正岡子規の俳句 101選 -春・夏・秋・冬-
近代以降の俳句の世界において、正岡子規(まさおかしき)が果たした役割は、とてつもなく大きなものでした。
子規の「写生」に基づいた現実密着型の俳句からは力強さを感じることもできます。その一方で、肺結核によって強いられた闘病生活に関する句からは、何とも言えぬ悲しさが伝わってきます。
このページには、正岡子規の俳句の中から、季語で分けた春、夏、秋、冬の俳句を合計 で100句以上選びました。是非とも、これらをじっくりと味わってみて下さい。
目次
- 1 正岡子規の春の俳句 26
- 1.1 妹が頬 ほのかに赤し 桃の宴
- 1.2 鶯の 筧のみほす 雪解哉
- 1.3 鶯や となりつたひに 梅の花
- 1.4 梅の花 柴門深く 鎖しけり
- 1.5 大桜 只一もとの さかり哉
- 1.6 霞んだり 曇つたり日の 長さ哉
- 1.7 観音で 雨に逢ひけり 花盛
- 1.8 木の末を たわめて藤の 下りけり
- 1.9 紅梅や 式部納言の 話聲(はなしごえ)
- 1.10 櫻狩 上野王子は 山つづき
- 1.11 白き山 青き山皆 おぼろなり
- 1.12 たんほゝを ちらしに青む 春野哉
- 1.13 花の雲 かゝりにけりな 人の山
- 1.14 春の月 簾の外に かかりけり
- 1.15 春の夜の 石壇上る ともし哉
- 1.16 春の夜や くらがり走る 小提灯
- 1.17 ひらひらと 風に流れて 蝶一つ
- 1.18 ひらひらと 蝶々黄なり 水の上
- 1.19 古寺や 葎の中の 梅の花
- 1.20 毎年よ 彼岸の入に 寒いのは
- 1.21 餅買ひに やりけり春の 伊勢旅籠
- 1.22 山吹の 花の雫や よべの雨
- 1.23 雪の絵を 春も掛けたる 埃哉
- 1.24 行く春や 大根の花も 菜の花も
- 1.25 行く人の 霞になつて しまひけり
- 1.26 夜桜や 大雪洞の 空うつり
- 2 正岡子規の夏の俳句 25
- 2.1 雨雲を さそふ嵐の 幟かな
- 2.2 薄色の 牡丹久しく 保ちけり
- 2.3 うつむいて 何を思案の 百合の花
- 2.4 炎天の 色やあく迄 深緑
- 2.5 柿の花 土塀の上に こぼれけり
- 2.6 かたまりて 黄なる花さく 夏野哉
- 2.7 川せみや 池を遶りて 皆柳
- 2.8 行水を すてる小池や 蓮の花
- 2.9 芥子咲いて 其日の風に 散りにけり
- 2.10 五月闇 あやめもふかぬ 軒端哉
- 2.11 しづ心 牡丹崩れて しまひけり
- 2.12 涼しさや 猶ありがたき 昔かな
- 2.13 絶えず人 いこふ夏野の 石一つ
- 2.14 立ちよれば 木の下涼し 道祖神
- 2.15 たれこめて 薔薇ちることも 知らざりき
- 2.16 月赤し 雨乞踊 見に行かん
- 2.17 戸の外に 莚織るなり 夏の月
- 2.18 夏羽織 われをはなれて 飛ばんとす
- 2.19 葉桜や 昔の人と 立咄
- 2.20 昼顔の 花に皺見る あつさかな
- 2.21 昼中の 堂静かなり 蓮の花
- 2.22 蛍飛ぶ 中を夜舟の ともし哉
- 2.23 水打て 石燈籠の 雫かな
- 2.24 山里に 雲吹きはらふ 幟かな
- 2.25 六月を 綺麗な風の 吹くことよ
- 3 正岡子規の秋の俳句 25
- 3.1 秋晴て 故人の来る 夕哉
- 3.2 朝顔の さまざま色を 尽す哉
- 3.3 いさましく 別れてのちの 秋の暮
- 3.4 一日の 秋にぎやかに 祭りかな
- 3.5 稲妻を しきりにこぼす 夕哉
- 3.6 送られて 一人行くなり 秋の風
- 3.7 柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺
- 3.8 鶏頭の 十四五本も ありぬべし
- 3.9 しづしづと 野分のあとの 旭かな
- 3.10 せわしなや 桔梗に来り 菊に去る
- 3.11 禅寺の 門を出づれば 星月夜
- 3.12 月暗し 一筋白き 海の上
- 3.13 露なくて 色のさめたる 芙蓉哉
- 3.14 鳥啼いて 赤き木の実を こぼしけり
- 3.15 長き夜や 千年の後を 考へる
- 3.16 初秋の 簾に動く 日あし哉
- 3.17 灯ともして秋の夕を淋しがる
- 3.18 昼中の 残暑にかはる 夜寒哉
- 3.19 松山や 秋より高き 天主閣
- 3.20 三日月の 重みをしなふ すゝきかな
- 3.21 道尽きて 雲起りけり 秋の山
- 3.22 めいげつに 白砂玉とも 見ゆるかな
- 3.23 名月や 叩かば散らん 萩の門
- 3.24 行く秋や 一千年の 仏だち
- 3.25 をととひの へちまの水も 取らざりき
- 4 正岡子規の冬の俳句 25
- 4.1 朝霜に 青き物なき 小庭哉
- 4.2 いくたびも 雪の深さを 尋ねけり
- 4.3 色さめし 造り花売る 小春かな
- 4.4 面白や かさなりあふて 雪の傘
- 4.5 菊枯て 垣に足袋干す 日和哉
- 4.6 菊の香や 月夜ながらに 冬に入る
- 4.7 鶏頭の 黒きにそそぐ 時雨かな
- 4.8 琴の音の 聞えゆかし 冬籠
- 4.9 淋しさも ぬくさも冬の はじめ哉
- 4.10 山門を 出て八町の 冬木立
- 4.11 白菊の 少しあからむ 時雨哉
- 4.12 薄とも 蘆ともつかず 枯れにけり
- 4.13 栴檀の 実ばかりになる 寒さ哉
- 4.14 谷底に とどきかねたる 落葉哉
- 4.15 月影や 外は十夜の 人通り
- 4.16 月の出や はらりはらりと 木の葉散る
- 4.17 団栗の 共に掃かるる 落葉哉
- 4.18 南天を こぼさぬ 霜の 静かさよ
- 4.19 冬枯の 中の錦を 織る処
- 4.20 冬枯を のがれぬ庵の 小庭哉
- 4.21 冬牡丹 頼み少く 咲にけり
- 4.22 ほんのりと 茶の花くもる 霜夜哉
- 4.23 山里や 雪積む下の 水の音
- 4.24 夕月の おもて過行 しぐれ哉
- 4.25 雪ながら 山紫の 夕かな
正岡子規の春の俳句 26
春
妹が頬 ほのかに赤し 桃の宴
【季語】桃
鶯の 筧のみほす 雪解哉
【季語】雪解(ゆきげ、ゆきどけ)
【補足】筧(かけい)とは、水を導くための樋(とい)のことをいいます。
鶯や となりつたひに 梅の花
【季語】梅、鶯(うぐいす)
【関連】 梅の俳句
梅の花 柴門深く 鎖しけり
【季語】梅
【補足】柴門(さいもん)とは柴で作った門のことで、簡素で静かな住まいを意味することもあります。「鎖しけり」の読み方は「とざしけり」です。
大桜 只一もとの さかり哉
【季語】大桜
【補足】「只一もとの」は「ただ 1本の」という意味です。
霞んだり 曇つたり日の 長さ哉
【季語】日の長さ
【補足】この季語は「日永」、「日永し」、「永き日」などとも用いられます。
【関連】 日永の俳句
観音で 雨に逢ひけり 花盛
【季語】花盛(はなざかり)
木の末を たわめて藤の 下りけり
【季語】藤
【補足】「木の末」の読みは「このうれ」で、梢(こずえ)のことです。「こぬれ」ともいいます。
紅梅や 式部納言の 話聲(はなしごえ)
【季語】紅梅
【補足】式部(しきぶ)は、女官の呼び名です。納言(なごん)は、大納言・中納言・少納言の総称で、いずれも官職名です。
櫻狩 上野王子は 山つづき
【季語】櫻狩(さくらがり)
【補足】桜狩りは「花見、観桜(かんおう)」と同義です。上野(うえの)と王子(おうじ)は東京の地名で、いずれも花見の名所です。
【関連】 花見の俳句
白き山 青き山皆 おぼろなり
【季語】おぼろ
【関連】 朧の俳句
たんほゝを ちらしに青む 春野哉
【季語】春野
【関連】 たんぽぽの俳句
花の雲 かゝりにけりな 人の山
【季語】花の雲
【補足】花の雲とは、桜の花が満開となって雲のように見える様子を表現するものです。
春の月 簾の外に かかりけり
【季語】春の月
【補足】「簾」の読みは「すだれ」です。
春の夜の 石壇上る ともし哉
【季語】春の夜
春の夜や くらがり走る 小提灯
【季語】春の夜
【補足】「小提灯」の読みは「こちょうちん」です。
ひらひらと 風に流れて 蝶一つ
【季語】蝶
【関連】 蝶の俳句
ひらひらと 蝶々黄なり 水の上
【季語】蝶々
古寺や 葎の中の 梅の花
【季語】梅
【補足】葎(むぐら)とは、生い茂ってヤブのようになる「つる草」の総称です。
毎年よ 彼岸の入に 寒いのは
【季語】彼岸の入
【補足】この句には「母の詞 自ら句になりて」という子規の前書きがあります。
【関連】 お彼岸の俳句
餅買ひに やりけり春の 伊勢旅籠
【季語】春
【補足】この句に関連して、伊勢土産として有名な和菓子「赤福餅(あかふくもち)」の包装紙に
到来の 赤福餅や 伊勢の春
という句が、明治の末頃から 100年以上も記載されてきました。しかし最近になって(2017年)、子規の作品とする裏付け資料がないとの指摘が起こり注目されるようになりました。
なお一般的には、「到来の ~」は子規の詠んだ句には数えられていません。
山吹の 花の雫や よべの雨
【季語】山吹
【補足】「雫」の読み方は「しずく」です。「よべ」は「ゆうべ(=昨夜)」と同義です。
雪の絵を 春も掛けたる 埃哉
【季語】春
【補足】「埃」の読み方は「ほこり」です。
行く春や 大根の花も 菜の花も
【季語】行く春
【補足】「大根の花」、「菜の花」も春の季語です。
【関連】 菜の花の俳句
行く人の 霞になつて しまひけり
【季語】霞
【関連】 霞の俳句
夜桜や 大雪洞の 空うつり
【季語】夜桜
【関連】 桜・夜桜の俳句
正岡子規の夏の俳句 25
夏
雨雲を さそふ嵐の 幟かな
【季語】幟(のぼり)
【補足】端午(たんご)の節句に立てられる幟には、家紋や武者絵などが描かれます。
薄色の 牡丹久しく 保ちけり
【季語】牡丹
【関連】 牡丹の俳句
うつむいて 何を思案の 百合の花
【季語】百合の花
炎天の 色やあく迄 深緑
【季語】炎天
柿の花 土塀の上に こぼれけり
【季語】柿の花
かたまりて 黄なる花さく 夏野哉
【季語】夏野
川せみや 池を遶りて 皆柳
【季語】川せみ
【補足】「かわせみ(鳥)」には「翡翠、川蝉」の字が当てられます。「遶りて」の読み方は「めぐりて」です。
行水を すてる小池や 蓮の花
【季語】蓮の花
芥子咲いて 其日の風に 散りにけり
【季語】芥子(けし)
五月闇 あやめもふかぬ 軒端哉
【季語】五月闇(さつきやみ)
【補足】五月闇とは、旧暦 5月の梅雨のころの暗さをいいます。軒端(のきば)とは、軒のはし、軒に近い所のことです。
しづ心 牡丹崩れて しまひけり
【季語】牡丹
【補足】「しづ心(静心)」とは、静かな心、落ち着いた心持ちのことです。
涼しさや 猶ありがたき 昔かな
【季語】涼し
【補足】「猶」の読み方は「なお」です。
絶えず人 いこふ夏野の 石一つ
【季語】夏野
立ちよれば 木の下涼し 道祖神
【季語】涼し
【補足】道祖神(どうそじん)とは、道の魔物を防いで、行く人を守るという神のことです。
たれこめて 薔薇ちることも 知らざりき
【季語】薔薇(ばら)
月赤し 雨乞踊 見に行かん
【季語】雨乞踊(あまごいおどり)
戸の外に 莚織るなり 夏の月
【季語】夏の月
【補足】「筵」の読みは「むしろ」です。
夏羽織 われをはなれて 飛ばんとす
【季語】夏羽織(なつばおり)
【補足】夏羽織とは、夏に着る単衣(ひとえ=裏地がない)の羽織をいいます。
葉桜や 昔の人と 立咄
【季語】葉桜
【補足】葉桜(はざくら)とは、花が散って若葉が出始めた頃の桜をいいます。「立咄」の読みは「たちばなし」です。
昼顔の 花に皺見る あつさかな
【季語】昼顔
【補足】「皺」の読み方は「しわ」です。
昼中の 堂静かなり 蓮の花
【季語】蓮の花
【補足】昼中(ひるなか)とは「真昼(まひる)」のことをいいます。
蛍飛ぶ 中を夜舟の ともし哉
【季語】蛍
【関連】 蛍の俳句
水打て 石燈籠の 雫かな
【季語】水打て
山里に 雲吹きはらふ 幟かな
【季語】幟
六月を 綺麗な風の 吹くことよ
【季語】六月
正岡子規の秋の俳句 25
秋
秋晴て 故人の来る 夕哉
【季語】秋晴
【補足】「夕」の読み方は「ゆうべ」です。
【関連】 秋晴れの俳句
朝顔の さまざま色を 尽す哉
【季語】朝顔
【関連】 朝顔の俳句
いさましく 別れてのちの 秋の暮
【季語】秋の暮
【関連】 秋の暮の俳句
一日の 秋にぎやかに 祭りかな
【季語】祭り
稲妻を しきりにこぼす 夕哉
【季語】稲妻
送られて 一人行くなり 秋の風
【季語】秋の風
柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺
【季語】柿
【補足】この句と次の「鶏頭の…」は子規の代表作ともいわれる名作です。
【関連】 柿の俳句
鶏頭の 十四五本も ありぬべし
【季語】鶏頭
【補足】この俳句の評価をめぐっては、昭和 20年代に論争が起こりました。
しづしづと 野分のあとの 旭かな
【季語】野分(のわき、のわけ)
【関連】 野分の俳句
せわしなや 桔梗に来り 菊に去る
【季語】桔梗(ききょう)、菊
【関連】 菊の俳句
禅寺の 門を出づれば 星月夜
【季語】星月夜
月暗し 一筋白き 海の上
【季語】月
露なくて 色のさめたる 芙蓉哉
【季語】芙蓉(ふよう)
鳥啼いて 赤き木の実を こぼしけり
【季語】木の実
【補足】「啼いて」の読み方は「ないて」です。
長き夜や 千年の後を 考へる
【季語】長き夜
【関連】 夜長の俳句
初秋の 簾に動く 日あし哉
【季語】初秋
【補足】「簾」の読み方は「すだれ」です。「日あし(日脚)」とは、太陽が空を過ぎて行く歩みのことをいいます。
灯ともして秋の夕を淋しがる
【季語】秋の夕
昼中の 残暑にかはる 夜寒哉
【季語】夜寒(よさむ)
松山や 秋より高き 天主閣
【季語】秋
三日月の 重みをしなふ すゝきかな
【季語】すすき
道尽きて 雲起りけり 秋の山
【季語】秋の山
めいげつに 白砂玉とも 見ゆるかな
【季語】めいげつ(名月)
名月や 叩かば散らん 萩の門
【季語】名月
行く秋や 一千年の 仏だち
【季語】行く秋
をととひの へちまの水も 取らざりき
【季語】へちま
【補足】次の 2句と合わせたものが子規の「絶筆三句」です。これらの句から、子規の忌日(9月19日)は糸瓜忌と名付けられました。
糸瓜咲て 痰のつまりし 仏かな
痰一斗 糸瓜の水も 間にあはず
正岡子規の冬の俳句 25
冬
朝霜に 青き物なき 小庭哉
【季語】朝霜
いくたびも 雪の深さを 尋ねけり
【季語】雪
【補足】この句は子規が病床生活の中で詠んだものです。「何度も雪の深さ(積もり具合)を聞いてしまったなあ…」という意味です。
【関連】 雪の俳句
色さめし 造り花売る 小春かな
【季語】小春
【補足】小春(こはる)は旧暦 10月の異名です。また、晩秋から初冬にかけての穏やかな天候のことを小春日和(こはるびより)といいます。
【関連】 小春の俳句
面白や かさなりあふて 雪の傘
【季語】雪
菊枯て 垣に足袋干す 日和哉
【季語】足袋(たび)
菊の香や 月夜ながらに 冬に入る
【季語】冬
鶏頭の 黒きにそそぐ 時雨かな
【季語】時雨(しぐれ)
【関連】 時雨の俳句
琴の音の 聞えゆかし 冬籠
【季語】冬籠(ふゆごもり)
【補足】冬籠とは、冬の寒い間、家にこもって外に出ないでいることです。
淋しさも ぬくさも冬の はじめ哉
【季語】冬のはじめ
山門を 出て八町の 冬木立
【季語】冬木立
【補足】山門(さんもん)とは、仏教寺院の正門のことをいいます。
白菊の 少しあからむ 時雨哉
【季語】時雨
薄とも 蘆ともつかず 枯れにけり
【季語】枯れ
【補足】「薄」「蘆」の読み方は、それぞれ「すすき」「あし、よし」です。
栴檀の 実ばかりになる 寒さ哉
【季語】寒さ
【補足】「栴檀」の読みは「せんだん(=センダン科センダン属の落葉高木)」で、秋に黄褐色の実がなります。
谷底に とどきかねたる 落葉哉
【季語】落葉
【関連】 落ち葉の俳句
月影や 外は十夜の 人通り
【季語】十夜(じゅうや)
【補足】十夜とは、浄土宗の寺院で行われる「十日十夜法要」のことで、古くには旧暦の 10月5日の夜~15日の朝までの 10日間にわたるものでした。
月の出や はらりはらりと 木の葉散る
【季語】木の葉
団栗の 共に掃かるる 落葉哉
【季語】落ち葉
【補足】「団栗」の読みは「どんぐり」です。
南天を こぼさぬ 霜の 静かさよ
【季語】霜
冬枯の 中の錦を 織る処
【季語】冬枯
冬枯を のがれぬ庵の 小庭哉
【季語】冬枯
【補足】庵(いお、いおり)とは、質素で小さな家のことです。
冬牡丹 頼み少く 咲にけり
【季語】冬牡丹
ほんのりと 茶の花くもる 霜夜哉
【季語】霜夜
【補足】霜夜(しもよ)とは、霜がおりる寒い夜のことをいいます。
山里や 雪積む下の 水の音
【季語】雪
夕月の おもて過行 しぐれ哉
【季語】しぐれ
雪ながら 山紫の 夕かな
【季語】雪
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