感じるくらいの暑さのことです。

【関連】 薄暑の俳句

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葉桜 / はざくら

【例句】葉ざくらに 人こそしらね 月繊そる

【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)

【補足】葉桜とは、花が散って若葉が出始める頃から新緑で覆われる頃までの桜の木の様子を表現する言葉です。「繊そる」の読み方は「そる」です、

 

八十八夜 / はちじゅうはちや

【例句】霜害を 恐れ八十 八夜待つ

【作者】高浜虚子(たかはま きょし)

【補足】八十八夜は雑節(ざっせつ)の一つで、「立春から数えて88日目の夜」のことをいいます。

【参考】 八十八夜とは?

【関連】 八十八夜の俳句

 

初鰹 / はつがつお

【例句】みどり葉を 敷いて楚々たり 初鰹

【作者】三橋鷹女(みつはし たかじょ)

 

初夏 / はつなつ

【例句】初夏の 山立ちめぐり 四方に風

【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)

【補足】「四方」の読み方は「よも」です。

【関連】 初夏の俳句

 

万緑 / ばんりょく

【例句】万緑を 一蝶浅く めぐりゐる

【作者】阿部みどり女

【関連】 万緑の俳句

緑の草原を飛ぶ蝶

 

吹流し / ふきながし

【例句】吹流し 五月の風を 蹴りに蹴る

【作者】山口誓子

 

繭 / まゆ

【例句】夏痩も せずに繭煮る 女かな

【作者】尾崎紅葉(おざき こうよう)

【補足】繭から糸を繰り取る準備として、繭を煮ることを煮繭(しゃけん)といいます。

 

武者人形 / むしゃにんぎょう

【例句】武者人形 飾りし床の 大きさよ

【作者】稲畑汀子

【参考】 こどもの日に兜や鎧を飾る意味は?

 

立夏 / りっか

【例句】雨あしの 立夏をあらき 拓地かな

【作者】飯田蛇笏

【補足】立夏は、一年を24等分したものに季節の名前を付けた二十四節気の一つです。

【参考】 立夏とは?

【関連】 立夏の俳句

 

若葉 / わかば

【例句】をちこちに 滝の音聞く 若葉かな

【作者】与謝蕪村

新緑に囲まれた滝

 

 


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